2017/07/29

『メッセージ』: 原作者テッド・チャンが語る小説から映画へのプロセス(リンクと拙訳)

映画『メッセ―ジ』鑑賞後に渉猟した英語圏でのテッド・チャン氏の映画関連インタビューから、特に興味深かった1本をご紹介します。脚色の経緯は脚本家さん自身が初期からネットで書いてはおられたんですが、チャン氏の目にどう映ったのか、PDF台本へのリンク、チャン氏のおすすめSF作品の紹介なども入っていて、短いですが貴重なインタビューだと思います。映画のネタバレにはなっていませんので、未見の方も安心してご覧ください。(※アカデミー賞授賞式より前に公開されたインタビューです)

SYFY WIRE -  Arrival: AUTHOR TED CHIANG REVEALS HOW ARRIVAL WENT FROM PAGE TO SCREEN

以下拙訳になります。[ ]でくくった部分は訳者による補足です。
(ファンが勝手に訳したものですので、今後削除する可能性もあります。ご了承ください)


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もしあなたが現代SF文学の通ならば、テッド・チャンの名前はもちろんご存知だろう。 『メッセージ』を観た方には、チャンの名前は映画の原作である短編小説『あなたの人生の物語』の作者としてピンとくるかもしれない。 この小説はチャンに2000年のネビュラ賞をもたらし、その他の作品も、いくつものヒューゴー賞やローカス賞を彼に獲得させてきた。

『メッセージ』の商業面・批評面での成功は、この作品をいわゆるSF映画としては稀なものにした。主要な映画賞のシーズンに注目を浴び、ついにはアカデミー賞8部門でのノミネートとなっている。 通常この手のジャンル映画は映画賞では避けられるものだ。しかし脚本家のエリック・ハイセラーと監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、みごとに旧弊を打破した。私たちは、現在デジタルHDとブルーレイ、DVDになっているこの映画について、脚色のプロセスがチャン氏にとってどのようなものであったか、自身の作品のハリウッドバージョンに対する思い、そして『メッセージ』の成功からどんなことが起こるのを望んでいるかを聞いた。



あなたは1990年以来作品を発表してきています。ハリウッドがようやく今になってあなたの作品の映画化権を求めてきたのは驚きでしたか?

実際のところを言うと、僕は自分の作品がハリウッド映画用に脚色したいと思われるたぐいのものだとはまったく思っていませんでした。 僕の作品のほとんどはかなり内面的なものです。 出来事の多くは誰かの頭のなかで起こります。 自分の作品が映画に適していると思ったことは一度もありませんでしたし、特に『あなたの人生の物語』にそういう可能性があるとは思えませんでした。

映画の世界や脚本の執筆方法は、あなたの執筆方法とはかなり異なっていますね。作品の脚色を許可するにあたって不安があったのではないでしょうか?

ええ、まったくその通りです。 最初にアプローチを受けたのは、21 Lapsのダン・コーヘンとダン・レヴィンからでした。 彼らはエリック・ハイセラーからアプローチを受けていて、元々は彼が僕の作品の脚色案を持ち込んだのです。 彼らはハイセラーが持ってきたアイデアを気に入って、僕に連絡をとってきました。 僕は単純に好奇心をそそられました。というのは、彼らは選択肢としてありそうもない作品を選んでいたので、どんなものを考えているのかとても興味が湧いたんです。 彼らは監督としてふさわしいだろうと考えた人物の作品のDVDを僕に送ってきました。それは"Incendies"[邦題『灼熱の魂』(2010)]で、ドゥニ・ヴィルヌーヴの初期の作品の一つでした。 それを見たとき、彼らがやろうとしていることを示すものとして、この選択は非常に興味深いと思いました。 もし彼らが『トランスフォーマー』を送ってきていたら、たぶんそれ以上話を進めることはなかったと思います。 その時点ではまだヴィルヌーヴに話を取り付けていませんでしたが、彼らは興味深い選択肢だと考えていました。そしてそのことが、自分が彼らに機会を与えることに前向きになるうえで大きな役割を果たしました。 そして2、3年後に彼らはヴィルヌーヴをチームに加えることができました。

多くの場合、作家の作品の映画化権が獲得されると、それでおしまいです。もう誰もあなたに話をせず、彼らは自分たちが作りたいものを作ります。 エリック・ハイセラーとあなたとの場合はどうでしたか?

たくさん話し合ったわけではありませんが、 たしかにときどき電子メールはやりとりしました。 彼はどう脚色するかについてしっかりとビジョンを持っていて、初期の段階でアプローチを考え出しました。すべて彼1人でです。彼は脚本の初稿をスペック[依頼された仕事ではなく自主的に書くこと]で書いていました。つまり無報酬のまま自ら進んで書いていたんです。彼ら[21 Laps]は最初に僕にアプローチをしてきた時、提示する資金を持っていませんでした。彼らは契約料金がなく、コミットメント契約もないショッピング・アグリーメント[映画化プロジェクトをスタジオ等に売り込む権利を与える契約。ただし原作の著作権は引き続き著作権保有者にあり、プロジェクトが売れた場合の権利に関するスタジオ等との交渉も著作権保有者との間で行われる。一般的なオプション・アグリーメントより著作権者の自由と権利が守られる]を望んでいました。エリックが脚本を書くことができたのは、まさにそのためです。彼が自ら進んでスペックで書いたという事実、彼がそれに膨大な時間をつぎ込んだということから、僕は彼に機会を与えようという気持ちになりました。彼は明らかにこのプロジェクトに全身全霊を傾けていましたから。彼は契約を検討していた時期にアイデアのピッチをしに来て、頭の中に思い描いていた映画を僕に説明しました。そして僕は、彼のアイデアを気に入ったわけです。

その時のピッチと、最終的に映画として完成したものはどれくらい違いましたか?

脚本には、たしかに進行途中で生じた変更があります。 パラマウントは台本のファイナル・ドラフトを公開しました。公開ページ初期の草稿はいろいろ違うところがあります。そしてファイナル・ドラフトと映画それ自体を比べてみても、いくつか違いがあるのがわかるでしょう。 でも僕は彼の最初のピッチが物語の感情面の核心を捉えていると感じましたし、それは完成した映画に至るまでずっと保たれたと思います。

ルイーズ・バンクス博士のキャラクターと彼女の語りは、あなたの短編小説の感情面の柱になっています。 彼らは彼女のものの見方・感じ方を映画に移し替えたわけですが、その方法には満足しましたか?

