イベント参加予定

【イベント参加予定】2024/5/19 文学フリマ東京38 / 2024/5/26 COMITIA 148

2017/12/28

コミケ持参品のお知らせ

またまた直前になってスミマセン!突発的に作ることにしたグッズの完成写真ができてから、と思っていたら、取り寄せたアイロンプリント用紙が不良品だったりしてずれ込んでしまいました。

グッズはこちら。先日のクリスマス画像を加工しまして、『青い紅玉』の(?)ミニトートバッグとポストカードを作ってみました。

ミニトートには原作の
「ホームズさん、あのガチョウが!」
「どうしたんだ?
生き返って台所の窓から飛んでったとでもいうのかい?」
の英文が入っています。(笑)

ポストカードとの大きさの関係はこんな感じ。バッグは約10cm程度のマチつきです。セットで600円程度にしようかと思っていますが、まだ迷っています(笑)。ポストカードは単品でも販売します。

とにかく今日やっとまともな素材が手に入ったので、明日フル稼働して作っていきます。メインは本なので余興ではありますが、よかったらぜひ。

以下は本のおしながきで、pixivにあげたものと同じですが、これまでおしながきと言いつつ価格を入れていなかったことに気づいたので、すべて作り直しました。少しでも見やすくなっていればいいのですが。(^^;)





創作JUNE/BLエリアなのでイアンシリーズがメインなのですが、来年は二次系のイベントには参加しないかもしれないので、二次の在庫もなるべく見やすいように並べようと思っています。無駄に多くてごちゃごちゃしますが、お目当ての本が見当たらなかったらお気軽にお声がけくださいね。(※今回SHERLOCKの残部には残り1冊のものがあるので、セット販売は行いません。ご了承くださいませ)

Twitterのタイムラインで、本のミニ表紙をインデックスみたいにつけるとわかりやすい、というワザを教えていただいたのでやってみました。こんなふうに並べるか……

…こうなるか、机の上でやってみないとわかりません。(写真は宅配搬入前に試してみたもの)いちおう両方できるように道具は送ってあります。グッズを作ってしまったので、スペースのやりくりに苦労しそうです。(^^;)

配置はこちらです。

12/30(2日目) オ21a SUSSANRAP


では、当日はスペースにてまったりとお待ちしております。
無料配布だけでもぜひどうぞ♪


2017/12/24

メリークリスマス!/ごあいさつ画像と思うこと、そして『SMOKE』


メリークリスマスでございます。今年はごあいさつ画像を作れたのでアップします。ホームズさんの『青い紅玉』をうちのチョロQワトスンで考えたらこんなことに。飛んでるリンゴはガチョウのローストの付け合わせです。品種は紅玉ということにしといてください…。(笑)(ネタ探しをしたときに再読・再見した『青い紅玉』について、別ブログに書いています。→「『青い紅玉』改めて傑作でした❤」
コミケのお知らせもしたいのですが、わやくちゃになるので別にしますね。いちおうpixivにおしながきをアップしていますのでこちらもリンクします。→C93おしながき(30日オ21a SUSSANRAP)

さて、クリスマス。クリスチャンでもないのにな~、とリクツっぽく考えることもありますが、日本風の宗教色のないクリスマスもこれはこれで「いーんです!」(←カビラさんの声で)と言う感じを、特に今の世相ではひしひしと感じます。こういうしなやかさというかセッソーの無さが、ある意味では日本人の取り柄の一つなんだろうなーとも思うようになりました。自分の子供の頃は、何も知らずに「クリスマス」にあこがれてました。ただ、本来よその国の行事というのはなんとなくあって、少し成長してからは自分が当事者というより外から眺めるもの、という感覚も大きくなりました。なので、「映画で見る欧米のクリスマス」はクリスマス体験の核だったりします。

…少し前に新聞で読んだのですが、日本でクリスマスが行事として普及する過程では、戦後駐留軍の兵士がサンタクロースのかっこうをして子供にお菓子を配ったりしたのが一役買っているそうで、なんとなくわかる気がします。日常から数十センチ浮き上がった「豊かさへのあこがれ」、みたいなトーンがありますよね。今でも。テレビCMなんかで流れるクリスマスのイメージはまさにそう。この「数十センチ浮き上がった」感て、同じような季節行事でもお正月には感じません。クリスチャンでないからこそ味わえるのかも…という気もします。

