イベント参加予定

【イベント参加予定】2024/5/19 文学フリマ東京38 / 2024/5/26 COMITIA 148

2023/07/19

J.GARDEN54申し込み&夏のおこもり期間到来☆

10/8開催のJ.GARDEN54に、特設ジャンル「ホラー・オカルト」で参加を申し込みました。抽選の有無はまだわかりませんが、とりあえずご報告します。(追記・「重大な不備を除き落選はありません」とのことです。よかった♪

7/16に申し込んだのですが、じつは締切日の昨日カットを下のものに差し替えました。(『流星:SF・微JUNE掌編集』を入れ忘れたことに気づいたため。「J庭以外のどこで売る!?」という本なのに!(^^;))他にもコントラストやテキスト、フォントなど地味に修正いたしました☆


サークルカット。
カタログ等ではグレースケールになります。

家の事情と自分の体調の都合で、イアンシリーズの新作はもう少しかかりそうです。申し訳ありません。でも「オタクの神様が自分のために設定してくださったのでは!」と勘違いするくらい(笑)水を得た魚(?)な心地のする「ホラー・オカルト」でのJ庭参加なので、確実に持参できてふさわしいものを……と考え、しばらく紙版の在庫がなくなっていた『脳人形の館』を再版することにしました。うちの本では唯一ホラー色があり、かつ一番「JUNE」だと自分では思っている作品です。露骨なサービスシーンは皆無ですが、「だからこそ」の圧力が自分の思う理想のJUNEだったりします……(ナマ言ってすみません!(^^;))

もともとは英国俳優ピーター・カッシングとクリストファー・リー(いずれも故人)の当て書き小説ですが、オリジナルとして成立するように書きました。幸い予備知識なしに読んでくださった方にもご好評を賜りました。過去作ではありますが、特設ジャンルのお力で、作品がご趣味に合うような、新たな読み手さんに出会う機会になればと願っております。
(いただいたご感想はこちらに掲載させていただいております。改めて御礼申し上げます)


カットで「新装版」としましたが、以前はコピー誌だったのを「印刷」版に変え(オフセットやオンデマンド印刷をひっくるめた呼称ができたのですね♪)、内容もkindle版と同じ(イラスト・漫画省略版)にしようと思っています。

コピー誌版に入っていたイラストや漫画は、別刷りにまとめて(kindle版でお読みくださった方にもご覧いただけるように)紙で無料配布&kindle無料漫画にさせていただいたらどうだろう……などと思案しております。決まりましたらお知らせいたしますね。

体力的にコピー誌制作がきつくなってきたので、じつは印刷版への移行は念願でした。渡りに船の機会に感謝です。


…で、がっつり「オカルト」を扱うイアンの新作が出ないのにアレですが、「ホラー・オカルト」に因んだものを何か、薄いものでもいいから作れないかしら……などと欲が出てきました。(ああ、こういうことしてるから長い新作がなかなか完成しない![反省])

確保できる時間と体調しだいなので、あまり夢物語は語らない方が良いかもしれません。(それでいつも自分の首を絞めるので…)何か出ましたらヨロシクオネガイシマス。


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最近の夏はほんとにきついですね。情けないことにここ数年、夏になるとずーっとゆるく熱中症で、半病人のようなテイタラクです。まあずっと寝込んでいるわけではないのですが、頭がぼーっとしやすくて判断に時間がかかったり、なにもやる気が出なかったり。料理は好きなのですが、コンロを使うのを控えたり、買い出しも早朝開いているお店やネットスーパーに頼ったり……でもこういうシステムがあるのはありがたいことですね。

同人活動については、「暑い間はイベントは出ない」と割り切りました。引きこもる分夏は制作がはかどる季節……となればむしろ一石二鳥(???)なんですが(笑)。とにかく今から秋が待ち遠しいです! 猛暑の折、皆様もどうぞお体ご自愛ください。


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イベントに出ない間も、本たちは通販(BOOTHフロマージュブックス)やkindle版でお届けしております。涼しいお部屋で、冷たいものでも飲みながらお楽しみいただければ幸いです。





2023/07/13

ワトニー2号、3号を朝穫り

ジャガイモのワトニー2号、3号の地上部がいい感じに枯れてきたので、早朝に掘ってみることにしました。先週掘った1号より1~2週遅れて植え付けたので、掘るタイミングとしては同じような感じです。

