イベント参加予定

【イベント参加予定】2024/5/19 文学フリマ東京38 / 2024/5/26 COMITIA 148

2019/04/30

平成最後の日(『なぜ今、仏教なのか』、大口商店街散歩)

なんということもないですけれど、いちおう取引先が連休である恩恵でのんびりモード。本を読んだり、部屋の片づけをしたり、イアンの草稿をいじったりしてます。読んでる本と、昨日行ったレトロ商店街散歩のことなど書きます。

近所のスーパーにあった平成まんじゅう。改元ビジネスのいいお客になってます。(笑)

中身はこんな感じ。普通の紅白酒まんじゅうでした。おいしかった❤

#AmReading

今読んでる本から一冊。ロバート・ライトの『なぜ今、仏教なのか』。じつは著者を知ったきっかけはテッド・チャンさんで、著者のライトさんがやってるオンライン番組にチャンさんが出演し、ネット対談をしたことでした。(詳しくはこちら:テッド・チャン情報メモ BuzzFeed寄稿記事と対談ビデオ ※PC用サイトです )その時興味が湧いて著書を図書館で探したんですが、入っていたなかで一番最近のものがこれ。予約を入れたものの、けっこうな人気で数カ月待ちました。ようやく順番が来て、ちょうどこの連休中借りていられるので読んでます。(いつも複数スイッチしながら読むためなかなか終わらないのですが、期限があると必死になるので読了率が上がります。ありがたい。(笑))



西洋でブームになってる「西洋仏教」を、最新の心理学系の切り口で説明してる本なんですが、著者本人が瞑想合宿に参加した体験が核になってます。海外のコレ系テーマの本ではありがちと言えばありがち。とはいえこのライトさん、いわゆるスピリチュアル系キャラとは対極で、仏頂面のシニカルなユーモアが持ち味の方なので――チャンさんとの対談時も、ちょっと意地悪に見える(笑)シーンもありました――おかげで(?)こしょばゆい感じはないです。舌鋒するどいというより、シニカルなユーモアをまぶしながら、ときどき「親近感が湧き、かわいく感じる」イメージの話を絡めて――ご本人の欲望の対象として「粉砂糖がけのドーナツ」をしつこく挙げるなど――一般書として読みやすいバランスがうまくとられているな、と感じます。

導入部で映画『マトリックス』と絡めていて、この映画自体がそういう(仏教思想的な)深読みでカルト人気のあるものなんですが、我田引水ではありませんでした。監督が撮影前に、主演のキアヌ・リーヴスに資料として渡した本のなかに、ライトさんの既刊『モラル・アニマル』が含まれていたそうです。前述のチャンさんとの対談では水と油に見えたお二人でしたが、チャンさんは以前から好きな映画として『マトリックス』を挙げているし、そういう意味で薄いつながりはあったんだな、と思ったりもしました。

さて、この『マトリックス』、枕として使われてるだけかと思ったら、けっこう内容のほうにも絡んできています。(現実をどう認知するかという文脈で。今まだ半分ちょっとしか読めてませんが、そのへんがテーマのようです)少し前からブームになってるマインドフルネスについての考察が多いのですが、別に読んでいた"Self Compassion"という本がやはり似たもので、二冊の本から同時に説明されて(笑)、ちょっと認識が変わりました。

昔修学旅行で永平寺に泊り、そこで座禅体験をしたことがあります。そのへんの浅い認識から、マインドフルネスも「一つのものに意識を集中させる」とか「何も考えないようにする」という瞑想だと思ってました。でも、この説明だと「今自分はコレを考えている、感じている、ということ自体を意識する」という感じみたい。びみょーに違う? あるいは同じことを自分が理解し損ねてるんでしょうか。読了したときにどういう認識になるか、楽しみです。

…あ、チャンさんといえば、新刊"Ehalation"の発売は5/7でしたね!自分はペーパーバックのほうを予約したので、読めるのは5/14以降です。装丁はハードカバーのほうが好きなんですけど、収録作のうち新作は二つだけだというし、金欠でもあり少しでもお安いと助かるので。(^^;) とにかく拝読できるのが楽しみです。ああっ、その前に、以前見つけた講演動画の記事をチャンさんコーナーにアップしたかったんですが、途中のまま私事でイロイロ忙しくなってしまい、こんな時期に来てしまいました。できればそちらもお蔵にせずにアップしたい…というわけで、最後はチャンさんのお話になってしまいました。失礼。

大口商店街散歩

さて、連休に外出予定は入れてないんですが、昨日はふと思いついて、横浜市内で昔住んでいたところの近くにある、大口商店街というところに行ってきました。ググったら横浜三大商店街の一つに入ってるんだとか。知らなかったです。

横浜線の大口駅方向から歩いて、これは終わりの京急子安駅近く。左側にお寺があります。

今回行ったのは、ちょっと個人的な思い入れもありました。J庭ペーパーにだけ書きましたが、じつは二月に父が亡くなり、ここは父が昔勤めていた会社の近くなのです。(社宅があって、今の家を建てている間だけそこにいました。たぶん幼稚園に上がる前のことです)ようやく「急に涙が止まらなくなる」ようなことはなくなりましたが、まだちょっと夢を見ているみたいな感じはあります。あまり詳しく思い出すとまだ泣けてしまうので、考えるのを避けているところもあるんですが、ここは急に行ってみたくなりました。まあ昨年あたりから、漠然と「今どうなってるのかなあ」という興味はあったのですけど。