皮肉にも今日の新聞(朝日の天声人語欄)では、かつてのアメリカが持っていた文化や価値観などのソフトパワー、「脅しやカネではなく、相手を自然に引き付けて、求めるものを手に入れる能力」が今では成立しない話になっていることが嘆かれていました。両方戦略ではあるかもしれないけれど、「サンタのかっこうで子供にお菓子を配るアメリカ」と、国連で「俺に反対するなら援助は切るからなと脅すアメリカ」を並べるとなんとも……。

…話がそれました。クリスマスに戻しましょう。(^^;)
じつは母艦サイトの奥底に「クリスマスに見たい映画、食べたい料理」という昔の記事がありまして、毎年この時期だけアクセスがあります。検索で見つけてくださるんでしょうね。今では追加したい作品もいくつかありますが、あそこに書いたものは今も定番です。こうして見ると、クリスマスに見たい映画ってクリスマスでなくとも見たい、いい映画でもありますね。

映画から取り込んだクリスマスのイメージは、CMの「豊かさ」とはちょっと違って、『クリスマス・キャロル』のボブ・クラチットみたいな「つつましい生活の中でクリスマスだけは奮発して(それなりの)ごちそうを食べる」みたいなイメージとか、『アパートの鍵貸します』の主人公の、世間はお祭ムードだけど一人だよ、あ~あ、みたいな、より等身大の(だけど日本人の自分の日常とは確実に違う)「当事者感覚」が魅力だったりします。

で、今年は何にしようかなーと考えて……上記のページにも挙げていますが、『SMOKE』にしました。じつはつい先日、伊勢佐木町(いせざきちょう)――横浜市内の元繁華街で、以前は映画館がたくさんありました――に所用がありまして、通りを歩いていたらポスターがあって……なんとデジタルリマスター版を劇場公開しているんだそうです。初見はたしか封切り時に劇場で見たのだと思いますが、その後も何度か見ている大好きな映画です。懐かしい方も多いと思いますし、もしこれから初見を劇場で迎える方がいらしたら素敵なことだと思うのでリンクします。(ただ、もう横浜は明日まで。他のところも12月公開なのでもう終わっちゃうかなー(^^;))リマスター版のソフトも発売になったばかりみたいで、それに合わせての公開なんですね。



『スモーク』の舞台はNYのブルックリン。そこに住む作家、作家のところに転がり込む一風変わった黒人少年、近所のたばこ屋の主人、たばこ屋に集まる人々……などが織りなす物語。いい具合に細部を忘れていますが(^^;)、物語についての物語、「物語ること」についての物語、でもあったと思います。原作・脚本はポール・オースター

余談ですが、『ガイ・リッチー版の『シャーロック・ホームズ』でモリアーティーをやってた人(すいません、名前を憶えていません(^^;))が、この映画ではタバコ屋の下働き役をしています。頭の回転がゆっくりな、ある意味チャーミングな青年役で印象的でした。モリアーティーを見たときに「誰かに似てる…」と思ったのですが、年もとっているし、脳内でつながるまでに時間がかかり、気づいたときには文字通りあんぐりと口を開けました。時間が経ったんだなあと……。

定番クリスマス映画の一本ですが、しばらく見ていませんでした。手持ちのDVDなのでデジタルリマスターではないんですが、久しぶりにじっくり浸ろうと思います。





封入されていたリーフレット。表紙はジャケットにも小さく入っている、

クリスマスツリー風にデザインされたタバコの煙とマッチです。

2017/12/05

コミケ参加予定/生ジェフリー・サックスさんと"Moon Shot"/近況

コミケ参加予定

久しぶりの更新です。母艦サイト等ではすでにお知らせしておりますが、冬コミのスペースをいただけました!二日目です!

コミックマーケット(東京ビッグサイト)
12/30(土) 東3ホール オ21a  SUSSANRAP(サッサンラップ)
(コミケウェブカタログ:SUSSANRAP)
https://webcatalog-free.circle.ms/Circle/13630347

JUNE/BLエリアでイアンシリーズをメインに持参しますが、初売りはノンケ評論集『洋画レビュー約20連発』(特集『メッセージ)です。せっかくのコミケなので何か作りたいのですが、現在はイアンの最新作の進行を最優先しなくてはいけないと思い、ぐっと我慢して間に合わせの短編とかは作りません。(それをやってると永遠にこちらに本腰入れられないことに気づき…(^^;))

というわけで、既刊の本編一作目『ネガティヴ・ケイパビリティ:絶食系男子イアン・ワージングのレイライン紀行』紙版の販売と、お試し短編2種の無料配布を継続します。これはもう、新作できるまで地道にやります。一人でも多くの、「こういうのがご趣味に合う方」の手に届きますように。どうぞよろしくお願いします!