こちらも元は食用で買ったイモですが、1号とは種類が違い(両方品種は不明)、かつ大きいのを三分割くらいにして植えたものです。違いが楽しみ♪


ジャガイモエリア地上部

シソと雑草に埋もれて(笑)わかりにくいですが、ジャガイモは葉が黄色くなって枯れてきています。まずは3号の周りを手で掘り、持ち上げてみると……。

掘り上げたワトニー3号

立派におイモさんが♪ 続いて2号も掘ります。

ワトニー2号の掘り途中。
大きなイモが見えてきたところ。興奮しますー♥

掘り上げたワトニー2号

今回は両方種イモは跡形なく消えていました。少なくともパッと見には見つけられず。1号はミニイモを切らずにそのまま植え、種イモが大きさそのままで残っていました。分割すると消えるものなのかしらん?

左からワトニー2号、3号のおイモたち

 両方しっかり土で隠れていたので、緑の部分はありません。よしよし♪

収穫後のミニ畑

跡地には昨年のこぼれ種のシソと雑草だけ。シソは掘るのに邪魔なのを数本抜きましたが、次に植えるものを決めるまでは、手前のも残しておくことにしました。もうかなりバッタのレストランになっていますが、そこそこ食べられるので……シソは好きですし(笑)。

すでに6時近くなっていましたが、曇っていたのでそれほど汗もかかず、作業は楽でした。



両方合わせて正味10個、+ビー玉4個

掘り上げるときにけっこう指で擦ってしまったようで、べろりと皮むけがあるものが半分くらいあります。-まさにホッタイモイジルナ(いや、掘るときのことだから)。……次は気をつけて掘ろう。(すでに秋植えの意欲満々(笑))今回は朝に掘ったので、温度が上がる昼間にかけてすぐ乾燥させることができます。

小さなイモをそのまま植えたワトニー1号と比べると、個数は少ないですね。けれど三分割でひとつはだめになったので、すべてがうまくいっていたら1号を超えることになります。大きさも比較的平均しているような気が……まあ品種も違いますし、地中の条件が細かく違うとは思うので、そこはなんとも。分割して灰をつけるのは面倒だし、小さいので条件がいいのがあればそのまま植えるほうが楽だな♪ と思いました。

収穫後に一服

早朝にひと仕事終えておコーヒー。アイスコーヒーだけど、マグに氷を入れてみました。(こういう出し方する喫茶店ありますよね……ちょっとしゃれて見える(笑))

なかなか優雅な朝でありました。

2023/07/10

ワトニー1号収穫☆:初ジャガイモと三つ子と『ビルぶら』

 4月に植えたジャガイモのうち、最初に植えてワトニー1号と命名したおじゃがを、この週末に収穫しました。(「ワトニー」はSF小説『火星の人』/映画版『オデッセイ』の主人公。火星に一人取り残され、ジャガイモを育てて生き延びます。その逞しさにあやかろうと名づけました(笑))

じつは「収穫は90日後くらい、2日以上晴れが続いたあとの午前がいい」と読みかじり、今週に入ってからやるつもりでした。ところが、土曜日の夕方に趣味の雑草取りをしていた母(一昨年脳梗塞を患いましたが、こんなことができるまでに回復しました(^^))が、「周りの草を抜いたらすごく大きいのが出てきた!」と盛り上がって知らせに来たので、なんとなく勢いをそぐのもかわいそうになって(笑)急遽1号だけ収穫することに。(ワトニー3号まで植えています)


ちらりと見えてる「すごく大きいの」


けっこうゴロゴロ出てきてわくわくしました♪ 一部土からはみ出て緑になっているものもあり、これは残念。ソラニンという毒ができていて、食べない方がいいそうです。でも初めてにしては大満足です!