エイミー・アダムスの演技にはまったく感服しました。台本を読んでも、これが映画の中で実際どんなふうに演じられるかは想像できないんです。ルイーズが持つすべての側面について、彼女の演技は説得力があると思います。

あなたが創造したヘプタポッドは、映画の中で視覚的な説得力を持っていました。しかし原作者としてあなたが想像したものと完全に一致していましたか?

ヘプタポッド自体のデザインに関しては、映画のヘプタポッドは僕が小説の中で書いたものと完全に同じではありません。しかしあの造形にはとても満足しています。僕が自分の作品のエイリアンを設定した時、基本的な目標の一つは、人間とはまったくかけ離れた外見にしたいということでした。通常僕らが目にするエイリアンは、映画では必ず、それだけでなく多くのSF小説でも、二本の腕を持ち、二本の脚があり、一つの頭に複数の目と一つの口がついているものです。僕はエイリアンを放射相称[クラゲのように中心軸に対して対称面が多数あること]で、顔とみなせる部分がないものにしたかったんです。 彼らが作り上げたエイリアンは放射相称で顔はありませんから、彼らのエイリアンは僕が自分のエイリアンでやりたかったことを実現しています。

『メッセージ』は当初から「知的なSF映画」と言われてきました。それはあなたがプロフェッショナル・ライターとしてしていることで、あなたは知的なサイエンス・フィクションの物語を作っています。 『メッセージ』の成功から、より多くの人が再び知性的なサイエンス・フィクションを読むようになることを願っていますか? 

何よりも望むことがあるとしたら、この映画がサイエンス・フィクションについて多くの人が持っている概念を変えてくれることでしょう。SFをよく読む人やSFファン以外にとって、サイエンス・フィクションとはハリウッドが発信しているものです。つまり特殊効果のことであり、巨大な爆発や善と悪の戦いであり、ヒーローと悪者が崖っぷちで殴り合うことです。でもサイエンス・フィクションには、その核心ではそういった要素はまったくありません。SFとは何かということについて、『メッセージ』が多くの人の考えを変えてくれることを望んでいます。 それがSF映画に何を期待するかであれ、小説の形で書かれたSFをどう考えるかであれ、『メッセージ』をきっかけにして、サイエンス・フィクションがただのポップコーン・ムービーのようなものではなく、もっと真剣なものとみなされるようになってくれたらと思います。これはポップコーン・ムービー好きとしての意見ですが。

あなたがもっと多くの人に読まれるべきだと思う、おすすめのSF作家を挙げてもらえますか? 

僕がいつも薦めているSF作家の1人はグレッグ・イーガンです。彼の哲学的な問題のドラマタイズの仕方が好きで、僕自身個人的に大ファンです。彼は短編集を出していて、1つは"Axiomatic"、それから"Luminous"です。彼は知的側面に関して厳格です。

テレビのSF番組はどうですか? その分野で見る価値があるものはありますか?

何年か前に、初めて"Black Mirror"を観ました。Netflixで公開される前です。当時、アメリカで見られたらいいのにと思いました。これはテクノロジーが僕たちの生活にどう影響するかを実際的に描いていて、とても楽しめました。ほとんどのテレビのSF番組は続き物で、「今週のモンスター」か「今週の事件」というものですが、" Black Mirror"はそれとはまったく違うところが好きでした。とても斬新でした。


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映画契約関連の用語は以下のページを参照させていただきました。ご興味のある方はどうぞ。(蛇足ながら……インタビューの文中では長くなるので解説を省きましたが、日本と異なり作家さんはエージェンシーに属しています。ですので、もちろんショッピング・アグリーメントでも個人がスタジオと交渉をするわけではないと思います。念のため☆)

spec script

shopping agreement

option(film making)


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毎度のお知らせですが、以下のページにテッド・チャン氏の作品や活動に関する情報をマイペースで保存しております。(^^)
テッド・チャンさん備忘録
公式サイトがないのでネットで拾った情報などを個人的に放り込んでいただけですが、はや十年目になりました。映画からファンになられた方など、ご興味のある方には楽しんでいただけるかもしれません。よかったらどうぞ。(※PC用サイトです)
【※2024年追記:上記旧サイトを閉鎖するため、bloggerに引っ越しました】


2017/07/23

…おつかれさまでした!/SHERLOCK『最後の問題』感想

昨夜は起きていられなかったので、録画をまた原語+字幕で見たところで感想メモです。また一回視聴なので記憶違いがありましたらご容赦くださいマセ。

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いやー、おつかれさま……としか言いようがないというか。(^^;)やっと終われる、という感じでしょうか。ほんとにおつかれさまでした。前回の心配そのまんま親族話・内臓話全開で――痛々しさを感じるレベルで「ご苦労されたんだろうなあ」という感じでした。絡めていた「外側の」事件は結局ユーラスの一種のマインドパレスみたいなものだったんですもんね。全体の印象は手間をかけた二次創作(もともと原作ホームズの二次ですが、その意味ではなく「SHERLOCKの」セルフ二次創作)、という感じでした。この印象はシーズン3あたりから濃厚になって、『忌まわしき花嫁』でまったくそうだと感じたんですが、そのまま終わってしまいました。

じつは途中で飽きてしまって(ごめんなさい(^^;))……シーズン1の第2話とは別の意味で。作りが「閉じ込められた若者のグループがゲームにのっとって次々殺されていく」系のホラーと似たものでしたでしょう……個人的に、このパターン楽しめないほうなんです。それと、これは勝手な解釈をしたためですが、「外側の」飛行機の女の子のシークエンスが、「運転手」とか乗った場所の言い方などから、本物の飛行機ではなくディズニーランド的な大掛かりなアトラクションに見えてたんです。(ただ、一緒に乗っている乗客がみんな眠っていて外に出られない恐怖は子供にとって本物だし、本当に飛行機に乗ってると思っていて、混乱しているからうまく説明できてないんだと思ってたんですね。外の風景もアトラクションだと思ってました~)

で、そこの緊迫感がゼロになってしまったためにカウントダウン感も味わい損ね、前回書いた通り内臓話(または「ゴムのアヒル」。子供の頃にこういうことがあったからこうなったんだ、系の設定)……は、文字通り「設定」だから物語であまりメインの扱いになっていると冷めてしまう方なんです。それが今回キモでしたから、自分にとって見ていて許せる、効果的と感じる匙加減を越えていたんだと思います。加えて先ほど書いたように自分には楽しめないタイプのホラーパターンの踏襲だったので……うう、ごめんなさい。でも正直とてもしんどかったですぅ。(あ、『羊たちの沈黙』はきらいじゃないんですけど! ただ、ちょっと使い方がまんますぎたかなーと……(^^;))