その他SHERLOCKホビットで在庫のあるものもスペースか許す限り展示します。それ以外に恒例の無料ペーパーくらいは作れたらいいなーと思っております。ぜひお立ち寄りくださいませ♪

生ジェフリー・サックスさんと"Moon Shot"

朝日新聞のメールで知ったジェフリー・サックスさんの講演イベントがありまして、なんとなく応募したら抽選に当たったので、先週(11/28)拝聴してまいりました。サックスさんは、十年以上前ですが『貧困の終焉』という本を読んでゆるくファンになりました。(現在は文庫になっています。ああくやしい~こっちのほうが手軽に読みやすいじゃんっ)

ぶっちゃけ内容はほとんど忘れているのですが、印象に残っているのはその姿勢というか、行動の哲学の部分。やるべきことはやるんだ、という勢いの部分です。今回もそれを強く感じました。ちょうどそういうものが自分の中で底をついていたので、精神的にチャージできた感じです。

テーマはSDGs(持続可能な開発目標)というもの。(国連の紹介ページはこちら:17の目標のイラスト説明、 『持続可能な開発目標(SDGs)とは』)
…だったんですが、ただ名前に引かれただけのミーハーなので、現在サックスさんがこういう活動の団体を立ち上げていることも知らず行きました。配られた資料にサクッと振込用紙も入ってたので、当然ながら寄付集めイベントでもあったんですね。すいませんビンボー人で。(ただただ楽しんでまいりました(^^;))ともあれ、多めに招待はがきを配っていたらしく「入れないことも…」と書かれていたので用心して早めに行き、なんと列の先頭に並べまして、一般列では最前の三列目から拝見できました。うわー生だあ♪

しかしあんなに「しゃべりだすと止まらない」タイプの方だったとは。ええと、ぶっちゃけこういう活動のなかでは人寄せパンダ的な役を意識して担っている方だとは思うんですが(そして私のよーなのがふらっと行ってしまうんですね(笑))、ほんとににこやかでパワフルで引き込まれました。当日は同時通訳つき。でもゆっくり話してくださっていたので、リスニングは苦手ながらそこそこ聴き取れました。(当日質問に立った高校生の英語力にはびっくりです☆)当然ながらトランプ政権や大企業のロビー活動がやり玉にあがり、そのあとのコーナーで聴き手として登場した国谷裕子さん(クローズアップ現代のキャスターをしていた方)は"controversial"(直訳で「物議をかもす」)でもありましたね、とコメントしていました。でもそういうところが自分なんかにはツカミなんですよね。(笑)

冒頭のサックスさんの講演が予定時間を大幅にオーバーしていため、国谷さんは「(タイムテーブル通りなら)あと五分で終わらせないといけないんですが……でもそれはしません。生放送ではないので」と笑いをとってました。…会場にはサックスファンだけでなく、国谷ファンの方もたくさんいらしてたんではないかと思います。しかし繰り返すようですが、サックスさん、しゃべりだすとなかなか止まらないので(笑)、国谷さんの発言時間はわずかでした。それでもやはり、ジャーナリスト的な、ある意味イジワルな切り口の質問(でもそれは自分らの正直な疑問でもある)をしていたんですが……サックスさんの答えは目線が違うという感じがしました。悪く言うとはぐらかしているようにも聞こえます。

自分も正直、掲げられてる目標はもちろん全部実現してほしいけど、「きれいすぎるただのお題目」という印象も同時に受けていたんです。この方はそういう切り口でよく批判もされている方。いいなーと思う所がある一方で、どこかで「うーん…」というものを感じるのは自分の中でも事実です。(たぶん自分の立ち位置から見える風景が違いすぎるせい。「理想的なことを口にしてもどうせだめ」「そんなことうっかり言ったら嫌われるだけ」という尺度に慣れてしまうと、こういうものは警戒しちゃうし、あっけらかんと表現している人には不信感を抱いて「どうせ寄付集めでしょ」と言っておけば安全、と思っちゃったりするんです。いやはや。書き出してみて自分で愕然としますが、これも一種の思考停止かも。でも本音の一部です。すべてではありませんが)