初収穫♪


三つ子ちゃんでした

なかに4個くっついてるのがありました…。

 


洗ってみたら、どうやら親イモから直接つながってる子たちのようです。黒っぽいのがたぶん親イモだと思います。では四つ子じゃなくて三つ子か……。


こんな感じで「へその緒」が。



親イモってもっとしなびて小さくなっちゃうものかと思ってました。植えたときと変わらないですね。意外な発見でした。


親イモを除くと実質10個ですかね。あとビー玉みたいなのが2つ。(かわいい♪(笑))


ジャガイモのみそ汁が母の好物なので、初収穫からみそ汁を作り、おいしくいただきました♪

 
初収穫のおじゃがのみそ汁。


『ビルぶら』から出た食欲

写真のみそ汁の後ろに写り込んでるのはブリ大根です。録画した『ビルぶら』で市場を見てたら魚が食べたくなって、冷凍庫にあった業務スーパーの「骨取りブリ」を解凍したのでした……(笑)

レトロな建物大好きなので、最近この番組楽しみにしてます。以前あった『百年名家』も大好きでした。専門知識は馬耳東風で雰囲気を楽しむほうなので、『ビルぶら』のほうが自分の楽しみ方にちょっと近いのかもしれません。(昭和レトロ梶原善さんもなにげに好きですし……あ、八嶋さんも好きです♪)けっこう見逃してるのでもっとマメに見とけばよかったなぁ……と思ったらバックナンバーが配信されてるのを発見したので、リンクを貼らせていただきます。よかったらどうぞ♪


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ワトニー1号は、八百屋さんで「食べられるB級品」として一袋50円(追記:確認したら記憶違い。100円でした)で売られていたちっちゃいイモのなかから、緑になりすぎたのをそのまま植えたものです。植える前にさらに光に当てて芽出しをしましたが、頼りない芽しか出なくて「こりゃーダメかな」と思ってました。こんなに立派なのができるなんてちょっと感動。植物の神秘を感じてます。


残りのワトニー2号、3号は、同様に食用で買ったものですが、イモの種類が違い、大きかったので分割して切り口に線香の灰(笑)をつけて植えました。1号より1~2週遅れて植えたので、もう少ししたら掘ります。こちらもどうなっているか楽しみ♪


収穫後のジャガイモエリア。
「空地」の左側にワトニー2号、3号がいます。

写真のぽっかり空いた所が元ワトニー1号の住まい。周りは昨年のこぼれ種のシソだらけです。シソ三昧を楽しんでましたが、そろそろバッタのレストランになってきました。(カマキリちゃんに本気出してほしい)


…しかし、「芽が出ちゃったおイモ」を植えて土寄せをして、一回肥料(100均の化成肥料)をやっただけでちゃんとできるなんて……魔法を見るようです。手がかからないわりに食べ応えがあるせいか、過去に植えたほかの野菜より「食費を助けてる自己満足感」も大きいです(当社比)。専用の種イモを買ったわけではないので、失敗を恐れず気軽にできるのもいい。連作を避けるために何か植えて、ぜひまたやりたいです!


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◆植えた時の様子など。

「わだばワトニーになる」/荒れ地にイモを。


◆「ワトニー」について。(前半は好きな俳優さんの話なので鼻息荒くてスミマセン)

「幸いぼくは植物学者」+アリスさん確認(感涙)/『オデッセイ』感想

2023/07/02

『スター・レッド』再び

《ちょっと長いので目次つけます。リンクはできないのでご容赦☆》

・萩尾望都先生マイブーム再燃
・作品世界
・「異端」と「救い」と「ミュータント」
・印象的な台詞の数々
・英語版がほしい☆

今回ゲットした大判と昔買ったフラワーコミックス版の
『スター・レッド』。記念に並べてパチリ。

 

萩尾望都先生マイブーム再燃

先週あたり、きっかけを忘れたんですが、ふと萩尾望都先生の検索をしたことがありました。作品データのアーカイブサイトやYouTubeのインタビュー動画を発見し……YouTubeありがたいですね。昔見た覚えがある、教育テレビの少女漫画入門的な番組などもあって懐かしかったです。そんな精神的な「聖地巡礼」で気持ちが過去に引き戻された中で、「大きな版型で連載当時のカラーページをすべて収録」した『スター・レッド』のコミックスがあるのを知りました。


じつは、萩尾先生の漫画で一番好きなのが『スター・レッド』なんです。最初は中学生くらいだったでしょうか。でもその頃の自分の周りでは、萩尾先生の作品を読んでいる友達はいませんでした。(薦めて読ませた友達には「星(セイ)とかサンシャインとか名前がベタ過ぎる」みたいな難癖をつけられて、我がことのように傷ついたり…(^^;))高校の漫研ではさすがにみんな読んでいましたが、熱く語られるのは『ポーの一族』と『トーマの心臓』「『スター・レッド』が好き」とはなかなか言い出せなかった思い出があります。今でもそんな感じはするのですが……スリコミから来たへんな被害者意識でしょうか。(笑)