個人的に一番残念なのは、これでモリアーティが矮小化されてしまったことでしょうか……魅力的な構図だったので。やはり「過去の感動のスポイル」のたぐいになってしまいました。兄、インタビューでは成功したゲストキャラを安直に再登場させちゃだめだって言ってたのに~。それを押してもアンドリュー・スコットの出番は作りたかったのか~っ!(笑) …冒頭のマイクロフトのホラー映画シークエンス(あのピエロもなんかに出てたやつですよね?)は、ホラー映画好きなゲイティス兄には撮影楽しかっただろうな~とかのんきに思ったんですが……視聴者としてはそういう問題ではないです。

正典ネタもいろいろ入っていましたが……ちょっと苦しくなってきたところで正典ネタを出してなんとか間を持たせていた、という感じがします。(なさけないことに、ファンはそれで一瞬「おっ」と思ってリフレッシュされるんですよ。うーん、手のひらで転がされる気分です(^^;))でもそれが有効なのは正典読んでる人だけなので、テレビとしてはそれではだめです。こういう「ファンくすぐり」みたいなところは入りすぎると自分の目には興ざめで、あくまで刺身のツマのサービスだと思うんです。はっきりとパロディにする場合は別にして、受け手に予備知識がないと楽しめない(引き合わせの楽しみしかない)部分が多い作品は創作物として格が低いと思っています。

…SHERLOCKのシーズン1がすごかったのは、原作をまったく知らなくても、原作を知っていても、両方が楽しめる作りだったこと。自分は正典ファンだったのでちょっと斜に構えて見始めましたが、完全に脱帽で、それを超えてワクワクして夢中になれました。それが今回は、正典ネタと過去の人気設定の再利用に「頼ってる」感じがしたんですね。あと、詰め込みすぎな感じもしました。終盤はもうバタバタとたたんでいく感じで。なんか劇場でお芝居を見ていて、まだ幕が下がってないのに大道具片付けられ始めたような感じがしました。(笑)

(あ、ただ、個人的なことですが、親友ヴィクター・トレヴァーの使い方はある意味ほっとしました。長年温めている正典パスティーシュとアイデアレベルでかぶることを心配していたので……。利己的でスイマセン。でも長年かけてるのにSHERLOCKとかぶってしまったら、もうお蔵にするしかないですもん!(^^;))

…ちょっと辛いこと書きすぎました。たぶん、もう一度見たらそう気にならないかもしれません。ただ、すぐにもう一回見返したいかというと……うーん、今はむしろ、シーズン1、2あたりの良かった回を見直したい気持ちです。

いつでもまた帰ってこられる形で(これはこうするしかないですね)、メアリーの感動的なナレーションでの幕引きも、ちょっと木に竹を接いだ感(「えっ、そんな話だったん…」)はありましたが、シーズン1第1話のレストレードが言ってた「Good one(いいやつ)」になれたシャーロック。その分キャラとしての魅力はある意味減じたんですが、彼を成長させていくというコンセプトでしたもんね。原作とは違うんだ……。同じ第1話の最後のマイクロフトの台詞も踏襲して、円環がきれいに閉じました。

…なんか違うものになっちゃったけど、こうなったのはたぶん人気が出すぎてやめられなかったためで、よくあること。恨み言を言うには過去に楽しませてもらいすぎた(そしてこれから先に続く別の楽しみも、大袈裟でなく人生の選択肢も広がった)ので感謝のほうが大きい、というのが正直なファンとしての気持ちです。シリーズもののケーススタディ(?)としても勉強になりました。

ほんとにおつかれさまでした。ありがとう!

(なんかフェアウェルしちゃいましたが兄上さま、もしこれから「探偵と医者が子育てしながら事件を解決する30分枠のシットコム」が始まるとしたら、いちおう試しに1話は見ますよ!でもそーいうのはファンフィクの楽しみにとっといてほしいかなっ(笑))

2017/07/21

ジョン・ワトスンのオリジナリティ/SHERLOCK『臥せる探偵』感想

またぎりぎりですが(^^;)、三話を見る前に二話の感想のメモを。一度しか見てないのですが、今回は最初から原語+字幕で見ました。どうも台詞のリズムとかが原語のものが好きらしいです。あとで吹替版で映像重視の再見をしようと思っております。
そんなわけで記憶違いとかあるかもなのと、書き出しただけで整理してないので長いのと(矛盾したところがあったらスミマセン)、また原作含めてネタバレてんこ盛りですのでご了承くださいマセ。

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今回はモファ様の脚本。冒頭からもってかれたのは、ジョンの幻視。この回は見ている側もジョンといっしょにメアリーの喪失をゆっくり受け入れていくようにしたい回だと思うんですが、こういう視覚的な方法があったか、と。(シーズン4はこの手の表現がたくさんありますね。視覚的に物語るのが。以前のマクギガン監督も映像は凝ってましたが、ちょっと違う語り口になっています。こういうのも好きです)そして「ああ、この人はこういう人だったよね」と改めて思い出しました。前話の最後で「おかしくなってた」ジョン、キャラをしっかり通させてるなあ、と改めて思いました。自分はシャーロックとジョン、という目線にどうしてもなりますが、メアリーにこんなにも救われていたんだ、と感じさせてくれました。普通でないジョンが、普通の人を演じられるくらい。

そして幻視に対する懺悔。「メアリーが考えるジョン」になりたかったという意味の台詞だったと思うんですが、泣きながら言うそれがとても印象的で……リアルで気持ちがすごくわかるし、自分にとってはこの回で一番の名シーンでした。それに対するメアリーの答えも秀逸でしたが、それ自体が「ジョンが考えるメアリー」の応答であるところが、この現代版のジョン・ワトスンが抱える闇を感じさせるシーンになっていると思いました。泣けるのと同時に、「どこかぞっとする」に近い感覚が起こりました。でも、この闇こそが現代版ジョンの魅力で、ある意味共感も呼ぶところだし、正典にはないオリジナリティだと思います。なによりマーティンの演技の貢献が大ですね。

トビー・ジョーンズはカルヴァートン・スミスだったんですね。そうか、タイトルからして『瀕死の探偵』ベースですもんね……(気づくの遅すぎ(笑))。この人の不気味さがすごく生きていて、ほんとに絵として怖かった。正直病室で具体的に殺人行為に及ぶところより、会議のシーンのほうが怖かったです。同調圧力と場を支配する権威者の力で、別に銃を突きつけられてるわけでもないのに「意に反する」行為を受け入れさせられる恐怖身近な恐怖ではないでしょうか? ブラックバイトも同じ構造だと思うし……日本では過労死問題の根と通じるもの。それがはっきり恐怖として描かれてました。身につまされすぎるシーンでした。