ですが、少なくともこういうお題目を立てることがなぜ必要か、というところは聞いているうちになんとなく理解できてきて、それが今回個人的に得た一番大きなものでした。元々そういうところに惹かれたのも思い出したので、それを自分が直面していることに応用したいなーと、まあ我田引水な吸収をしたわけです。

これは講演が始まる前に、主催団体の方があいさつの中で言っていたことでもあり……ケネディ大統領が期限を切って「人類を月に送る」と無茶な目標を宣言したことでNASAに活が入り、結果的には目標が達成された、という話……そのあともこれが言及されていました。高い目標を立てて、そこから逆算してやっていくこと、こういうのをMoon Shotというそうです。このエピソード自体は、たしかテレビでNASAの方のインタビューの中で聞いたことがありました。

現時点では無茶だ、と思える目標を掲げることの意味。思えばこれまで達成されてきたことは何でもそうなんですね。かつては女性の参政権はなかったし、黒人と白人が同じ店に入ることもなかった。当時はそれが変わるなんてありえない、と思われていたはず。アポロの例は当然ソ連との競争という面が大きかったし、こういうものは「…にすぎない」という見方をしようとすればなんぼでもできるんですけど、ああ、斜に構えるだけじゃほんと不毛だよなあ……と。どーも自分はへなちょこで、こういう面が弱いので……時々前向きなものを補給してバランスとるべきなんだと思います。いい機会になりました。

イベントでは、一番期待していなかった最後のコーナー(日本の企業の方を交えたパネルディスカッション)が存外一番中身が濃かったり、長い熱弁のおかげで予定より帰宅は遅くなりましたけど(笑)、直接ああいう人のエネルギーを浴びて、いろんなものを得たイベントでした。

会場に行く前に駅(会場が有楽町駅前のマリオン内でした)の反対側を散歩しまして、初めてあんな位置関係にあったことを知った知った皇居周辺、ものすごく久しぶりだった日比谷公園散策もでき、かなりリフレッシュしました。でかい風景はいいですね。

*      *      *

近況

…というわけで、グローバルな話題のあとに超ちっぽけなことで書きにくいですが(^^;)、現時点では完成予定が見えないイアンの新作もムーンショットの精神で(?)がんばろうと思います。今週は比較的時間がとれているので、ぷちクラッシュに充てています。これを書き終えたら戻り、ネット絶ち度を上げて集中することを優先しようと思います。(集中するというより、自分の場合周囲に余白を作ることが必要なので、そのためにこもる時間をとる、という感じです。まあ喫茶店で書いたりもするので物理的にはそうこもってもいないんですが(笑))

…何か具体的な作業をしていないと不安になるので、自分の創作には一番必要な「ぼーっとしながらアイデアを頭の中で転がす」ことにまったく時間を使えなくなってました。…こーいうことを書くのも実は怖いんです。「それで食ってる訳でもないのに何を生意気なこと言ってやがんでい、恥さらしが!」と、自分の中の誰かが言うわけです。でもでも、必要なことには時間を使わなくちゃです。自分の中ではまったく「余暇の遊び」ではないから。みっともなくとも今の自分に一番必要なことだから。そう心から思います。

2017/10/17

ムーパラ終了+しばし参加お休み(予定)+パスタ屋さん話

東7ホールでのムーパラ

10/15は東京ビッグサイトでMovies Paradiseに参加させていただきました。あいにくの雨天でしたが、スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

サークルカット。こんな内容でした。

ご覧の通りイベント合わせの新刊がなく、初売りがノンケの洋画レビュー集、無料配布は(控えめに言ってファンが多くはない(^^;))ジョナサン・アリスさんアテ書きオリジナル小説のお試し短編J庭兼用ペーパー、あとは既刊の在庫という、渋い(笑)ラインナップでございました。ペーパー表紙は今回もモノクロ。(元々の目的のJ庭がモノクロ配布だったので、こちらだけカラーというのもなーと思いまして……)でも手間をかけた分くやしいので、J庭で提出できなかったカラー版「帰っちゃうの?ポスター」バージョンを電書サイトのギャラリーにアップしました。少し拡大して表情を見やすくしたバージョンです。よかったらご覧くださいませ。