さて、その大判コミックスですが、すでに古書しかありませんでしたがさっそくゲットしました。冒頭のカラー~二色刷りはなぜか見覚えがあり、原画展とその図録で目にしていたようです。とにかく一気に再読して、改めてすごい作品だなあと感動したのでした。

一枚目では箔刷りの絵が反射で見えないので。
大判の表紙はこんなです。


作品世界

作品の舞台は未来の地球と火星、そして外宇宙。火星は元流刑星という設定で、地球から送られた囚人の子孫が「火星人」です。色素が薄くて白い髪と赤い眼、世代を経るごとに強い超能力を持って生まれます。それで「何世代目」というのが彼らにとって大事なプロフィールになっています。地球では忌み嫌われる存在です。

主人公の星(セイ)は火星人ですが、とある事情で地球人の徳永博士の養女となり、地球で正体を隠して成長します。現在は一種の暴走族(といっても「夜露死苦」な世界とは違うのでご安心を)を率いる強い女の子。ある日エルグという不可思議な青年と出会うところから、実に壮大で切なくて、同時に凛とした物語が始まります。強さとナイーブさを併せ持つ星のキャラクターが独特です。


風に吹かれるようなイメージシーンの美しい表現、独特の台詞とテンポ……と、いちいち身に沁み込んだように覚えていたのですが、具体的なストーリーは詳細が記憶から抜け落ちていました。そのせいか、何度も読んでいるのに泣いてしまいました。


萩尾作品との出会いは、たぶんこれか、原作ものの『恐るべき子供たち』(ジャン・コクトー原作)、『ウは宇宙船のウ』(レイ・ブラッドベリ原作)だったと思います。今でも「これだけは手放せない」という萩尾作品はこれらです。ポーやトーマはそのあとに評判を知って読みましたが、やはり自分が特に強く惹かれるのはSF系作品でした。


その後も折々リアルタイムの作品はチェックしていたのですが、『残酷な神が支配する』がつら過ぎて途中で読むのをやめ、しばらくは先生の作品から遠ざかっていました。(「なんでお金を払ってこんなつらい思いをしなきゃならないんだ」と思ったくらい。脆弱な読者ですみません(^^;))ポーやトーマは美しくて切なくて好きですけれど、別の意味でつらい(?)ところもあります。というのは、読んでいると自分の心の奥の、一番繊細で脆くて傷つきやすいところが引っ張り出されて、丸出しになってしまうから。(その時は我ながらまるで「妖精さん」です。こんな状態では生きていけない!(笑))でも時々ひっそりと浸りたい感覚ではあります。


「異端」と「救い」と「ミュータント」

『スター・レッド』では、少し救いを感じていることに今回気づきました。まずは主人公が持つ強さと賢さ。そして異端であり繊細過ぎる面を持つ主人公に、ちゃんと受け皿や守り手となる存在があることです。星にはエルグがいます。同じSF系作品の『A-A'』に出てくる特殊な一角獣種のキャラクターたちにも、それぞれ庇護者がいます。このセーフティネット感は、先生の作品ではSF作品に見ることのほうが多い気がします。現代ものなど、よりリアルな設定だともっと厳しくやりきれない。たしかに現実では——たとえば上記の「一番繊細な部分を丸出しにしたナイーブな自分」を仮に表に出して生活したとしたら——そんなセーフティネットは想像ができません。それでそういう面は封印するしかないから、そうするようになるのです。「大人」として。


同じようなことは、たぶん多くの方にあると思います。だからこそ、「自分のどこかを人前では封印しなくてはならない」という意識を持つある種の人にとっては、萩尾先生のSF作品は共感を持って没入できる面があり、ある意味でリアリティをもったユートピアでもあると思うのです。(リアリティというのは、主人公の持つ負の要素が「その世界では逆に有利」とはならないこと。そのうえで、かすかな希望が示されます)


そういえば、こういう「ミュータントもの」(突然変異などで超能力を持つ異端者を主人公にした物語——今はこういう言い方しないかな…?)、若い頃すごく共感した覚えがあります。SF小説だと『オッド・ジョン』『人間以上』。それよりだいぶ後のものになりますが、映画の『X-MEN』なんかも露骨にそうでしたね。やはり若い頃ほど、世間に対して自分は異端だと意識することが多いからでしょうね……と書いていて、年をとっても「異端感」はまったく減ってない(むしろ増えた?)ことに気づきました!(^^;)これはもう一生こうかもなあ……超能力はないんですけど。(笑)