モリアーティやマグヌッセンと比べると深みに欠ける悪役ですが、最終的にシャーロックがジョンを救う――表裏一体でシャーロックの側がジョンを取り戻す、という意味のほうを大きく感じましたが――ためにあえて「地獄に落ちる」状態を作る目的で利用されたわけで、スミスのほうがシャーロックに目をつけて近づいたわけではないんですよね。悪人キャラとしての(シャーロックとのつながりの)浅薄さが、あとから考えると理にかなっていたんだな、と思いました。対象は誰でもいいんですもんね、この人は。俳優さんが大物なのでそれ以上を期待しちゃったんですが、あえて有名俳優の役を早めに殺したりするのと似た引っかけと思うと、シャーロックがあえて利用した、というところをうまく隠蔽していたなあ、と思います。(でも原作ベースで考えるとここはある意味忠実なんですね)

正典でも『瀕死の探偵』ではワトスンを呼び寄せるために死の病にかかってみせるホームズさん――いろいろ腐女子萌えのする台詞やらシチュエーションやら多い話です!(笑)――原作のほうはまた扱いが違いますが、今回本当にドラッグ中毒になってみせた――少なくともそう見えるシャーロック。原作並みに「じつは検査でドラッグ使用陽性と出るトリックを実現してました」、なんてことになったら……「ジョンを救う/取り戻すための命がけの行為」にケチがついてしまいますね。さすがに今回それはないと思いたいですが、「アイリーンが生きていた」ことでも充分「うわーん、過去の感動が台無しに!(涙)」という経験はしてるので(^^;)、いちおう何があってもおかしくないと覚悟をしておこうと思います。…この番組、特にこのシーズンは驚かそう、ひっかけよう、という方向のサービス(?)が細かく盛り込まれている印象がありますが、ものによってはサプライズというより「過去の感動のスポイル」になっちゃうので、やりすぎないでね……)

そして「きょうだい」。字幕が仮名だったのはこのためだったのかー…。あの「きょうだい」役の方、ジョンに色目を使った役とスミスの娘のふりをした役ではまるで違う人に見えました。みごとですねえ。(ほんとに別の人ではないですよね?)変装を明かすシーンで反射的に「女装」を期待していた私はやっぱり腐ってるなあ、と思いました。(期待しますよね?ね?(笑))うん、むしろ女装だったら手を叩いて面白がって済んだかもしれないんですが――もし本当に「きょうだい」だとしたら、ちょっと親族ネタに偏りすぎちゃう感じがして、正直心配になりました。(よけいなお世話)しかしクリフハンガーを毎回丁寧に入れますねえ……。

…親族ネタにいきすぎるのをあまり歓迎できないのは、以前別の作品…007の『スカイフォール』で、メインが「ジェームズ・ボンドの実家の秘密とボンド個人の過去」の話になっちゃってたのが、話がやせてしまってつまらなく感じた経験があったからです。それは「設定」であって「物語」ではないでしょ、という部分があまりにメインになりすぎたというか。敵がそういう部分を利用する、というのはよくありますし、ぜんぜんオッケーなんですが、何かさじ加減が違う感じが拭えませんでした。スパイ映画としての外骨格になるストーリーが内臓で構成されていた、みたいな違和感でした。冷戦構造がなくなったなかでMI6のスパイを主人公に、という縛りがありましたから、そういう工夫で乗り越えたのかな、という風に冷めてしまって。部分部分では楽しめたんですけど。今はまたいろいろと緊張した構造はありますから、また別の角度のスパイものはあり得るかも……でもあまりリアルを取り込むのは別の意味でデリケートな問題ありだし、制作時と公開時では確実に状況が変わってしまうだろうし、そのために架空のスペクターっていうクッションがあるんだし、そもそもボンドだし……ああ、ボンドに深入りすると話がずれてしまうので、ここでやめときますね。(笑)

「東風」は、イギリスでは冷たい、病気を運んでくるような不吉なイメージなんだそうで、日本とは違うんですね。以前(シーズン3のあと)にポンチ絵を描いたので、箸休めにちょっと掘り出します。日本で「東風」と聞くとこれが出てくる方多いんじゃないでしょうか。



…日本での東風のイメージは「春が来たことを告げる暖かい風」、ですよね。(個人的には、さだまさしさんの『飛梅』っていう歌の歌詞とセットの記憶です。「東風(ひがしかぜ)吹けば / 東風(こち)吹かば君は / どこかで思い起こしてくれるだろうか」と現代語訳と並べた歌詞で。思えば面白い使い方でしたね)

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…外骨格と内臓の比喩は、シャーロックでも使えるかもしれません。探偵として事件を解決する部分が外骨格で、シャーロック自身、ジョン自身のストーリー(メアリーや親族を含む)が内臓。両方が密接に絡むところが面白さでもあるシリーズですが、主人公に脅威を与える対象(外骨格の悪役)が親族になってしまうと内臓だらけになってしまわないかしらん? でもまた、「前話の最後で匂わせたものは引っ掛け」でまったく別の角度で進むのかもしれないし。

あ、引っ掛けといえば前回の「地獄に落ちろ、シャーロック」!なるほど、きれいに引っ掛かりました!(笑) 訳すの難しそう、とも思いました。同じ言葉("Go to hell, Sherlock.")でも文脈で日本語のニュアンスがかなり変わってしまうんですね。引っ掛けとしては「地獄に落ちろ」くらいのニュアンスにとってほしいし、全体通すと「地獄に落ちて」「地獄に落ちるのよ」みたいなニュアンスだし(あ、でもメアリーは女言葉使わないか)……「落ちろ」がメアリーの普段の言葉遣いと違うので違和感があり、そこがよけいに「作り物では」という感じを醸すには貢献していたんですが、日本語のニュアンスの幅が大きくて、ちょっと不自然にもなってしまいました。掛け言葉とか多いシリーズで翻訳大変そうですよね。あとからほじるほうはただ楽しいだけですけど……。

今回の『伏せる探偵』も、原題を見たら"The Lying Detective"で、Lyingが「嘘をつく」と「横になる」のかけ言葉。まさに臥せりながら嘘をついてたわけですね。一言でそれを掛ける日本語って思いつかな……いや、ちょっと待って。ああそうか、もしかして 事実を「伏せる」?(ほんとに今初めて気が付きました!A-HA体験!)いやいや、最初はピンとこなかったです。工夫されてたんですね……。

……ちょっと考えたんですが、もしシャーロックが(メアリーのメッセージによってではなく)自力で「ジョンはこうでもしないと救いの手を受け入れない」ことを理解して今回のような行動をしたとしたら……かなり身勝手な「ジョン取り戻し作戦」にしか見えなくなってしまいますね。原作のホームズさんとか以前のシャーロックならその線もありそうな気がしますが、メアリーの死を絡めるとちょっと無理。このシーズンのシャーロックは少し違うし。(これが成長なのかしら?)