SUSSANRAP kindle books: ギャラリー


J庭でなくなったレビュー集と小説シリーズ一冊目は、ぶっちゃけムーパラで売れるタイプの本ではないのですが(^^;)、「よりによってサークルカットに絵がある本だけがありません、てのはあんまりでは」ということで、壊れたプリンタを急遽新調。刷り足して持参しました。ごく少数ながらお目当てに来てくださった方々がいらしたので、持っていけてよかったです!楽しんでいただけていますように♪

今回は無料ペーパーに力を入れたので……ご紹介した"Queers"、作品がとても良かったんです。なのでムーパラ用に出演俳優さんの名前を入れたポスターをディスプレイしてみましたが、残念ながらお手にとってくださる方はかなり少な目でした。日本未放映ですし、ふだんそちらの俳優さんのファン活動をしているわけではないのも大きいでしょうか……。でもまったくのご新規様にもお渡しできたので、こちらも楽しんでいただけますよう祈っております!

今回は初めて東7ホールへの出展を体験しました。まだきれいで、トイレも多かったです。(コレ大事!)ほとんどのサークルさんは早めに撤収していましたが、4:30の閉会までいたせいか宅配列に並ぶこともありませんでした。サンシャインのときは最後までいるとかえって長く並ぶ感じでしたけど、さすがビッグサイトは広くて業者さんも慣れてるせいか、効率よく処理されてるみたいですね。帰り道と反対側は出ると海に向かって眺望が開けていて、解放感がありました。自販機コーナーもあって、飲み物以外にアイスとお菓子のもありました。(あのアイス自販機、歩いて行けるブックオフの前にあるので、暑い時期はよく食べてます!小さくてちょうどいいんですよね~(笑))

しばし参加お休み(予定)

…さて、そんな参加でしたが、じつは今回しみじみと、ムーパラのベクトル自分の活動のベクトルがずれてきたかな……と思いました。もともとズレはあるんですけど、今回参加証の案内書をよく読んだら、以前は「洋画(海外ドラマ)の同人誌が一冊でもあればOK」だったのが、「それ以外は販売できません」に変わってたんです。(気づかなかっただけでだいぶ前からでしょうか。だとしたらスミマセン!(^^;))そもそもイベント申込時の登録はキャラ(カップリング)「小説か漫画か」だけですし、コミケとは違って評論はちょっと想定されていないイベントです。もちろん持ち込めないわけではないですが、がっつり二次創作、というのを今現在はしてませんし、フュージョン(ものは言いよう(笑))なアプローチでアテ書きオリジナルを持ち込むのもだんだん肩身が狭くなって参りました。そもそも来る方の目的が違いますから……。

ちょうどSHERLOCKが自分のなかでひと段落したのもあるんですけど、今一番やりたいことがオリジナルの創作なんです。(イアンシリーズは1.5次的なアプローチですが、最初からオリジナルとして読んでいただけるよう意識していたのもあり、作る感覚はやはりオリジナルなのです…)映画レビューは楽しいんですけど、私的な事情で時間が足りなくなってきまして、その薄本を作るために創作の時間が犠牲になってるかも、という感覚が最近出てきました。…あくまで自分のなかでの優先順位(あるいは「トレンド」)の話で、しかもコロコロ変わるんですけれど。

で、やりたいことをしないと人生終わってしまうので(笑)、どう露出させていくかはまあ置いといて、今作りたいものを作りたいな、次のムーパラは参加を見送って、しばらく創作のために時間を確保しようかな……という思いが、会場で一日かけてなんとなく固まりました。でも映画を観たり感想書いたりは自分にとってゴハンとハイセツ並みなことなので(笑)、あくまでバランスの問題。わざわざ公言する程のことでもないんですけど……。創作のためにこもる時間(カズオ・イシグロさん風に言えば以前書いた「クラッシュ」(自主的缶詰状態))が不足して苦しくなってる、というのが正しいかもしれません。マルチタスクがまったく向かない人間ですし、「クラッシュ」の時間も酸素並みに必要なので、この酸欠状態をちょっとでも改善したいなーと思いマス。

…会場を出る時、出口でシャーロックのコスプレさんが、回収されたサークル参加証(首から下げるタイプ)をもくもくと整理しておられました。ここ数年SHERLOCKで大いに楽しませていただいたイベントにしばしお別れ、と思うと、その光景を見ながら会場をあとにするのはちょっぴり感慨があったのでした☆
(…もちろん突然ハマる作品が出てくれば話は別なので、来週あたりぜんぜん違うこと言ってたりして、という自由は自分のために残しておきます!(笑)