行ってみると、特に感傷に浸ることはありませんでした。ここを父と歩いた記憶はないし、直接つながらないせいかもしれません。(日頃のお買い物は母に連れられていたのであり、父は休日に買い物に付き合うタイプではなかったので)
むしろ普通に「レトロな商店街散歩」として味わってきました。

『荒野の用心棒』のポスターがあって思わずパチリ。
中はよく見えませんでしたが、看板にホビーショップと書かれていました。

もう記憶もおぼろげなんですが、母がよく行っていた練り物屋さんの「能登屋さん」を憶えていたので、そこに行って買い物をしたり。(能登屋さん、地元では有名店なのです。横浜高島屋にも出店してるのでときどきそこで買ってますが、本店は大口だそうです)連休のせいなのかなんなのか、閉まっているお店も多くて、記憶にある「漠然とにぎやかなイメージ」はまったくなかったです。人も少なく、天気が曇りだったのもあって寂しいくらいだったんですが、短時間で別の次元に行ってきたようなひとときでした。

…記憶にあるのは昭和のことですし、改元直前なのは偶然ですが、能登屋さんでは改元を記念したパッケージで売ってたので買ってきました。コレをいただいて平成を締めくくります。(笑)

能登屋さんの練り物セットと、和菓子の冨士家さんの赤飯とまめ大福。おいしくいただいてます♥

2019/04/13

ぶらり神保町散歩

ふと思いついて神保町に行ってきました。たぶん昨年秋の古本まつり以来。特に買いたい本があったわけではなかったのですが、二月からワタクシゴトでいろいろありまして、気分転換したくて行きました。ホンモノの古書店の匂いをかぐとやはり生き返ります。

今日はなんとなく「喫茶店のナポリタンが食べたい!」というのがあって、でたらめに歩いてもお店が見つからなかったので検索。いきなりでてきたのが『さぼうる』。有名すぎるのがなんとなく恥ずかしくて(?)一度しか行ったことがないのですが(^^;)、他を探し回るのも大変だし、おなかも空いていたので素直に行ってみました。食事をするのは初めてです。着くとすでにお店の外に7~8人の列でしたが、わりとすぐに入れまして、地下の席でいただきました。

ナポリタンとアイスコーヒーのセット。900円ナリ。

写真ではわかりにくいですが、すっごい大盛!食べ始めは皿からこぼれないように気を遣いました。(笑)二人前はありそうです。並んでいるときに「大盛なんだよ」と話している方がいらして、おかげで覚悟して注文できましたが、知らずにこれを見たらびっくりしていたと思います。でもおいしく完食いたしました♥

そのあとも本を見てぶらぶら。幸せ。買わなくとも棚を見るのが楽しい。後半でお手洗いを借りようと三省堂に行ったら中にも古書コーナーがあったので……他の古書店が棚に出展してるような感じなんですが……そこをじっくり見て、結局ここで新刊本(仕事の参考書)も含めてお買い物しました。


表紙でクラッときて買ってしまった古書が、グレゴリー・ペックソフィア・ローレン共演の映画『アラベスク』原作本!ポケミスで出ていたのか~…。映画はよく覚えてないのですが、グレゴリー・ペックの写真集にこの映画のポスターも入っていて、すごく印象的だったのです。(生まれて初めて買った俳優さんの写真集が彼のものでした)巻末の解説をカンニングしたところ、例によって映画は原作とはけっこう違うらしいのですが、オビによると「本格的スパイ小説!」とのことなので、これはこれとして楽しみたいと思います♪ というか、きちんと映画を見直したくなりました。

…最初は横浜でモーニングを食べて帰ってくるつもりだったので(クロワッサンが名物のお店なのですが、写真を撮り損ねました。今度リベンジします!)、いちおう読む本は持って行きまして、今日はシュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』。これは以前伊勢佐木町で、やはり古書で手に入れたもの。

今日買った本ではないですが、好きなのでパチリ。

歴史上影響力のある出来事が起こった瞬間を「星の時間」(素敵な表現で大好きです❤)として、さまざまなエピソードを紹介するものなんですが、小説仕立てなのでいわば短編歴史小説集みたいなもの。ときどき目次を見て興味が湧いたのを順不同で読んでるんですが、今日は電車の中やお店で『一と晩だけの天才』というのを読み終えました。フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』ができたいきさつのお話です。ちょっと切なかった……。でもツヴァイクさんの文章は熱がこもっていて、散文だけど「歌い上げる」みたいな感じがあります。

そんなこんなでいい一日でした。行ってみればこうして行けるのに、目的がないとなぜか行かない神保町……うちからは半端に遠いのです。でも古本まつりのときは人も多いし、ブラブラするだけでこんなに満たされるなら(笑)もっとフツーに、ときどき思い立ったときにぶらりと行きたいなー……。なんて思います。