…なんらかの形で「メアリーの退場とジョンとシャーロックのもと通り感」までこぎつける、という縛りで考えると、あのメアリーのメッセージという仕掛けと(まだ「じつは裏にモリちゃんがらみのアレが」的なのを期待してはいるんですが(笑))この原作を持ってきたというのは、やはりすごい工夫だなあ、と思います。(でも縛りがだんだん多くなってきて大変そう!いや、楽しいか!(笑))

気になっていた「シェリンフォード」という言葉が出てきていないし(このために、あの「きょうだい」は引っ掛けなんじゃ、という感じも残ってしまうんですねよね……パパとママのトーンとも差がありすぎ(^^;))、裏で糸をひいてるのはじつは……的な感じを期待してしまうんですが、この番組に予想は無駄かも。(笑)あの言葉がどんな使われ方になるのかも含めて、『空の霊柩車』のジョン風に「驚かせてくれ」と三話を待つことにいたします!

2017/07/14

「そしてなぜか海賊になる」/SHERLOCK『六つのサッチャー』感想

SHERLOCKシーズン4。「嫁」以来高望みをしなくなって(^^;)個人的にはだいぶ落ち着いたちゃったのですが、やはり楽しみでした。ちょっと「?」なところはあったもののわりと普通に、気楽に楽しく見ました。今回は輸入盤DVDも買いませんでしたし、純粋に放映で初見しているので、第二話が放映されてしまう前に思ったことを書いておきたいと思います。まとまってませんが覚書としていろいろ書き飛ばします~。(あ、ネタバレといえばもろにネタバレなので、未見の方にはもちろんおすすめできません。というか、未見だとわけわからない書き方です。覚書なのでご容赦くださいマセ)

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この回はゲイティス兄の脚本でアリマスね。とにかく引っ掛けなのか伏線なのか、てんこ盛りでした。一番気になるのはやはり「動画編集」。冒頭でさんざん動画なんてどーにでも作れると強調しておいて、最後に「地獄に落ちろ、シャーロック」。あのメアリーの映像自体がフェイクと匂わせて……やっぱりまだ引っ張るのかな兄。モリアーティーで。ほんと好きなんだなあ、アンドリュー・スコットのことが……(ごめんなさい(^^;))それと最後にちらっと出てきた名前「シェリンフォード」。なんか聞き覚えが……ホームズさんの名前の候補の1つか兄弟の名前か……だったと思い、気になったのでとりあえず『シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯』を掘り出しました。兄弟なんて出てくるとしたらこれ。たしかに兄弟の名前として出てきました。これはドイルせんせが書いたのではなくぶっちゃけ二次のひとつなんですけど、シャーロッキアン/ホームジアンさんの世界ではしばしば半公式的な扱いもされてる本。ここから兄はとったんですね。強調していた「もう一人の兄弟」、まさかトビー・ジョーンズなのかしら。誰がやるのかしら。いやー、煽る煽る♪(笑)(ただ、この方「煽っておいて回収しない」という魔性のいたずら坊主みたいなところがあるので(もう慣れましたよ兄!(笑))、あんまり鼻息荒くしないようにして見守ろうと思います……(^^;))

以下、頭に浮かんだことをぱらぱらと書きます。


キャストのこと

一番印象に残ったのは――「マイクロフト」。すいません。(笑)ああ、私シーズン1でこの人に惚れたんだっけ、となんか改めて思いました。どのシーンがどうということはないですが、中の人のほうを多く目にするようになった今見ると、この黒く染めた髪とスーツのスタイルはやっぱりまるでご本人とは別人なんですよね。当たり前だけど役者さんだなあと。もう五年経つんですね……なんかそれなりの歴史を感じるのでした。

…50才の誕生日に息子を失ったウェルズバラさん❤『コナン・ドイルの事件簿』で若きドイルをやってた方ですよね。名前は覚えてないんですが、あの番組も好きだったのでドイルつながりが嬉しくもありました。そして奥さん役はマーティンが主演した『The Robinsons』でマーティンの兄嫁をやってた方。すごくうまかったので印象に残ってるのですが(そのわりに名前を憶えていない(^^;))なんか年を取られたなあ……マーティンの変貌ぶりもすごいのでこちらも光陰矢の如し、みたいな感慨があったのでした。亡くなってしまう息子君はよく父親似の子を探してきましたねえ……ちょっと純真にしたジュリアン・アサンジ的な感じ(それアサンジじゃない!(笑))もあってかわいかったので、あんなふうに死んでしまうのはやりきれないですね。素直に心が痛みました。でもこの事件は、この回ではなぜか一番「正典ホームズの感触」に近いものを感じました。

ちらっと部分画像でだけですが、『死を呼ぶ暗号』に出ていたディモック警部も再登場してましたね!うおーかわいい❤ こういう再登場あるんなら、ぜひぜひ元鑑識にも愛の手を……(笑)(サリー・ドノバンはほんとにすっぱり出なくなっちゃいましたねえ……警察側のシャーロックへのツッコミ役だったから、しどころがもう作りづらいかな。アンダーソンもシャーロックファン(笑)になっちゃいましたしね)

「?」なこと

基本的には見ている間騙し通してくれれば、あとから「アレ?よく考えると……」というのが出てきてもオッケーなほうなんですが、今回は見ている間にもう「アレ?」というところがあって。脚本兄なのであんまりツッコミたくないんですけど、まあ他意はなく引っ掛かったところをメモしときますです。

アカコ?:「日本人の恋人」で出てきた名前……私日本人なんですけど、そういう名前は聞いたことないです兄……いや、こういうことは慣れてますけどね……(涙)

USBメモリー:エイジェイがサッチャー像に隠したUSBメモリー、たしか首にかけるチェーンか何かがついたまま入れてましたよね。像から出てきたときはメモリーだけに見えてたんですが……破片に隠れてたのかなあ。これはちょっと確認できません。間違ってたらごめんなさい。

メアリーのケリのつけ方:ここはどうしても……だってシャーロックには見つからずにエイジェイには追わせるって直感的に無理ですよねえ。むしろエイジェイが家族を人質にしてメアリーをおびき寄せられそう。シャーロックを封じておいてエイジェイと相対したいなら、あの嗅がせ薬(?)で動けない間にどこかにシャーロックを閉じ込めるとかして、すばやくケリつけるしかないんじゃないかなあ。単細胞はそう思います。とにかく世界周遊することがどうしてジョンと赤ん坊を守ることになるの???というのがわからなかったです。(あと、シャーロックが先回りしたあの中東(?)の家、あの時メアリーはあそこに何しに行ったのかもわからなかったです。うーん、ごめんなさい兄!(^^;))