パスタ屋さんのリベンジ

さて、帰りは前回閉まっていたパスタ屋さんのチャオが開いていたのでリベンジ! ふと「コミケに外れてたら年内最後のビッグサイトだ!」と気づき、セットメニューは無視して(笑)エビのトマトクリームソースをいただきました。前にも書いたかもしれませんが、その昔横浜に支店があった頃、初めてこれを食べて、「こんなにうまいパスタがあったのか」と感動した思い出深いメニューです。横浜店ではなんたらガンベレッティとかいう名前でした(ガンベレッティ=小エビ)。今はレトルトでさえ手に入りますが、当時こんな味付けはお目にかかったことなかったんです。

たしか横浜店はメニューもイタリア語のカタカナ書きにカッコで説明がついていて、店の前に木箱が置いてあり、ペッシェヴィーノ(ペッシェ(魚)ヴィーノ(ワイン)の名前の通り、魚型のボトルに入ったワイン)の空きビンがドカドカ入っていて、「ご自由にどうぞ」と配ってました。年代的にはバブルの頃かもしれません。かわいいのでもらってきたことあったなーとか回想にふけりました。横浜店は狭いけど落ち着いた雰囲気で、昼から紳士が一人でピザとワインを楽しんでいたりする、隠れ家的な空間でした。なくなって久しく、ほんとにおいしかったので寂しいです。

TFTビルのお店は、見つけた頃のメニューはほぼ同じでしたが、微妙に味が違う気がします。それでもおいしいんですけど❤ こちらはメニューも日本語ですし、以前あったブラッドオレンジジュースなんかもなくなり、全体に「日本のパスタ屋さん」化してきましたね。でもオリジナルメニューのアルラ・チャオは健在。シソを使ったおいしいパスタで、ほかではちょっと食べられない味です。なんか宣伝みたいになりましたが(笑)、ほんとに好きなお店です。横浜にも復活してほしいです☆

2017/10/04

J庭のご報告(一部ムーパラのお知らせ)

10/1はJ.GARDENに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

今回は新刊がないので、無料配布の厚めのペーパーを用意していたのですが……。前日にプリンタが不調で、カラーにするつもりだった表紙が泣く泣くモノクロになりました……そして「帰っちゃうの?ポスター」もモノクロです。こんなに時間かけてカラー描いたの久しぶりだったのに! せっかくお題の「タキシード」をジーンズで着崩したのに! モノクロじゃわからないじゃないか……!(号泣)


ペーパー表紙。ほんとはこういう色でした。うわーん。

絵柄は元彼を加えて『ネガティヴ…』の回想シーンそのものになりました。ちょっとした諍いがあったあとのエレベーターの中…のつもりであります。中の記事は「帰っちゃうの?ポスター」のお題だった「タキシード」に関するアレコレと、SUSSANRAP kindle booksのブログに書いた"Queers"のご紹介記事にその後読んだエピソード等を加筆して再構成したものがメインです。その他SHERLOCKについてとジョナサン・アリスさん最新情報(?)も少し。後半はPRですが全12ページです。ムーパラでも無料配布予定なので、よかったら連れ帰ってやってください♪

…というわけでモノクロの悔いは残りましたが、配置がよかったせいか(本部の真ん前でした!)スペースの前は一日中人通りが多く、おかげさまでムーパラ分も見込んで刷ったペーパーはほとんどなくなり、『ネガティヴ・ケイパビリティ:絶食系男子イアン・ワージングのレイライン紀行』、『王殺し』、それとJ庭初売りだった『洋画レビュー約20連発』当日持ち込み分完売となりました。(とはいえ、もともとJ庭は持ち込み数が少ないですし、ほんとは少し刷り足したかったのがプリンタ不調でできなかったためだと思いマス。でもうちではJ庭でこういうことはヒジョーに珍しいのです!もうこの先ないかも!(笑))

特に初売りのレビュー本は「J庭なのに表紙が女性場違い感120%」だったので、一番端に置いて中央は無料配布にしていたくらいなんですが、「洋画好きなんです」とおっしゃる方がけっこうお手にとってくださって、閲覧用にカバーをつけていた見本誌までお連れ帰りいただくことになりました。ありがとうございました。もしかしたら、評論系の場合はムーパラよりも合ってるのかもしれませんね。(ムーパラは九割がた「好きな洋画のやおいを探しに行くパラダイス❤」なので(笑))