今回、アマゾンで『スター・レッド』のレビューを読んでみたのですが、学生時代に出会えなかった同好の士がこんなにいたのだ、という思いで胸がいっぱいになりました。ラストについては不評もありましたが、自分には開けた希望のラストに見えます。

しかしこの『スター・レッド』、必要に迫られて準備なくできた作品だったそうで、驚きです。…でもそういうものかもしれないな、という感じもします。勢いに乗ってできた作品は、時間をかけていじくりまわしたものより良いことも多いですよね。


こういう作品を思春期に読んで、これが漫画を読む際の基準になったことは、不幸でもあったかもしれません。ちょっとやそっとの作品では満足できない、鼻持ちならない読者になってしまった(笑)。基準がここにあるのでは、もちろん自分の作品にも自信など持てるわけがありません。漫画は雑誌ではなくコミックスで読む方が多かったので、甲乙取り交ぜて読む、という体験も乏しい。だから影響も露骨で、十代の頃に描いていた漫画表現のなかに、エピゴーネンとしか言いようのないものがあったのを思い出しました。

でも創作はそういう継承から発展していくものだと、今では思っています。原体験としてこういう作品に出会えて、心の芯に持つことができているのは、やっぱり幸せなことなのでしょう。こうして読み返して、また別の視点で読むことができるのも。


印象的な台詞の数々

今回特に印象に残った台詞がたくさんありました。昔はそれほどとは思わなかったものも。そのなかからいくつかご紹介します。


*     *     *


「超能力というものは人間の退行現象ですよ!
…テレポートができるんだから足だっていらない。
(…)そのうち鼻も口も耳もいらなくなる
(…)岩みたいになって転がってるってのはどうです!
考えてるだけ——それすら不要になる——
生きることすら不必要になってしまう!これが退化でなくてなんです?」

(主人公の敵対者であるペーブマンの台詞。進化として描かれることが多い超能力をこう捉えるのはユニークだし、一理あって深い。便利すぎるのは人間にとって諸刃の刃。『マトリックス』を思い出してしまいました。それと、最近のAI談義での人間の在り方、その行く末への不安にも重なります)


「攻撃…? 戦争…? まさか… 
対話による相互理解の文化はあなたの国にはありませんの?」

(異星人の言語学者が地球人と話したときの台詞。今の状況を見ると、地球はまだ異星人には相手にしてもらえなそうですね)


「方法よ では」
「なんの? どんな?」
「超能力よ 精神をなんとか壊滅の方向に進ませなければいいんだわ」

(星とエルグの会話。星は経験からは出てこない、新しい視点を何度か持ち込みます。これはその一つ。若者の役目ですね。星は大人びているけれど15歳。大人びている理由もちゃんと説得力があります)


「なんとか未来の精神荒廃を回避する方法を見つけるんだ
 見も知らぬ異星人に赤子のように言いくるめられて
 地球人としての野蛮なプライドがうずきませんか えっ?」

(星を長いこと見守ってきた暴走族仲間(?)サンシャインの台詞。「野蛮なプライド」って自虐的だけど背筋の伸びた言い方、応用が利いていいなあ)


英語版がほしい☆

ところで、「これの英語版があったら(台詞はほぼ覚えてるので)良い英語教材になるなあ♥」と思って探してみたのですが、アマゾンで見つけられた萩尾作品の英語版は、ポーとトーマ、バルバラ異界、それと猫漫画くらいでした。もちろん旧作で英訳される漫画自体が少ないのだと思いますが、すごく落胆しました。ハリウッドで映画化してほしいくらいのスケール感とクオリティなのに(かなり知的な脚本家さんが必要でしょうが…絶対無理と言い切らないのは、『メッセージ』[テッド・チャン『あなたの人生の物語』の映画化]の成功例を見ているからです)……すごく残念。というか、英語圏の日本漫画ファンの方にとって損失ですねこれは☆


まだまだ書き足りないのですが、すでにかなり長いのでこの辺で切り上げます。作品を未読でここまで読んでくださった方は少ないと思いますが(ご紹介が下手でほんとにごめんなさい💦)もしもご興味が湧いた方がいらっしゃいましたら、ほんとほんとにお薦めします!