ジョンとメアリー/終盤

マーティンとアマンダさんがもうパートナーではない、というのがどうしてもシンクロしてしまって、ジョンとメアリーのシーンはなんか見ていてみんな落ち着かなかったです……肉親キャスト(しつれい、パートナーだからここは肉親ではないですね。親族キャスト?)の弊害だなあ。あれ、結局ジョンの浮気も「切れてないんじゃ」とわざとあいまいにしたし!(^^;)(あの女優さん、顔の系統が以前付き合いかけた病院の人と似てますね。ああいうタイプが好みなのかなあ(笑))でも、今回見せ場のない「ジョン」のキャラとしてはあれがなかったらほんとに「完璧すぎて」つまらないし、あるからこそ男性キャラとしてはリアルに感じます。メアリーが死んだときの異様な様子も、自責の念が混ざっているからこそシャーロックに怒りを向けようとしてるんだろうなあ、とかいろいろ想像させる効果が出てました。あそこは悲しみとか怒りとかいうより「おかしくなってる」感じですよね。まあ妻がああいう風に死んだらそうなるかもですが。

…ただ、あの時も段取りが……誰が見てもおかしいのは、銃が発射された後にメアリーが動いたように編集されてることですよね。これはさすがに加速装置つきのサイボーグ009でないと!(^^;)それとも前後させた編集なんでしょうか?撃ちそうだと察して動いたのをああつないじゃったとか???ジョンがメアリーが撃たれた瞬間には居合わせてないのも、なんかスムーズにつながらないです。銃声は聞こえただろうし、拘束されてるビビアンがいるから状況はわかるとは思うんですけど、なんか全体につなぎ方がぎこちない。「なんか数カットよけいに切ってへんなつなぎ方しちゃった?」という感じ。うーん。(^^;)

ただ、ジョンのあの動物みたいな唸り声(マーティン本人の声のほう)は持ってかれました。メアリーに懺悔をし損ねたあとの流れですから、あんなふうにストレートにありがとうなんて言われて、自責の念とやりきれなさもマックスでしょう。まるで自分が殺したような。だからこそ死に物狂いで「守れなかったシャーロック」に怒りを向けてる感じがしました。でないと自分が保てない。そういうある意味「卑怯な」弱さの裏返し……なんて見るのはたぶん穿ちすぎですが、うまいですねぇマーティンは。でもそういう場合自分が許せないわけだから、繊細なジョンは立ち直るのが難しそう。そこでかつてのセラピストにつなぐ引っ掛けもうまいですよねえ。(シャーロックは何しにいったんだ?ジョンについての取材???まさか本当に相談???)

「もし僕がうぬぼれてたら●●と言ってくれ」という、正典からの引用。これはほんとに、あの水族館のシーンでシャーロックは己惚れているし、エンジンがかかっちゃってますよね。推理が止まらなくなって楽しくて、相手が驚くのも嬉しくて、あの状況で相手を精神的にコテンパンにしたら「窮鼠猫を食む」の状態になってしまうところに頭が回らなくなってしまう。だから己惚れというより子供なんですよね。それでこそシャーロック、という感じがしますけれど。

印象的だった映像

サッチャー像の顔の一部がシャーロックの顔に重なる画面。不気味に笑ってるように見えましたね。こういう表現好きです。

犬のトビーを借りるシーンで、赤ん坊を胸に「ぶら下げてる」ジョンのショット。赤ん坊の体にジョンの顔がくっついてるように見えてすごくかわいくて。これ狙ってるんじゃないのかなあ。(笑)

子供時代のフラッシュバックでシャーロックが海賊の帽子をかぶってるショット。マイクロフトも「海賊」に触れてました。(今回のタイトルはそれいただきました♪)シャーロックの海賊ネタは二次でもすごく使い勝手がよくて(おい(笑))わりと好きなので、生かしてくれてるのが嬉しいです。


あと、映像といえば今回はマインドパレスが出なかった!これが自分にはありがたかったです。フラッシュバックはあるけどマインドパレスの描写どっぷり、とまではいかない。マインドパレスに入ってしまうと「なんでもあり」になりすぎて…ちょっと食傷していたんです。

*      *      *

ゲイティス兄はモファ様と比べると引っ掛けやキャラのやりとり、シーンごとの情緒作りとかがお得意な印象があります。ただ、今回は大きな矛盾がいくつか目についちゃったのが……時間がなかったのかなあ。モファ様はタイプがまた違うので、どんなお話を書いたのか興味が湧きます。でもね、やはり大変だと思います。これ続けるの。自分の脳内の基準がお手柔らかになった(?)のもありますが、覚悟していたよりはずっとましに感じました。(どんな覚悟してたんだ私(笑))ただ、無理して続けなくてもいいよーって感じではあります。シーズン1、2の良かった回のクオリティったらありませんでしたから、それだけでも感謝感謝で。…でもまた夢中にさせてもらえたら、もちろん嬉しいです。

あ、今見直してるんですけど、ジョンが浮気相手(?)の彼女とバス停で再会するシーンで、ちらっとトビー・ジョーンズのポスターが映りましたね!『裏切りのサーカス』その他、ほんとにいろんなところでお目にかかる方。独特の雰囲気があって「映画の人」ってイメ―ジ持ってるので、すごく贅沢に感じます。次回(もう明日!(^^;))出るんですね。シェリンフォードの謎も解けるのかな。楽しみであります。

2017/07/13

ジョナサン・アリスさん最近の収穫

ムーパラのペーパーに書いた、ジョナサン・アリスさん関連のネット落穂拾いです。予告しておいて遅れてスミマセン。(イベント後少しアクセスが増えてるので、ひょっとしてアリスさんのコンテンツ目的の方が覗いてくださってるのでは……と気が気でありませんでした。ほんとにすみません。ちょっと今週立て込んでおりまして(^^;))

基本的に自分が効率的に見返すために集めていますが、だいぶ前から非公開状態でストック始めてたので、見つけたタイミングはあまり「最近」でないものもあります。ブログとしては2~3個ずつだといい分量だと思うんですが、マメにアップできない状況なのでドバッとまとめて失礼します!

まずは"Stan Lee's Lucky Man"出演女優さんのツイート。アリスさんはシーズン2に10エピソード出演、ということなので、ゲストではなくレギュラーのサブキャラですね。出回ってる写真を見ると検死官みたいです。主演は『ホビット』のボフールをやってたジェームズ・ネスビット。スタン・リーの冠番組(笑)ですし、日本でもせめてレンタルDVD出てくれないかなあ……。この緑のユニフォームも、ヒゲなし前髪パラリの「兄ちゃん」ぽい扮装もいい感じです~(笑)


続いてアメリカで行われたSHERLOCKファンイベントでの一コマ。イラストを描いてお題を他の人が当てる、というゲームをしているらしく、アリスさんの前にゲイティス兄が油性(?)のペンで描いてしまった絵をムキになって消そうとするというギャグパフォーマンス。ライブでギター壊してるような迫力です!(笑) アタマをホワイトボードにこすりつけてる動作、なんかたまらんです。脚線美にも見惚れます❤(おかしいよ私)




アリスター・ペトリさんとアンドリュー・スコットさんの映像でも端に移っているので保管します…。やっぱりメガネ姿は良いわぁ~❤



朗読なさってるオーディオブックの音声サンプルもいくつか上がっていたので貼ります。音声自体はオーディオブックのサイトで公開されているサンプルと同じです。ナレーションを担当なさっているオーディオブックは他にもいくつか出ています。まだ買ったことはないんですが…。

ちなみにこれらの動画は音声を目的に貼っていますので、販売用のリンクは確認していません。複数の個人名で同じフォーマットの投稿、版元ではないようなので、購入はこの動画の元ページからではなく、普通のオーディオブックサイト等のほうが安全かと思います。(確認してなくてすみません。自分も素性不明のリンク踏みたくないもので(^^;))








最後に、一番最近見つけたオーディオブック。なんとレーニンの本です。ロシア語が特技のアリスさん、"Death of Stalin"(スターリンの死)という出演映画も待機中ですし、個人的にはアリスさんからのイモヅルのイモヅルでハマった歴史学者E. H. カーがロシアの専門家、ということでいろいろ複合で盛り上がってしまいます♪ なぜか日本のAmazonには紙の本とkindle版しか載ってないのですが、リンク先のAmazon UKの販売ページでは長めのサンプルを聴くことができました♪Audibleはよくわからなくて手を出してないんですが、そのうち攻略してみたいです。

Lenin the Dictator: An Intimate Portrait




2017/07/10

ム―パラ終了

昨日は洋画・海外ドラマオンリー同人誌イベントMovies Paradiseに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

昨日は新刊ができなかったので、じつはちょっとテンション上がりませんでした。それと前日深夜にSHERLOCKのおかげで夜更かししたので、寝不足もありまして眠いのなんの。いや、徹夜して新刊持ってったときはわりと眠気があまり出なかったりもするので、やはりテンションの問題でしょうか。(できると思ってたんですよ~トホホ)

それでもイベントでしかお会いできない方々とお話できたりして、やはり行ってよかったです。ただ、賑わってる会場だとやはり少し聴き取りにくくて、対応に失礼があったらすみません。外耳炎のほうは改善してるのですがまだ少し難があるみたいで。(でも会場が静かだったら逆に寂しいですけどね!(笑))

アレコレ持ち込んだ既刊は薄くまんべんなく、という感じでお連れ帰りいただけました。楽しんでいただけてますように。新しいものはペーパーだけだったので、思えば取っていただけるように机に出しておくべきでした。既刊でスペースが埋まってしまったためですが、フリートークはリピーター様へのご挨拶や近況報告も兼ねてるので、サッとお取りいただけるようにしとけばよかった……ちょっと反省です。

ムーパラ用に刷り足したのはSHERLOCKの英日名台詞深読みレビュー本のシーズン1の分と、アンダーソン萌え本でした。残っているので通販もすぐにお送りできます。母艦サイトのほうで受付させていただいてますので、よかったらどうぞ。

SUSSANRAP(PCサイト)

帰りはいつものように池袋駅前のタカセで食事をして(またグラタンとクリームソーダ。大人のお子様ランチと化しつつあります)パンを買って帰りました♪

ただ、昨日は暑さ対策もあり一年ぶりに引っ張り出したサンダル履きで行きまして、それがアダになりいつの間にか皮がむけていて……足の甲はノープロブレムの履きなれた古サンダルなのですが、よかれと思って履いたサンダル用靴下の裏当ての縫い目が当たっていたらしく、中指の関節の裏側というへんなところが。(泣)で、今日は負傷兵(笑)です。いっさい外に出ずデスクワークにいそしみました。でも強制的に安静にしたので、体力回復にはよかったかもです。

ペーパーに書いたジョナサン・アリスさんのコンテンツも貼りたいのですが、ここに続けて貼るとのちに検索でご覧になる方にいちいちイベントの感想お見せすることになるので記事を改めます。(笑)

SHERLOCKの感想も書きたいのですが、正直リアルタイムはすごく眠かったのです。最近9時、10時に寝る生活なので、10時から放送ってもう深夜すぎて。ぼーっとしてついていけなかったところがあるので、録画を見直してから書きたいと思います。兄に惚れ直したことだけ書いておきます。中の人はもう大好きですが、演じてるキャラクターとしてこのマイクロフトってやっぱり好きだなあ、と。

中の人はこの週末、ハズバンドのイアン・ハラードさんと揃ってロンドンプライドに参加なさってたようですね。目の保養なのでツイートを貼らせていだたきます。(兄も大好きですけど、あの、ヒゲつきのときのハラードさんがかっこよくて悩殺されてます、ハイ(笑))


2017/07/02

近況+ツインピークス+フィリップ・シーモア・ホフマンなど

ムーパラ…

ムーパラが来週に迫り、既刊刷り足し分の製本をしております。でもちょっと新刊が無理そうになってきまして……映画レビュー本を作ろうとブログの記事集めはしたのですが、賃仕事のほうがおかげさまで忙しくなりまして、特集にしたい『メッセージ』――先日2度目&見納めに行ってきたんですが――のまとめを書く時間が充分にとれなそうなんです。書きたいことがいろいろあって、どうせならきちんと自分が納得できるものにしたいので……単にここで書いたものを載せるだけでは、なんか重箱の隅感全開ですしねえ…。まあなりゆきなんですが。

じつは8月のコミティアに申し込みまして、どうやら抽選はないようなので、ムーパラに間に合わないとなるとそちら合わせになります。前回の参加では映画レビュー本はわりと手にとっていただけたので、そのうえ特集が『メッセージ』ならコミティアのほうが合うかもしれない……などと自分をムリヤリ慰めております。BLエリアで新刊がそれってのがちょっとアレなんですが。カットにもしっかり書いてしまったので、最悪でもそちらには持っていくつもりです。

でも困ってるのが表紙で……もちろん表紙はあの映画がらみにしたいんですが、あの映画ってイラストのイメージが湧かないんです。自分のマンガっぽい絵であれをどう表現するんだっていう。(笑)ヘプタポッドでギャグってのもアレだし、萌えでもないし、主人公の似顔でも描くのが関の山……あの映画から感じたことっていつもの「キャラ絵」を描くモードと少し違うので、なんか絵にならないなーと。仕方ないですけどね。こちらもなりゆきであります。

ツインピークスとDVD-R難民

昨日、某わうわうでツイン・ピークス25年ぶりの続編宣伝がらみの無料放送をやってたので、9時間まるごと録画しました。昨夜リアルタイムで続編の第一話だけ鑑賞。独特のワケワカラン感が心地よいです。(笑)そして懐かしいキャストの今の姿……(うわーアンディ!)。わうわうは加入してないので、あとはレンタルが出るのを待ちますです。Twitterでカイル・マクラクランマーク・フロストデヴィッド・リンチをフォローしてるのでときどき宣伝は見てたのですが(最近Twitter自体をあまり覗けなくなってかなり見逃してますが)、昨日作品の間に挟まってた宣伝番組でジョン・カビラさんが「四半世紀」(ひー(^^;))という言い方をなさっていて、なんかそんなに時間が経ったのかとしみじみ。つい数年前のことのようです。

その宣伝番組も、当時の懐かしい人たちが顔を出してて、なんかタイムトリップ感覚を味わいました。カビラさん自身がもう、J-WAVEで毎朝聴いていた頃の記憶がよみがえってしまうキーパーソンなんですが、他にもカールスモーキーさんとか泉麻人さんとか……なんか見た目が変わられて「ええー!」と驚きです。自分があの頃の感覚からたいして変わってないのも改めて確認。時間だけ勝手に過ぎちゃったよ、みたいな。年をとっていくってこういうことなのね……。(笑)

…録画といえば、いつのまにか出回ってるDVD-Rが16倍ばっかりになってしまい、うちのレコーダーでは使えないので焦っています。まとめ買いしたものがゴミに(泣)。繰り返し録画用のDVD-RWはまだ2倍とかで使えるので、テレビで録画した番組で残したいものをそれに移してます。来週からSHERLOCKのシーズン4が始まりますし、容量空けなきゃいけないので……。昨日は先日のスノーデンくん独占インタビューがあったクローズアップ現代とドキュメンタリの『ヒトラーVSチャーチル』を1枚に。あと映画がいろいろ入ってるのでせっせと焼かねばです。一昨日やってた『鷲は舞い降りた』も録ればよかったなあ……と今さら悔やんで原作のほうを掘り出したりしてます。冒頭読んだっきりで今からだと読み直さないとわからないなー…。NHKさん、またやってね❤

フィリップ・シーモア・ホフマン

先日テレ東の午後のロードショーでフィリップ・シーモア・ホフマンを見かけまして(ミッション・インポッシブルかなんかだったみたいです。このシリーズは見てないので出てるの知らなかったー)、この人の映画が見たくてたまらなくなっちゃったので、まずは『カポーティ』の再見、そして『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』というの(こちらは初見)を見ました。なんだかいまだに彼を見るとちょっと辛いのです。死因もショックでしたし、何より早すぎましたよね……。生前もそれなりに好きでしたが、こんなに好きだったのか、と自分のショックの受け具合に驚いています。顔の真ん中だけ見れば最盛期のディカプリオ似のハンサムですしね。(タイタニック当時にこれ言ってディカプリオファンの同僚に大反対されましたが(笑))とはいえ「キャー」って感じのファンではないのですが、それでもずーっと喪が明けない感じです。

『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』は長年疎遠だった父親を老人ホームに入れることになった兄妹の話で、兄がホフマン、妹がローラ・リニー。ホフマンは大学で演劇を教えている(ブレヒトの研究者で実践の方ではない)という設定。インテリっぽいホフマンはすごくツボで、しかもやっぱりうまいんですよねえ……。そういえば先日ふっと、「『ゼロで割る』テッド・チャンさんの短編を映像にするとしたらホフマンに旦那役やってほしかったなー……」とぼんやり思っていたのです。読んだ時はああいう恰幅のいいイメージじゃなかったんですけどね。外見の描写があったか覚えてないのですが。キャラのタイプは違うものの、そういう大学教員イメージの妄想の糧になる役でした。

『カポーティ』は、作家のトルーマン・カポーティとその作品『冷血』のモデルになった殺人犯の死刑囚との矛盾に満ちた交流を描いた秀作。
”何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む”
という素晴らしいコピーがまさにすべてを語ってます。このカポーティ役でホフマンはアカデミー賞獲ってますね。ほとんど忘れていたので改めてどっぷりといきました。カポーティはゲイらしくブルース・グリーンウッド(この方も好き❤)演じる恋人がいるのですが、殺人犯に対する感情は微妙な愛情とも見えるし、あまりに独善的に利用してもいる、それでいてカポーティのその時その時の感情の「本気」度……なんとも矛盾だらけで、それだけにリアルで、その表現が素晴らしいです。ものまねなのか高い声の妙なしゃべり方で、スノッブないやらしさと奇妙な愛おしさが同居している。こんなのはやはりこの俳優さんの独壇場ですね。…まだ未見作品もあるし、再見も含めてときどき見ていきたいなーと思います。

 

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漢方薬とかサプリとか

ここ数カ月胃腸その他の不調が続いているので、コーヒーをミントティーに変えたり、豆乳をやめてアーモンドミルクにしたりイロイロ試しております。(牛乳はだいぶ前から乳糖不耐証で避けてるのですが、ミルクっぽいもの好きなので~(^^;))人生初胃カメラもしてもらいまして、多少のことはあるけれど大ごとはなし、とのことで一応安心しました。でも病院でもらった胃酸を抑える薬とやらが飲んでも変わりなくて、一昨日かなりつらかったので原因が違うのかなーと。で、ふとドラッグストアで見かけたお手軽漢方薬(半夏瀉心湯/ハンゲシャシントウというやつ)を試したらだいぶ楽になりました。ハコに書かれてた症状が合うので試したんですが、どうも神経性胃炎、らしいです。ああ、わかるけどなんかやだ。いかにもでやだ。(^^;)

不眠対策で家族といっしょにグリシン系のサプリメントも試してみることにしました。まあこちらは食品なのでおまじない程度ですが、プラシーボ効果でもいいので効いてほしいっす~。(笑)