J庭初売りだった『洋画レビュー約20連発』の表紙と裏表紙。
前半はテッド・チャン原作『メッセージ』の特集でした。
10/18にレンタル開始ですね♪
原作ファンとしても映画ファンとしても、今年一番のおすすめです。

pixivにサンプルもアップしていますので、よかったらぜひ。
刷り足してムーパラにも持参するつもりです。
pixiv 『洋画レビュー約20連発』(評論本目次・サンプル記事)

恒例になってるおためし無料短編小説も(積極的におすすめもしたので(笑))うちにしてはたくさんお連れ帰りいただけました。その後kindle版イアンシリーズのご購読が増えているので、ご趣味に合う方々がいらしたかな……と嬉しく思っております。楽しんでいただけていたら幸いです。

そして今回も、ご感想をお聞きできたのが励みになりました。イアンシリーズはコミティアで無料短編を読んでくださって本編をお求めくださった方々もおられて。(感涙)前にも書いたかもしれませんが、人様のお口から「イアンくん」とお聞きするのは不思議な感じで、とても嬉しかったです!(←親ばか状態)続きを楽しみにしてくださってる方々のお言葉をいただくことはめったにないので、これ以上はないエネルギーをいただけました。改めて頑張っていこうと思いました。(一番続きが読みたいのはたぶん自分ですし!)

前回のレビュー本『洋画レビュー約40連発』についても、「全部見たことがない映画だったけど面白かった(笑)」というご感想をいただいて、すごく嬉しかったです! 基本的にDVD鑑賞の感想なので、古い作品やマイナー作品も多め。批評というより自分が面白かった、よかった、と思った作品を「ご紹介したい」のが原動力なんですよね。だから未見の方に楽しんでいただけたのは理想です。その中で「見てみたいな」と思う作品に出会っていただけたらこれ以上のことはありません。

ご紹介したい、という基本スタンスゆえに、イマイチだったときは感想を書かなかったり、最近は見たこと自体触れていないことも多くなってます。時間が足りなくなったのもあるんですが、けっこう人気作品が自分には合わないことも多いので、お好きな方が目にしたら愉快ではないだろうな、というのもあって……まあ書きたいときは書いちゃってるんですけれど、そのへんは好みの問題だと思っています。何卒ご了承くださいませ☆

…ええと、池袋に行った時のお約束のタカセですが(笑)、今回は朝に寄ってお昼用にミックスサンドも買いました。おしぼりの他に練りからしのパックまでついていて感動。からしと塩は使いませんでしたが、レトロな駅弁みたいな「サンドイッチ」感を満喫しました。帰りの食事は3Fのグリルでミートソーススパゲティをいただきました。以前食べたかどうか覚えてないのですが、トマトベースというよりデミグラスベース…? カレーの別添え用の器で粉チーズが来るのでかけ放題だし(笑)、太めの麺には玉ねぎ、ピーマン、ニンジンと共に卵が炒め合わせてあって独特。おうちメニューっぽくておいしかったです♪お土産のパンはヨーグルトパンデニッシュパンを買ってきました。ムーパラはビッグサイトなので、しばらく池袋行く機会がないんですよね……ちょっと寂しいです☆

さて、なくなった本もムーパラ用に少し刷りたいので(これがコピー誌の便利なところ(笑))、目下の問題はインクジェットプリンタの回復です。ノズルが詰まってるのかなあ、ということで洗浄カートリッジというのを注文してみました。レーザーもそろそろドラム交換なので、買い替えは避けたい……いっぺんに散財しなくて済むよう願かけております。(^^;)

10/15Movies Paradiseの配置はD39、サークル名SUSSANRAPです。J庭と同じ無料配布と既刊、初売りのほか、二次の既刊でSHERLOCK、The Game、等を持参します。よろしくお願いします♪

2017/09/21

J庭準備/タキシードの着崩し研究中☆

10月のイベント参加

10月は10/1のJ.GARDEN(配置No. ね18b)、10/15のMovies Paradise(配置No. D39)に参加予定です。で、現在J庭に向けて準備中であります。両方イベント合わせの新刊はありませんが、夏のコミティア新刊だった『洋画レビュー約20連発』が初売りになります。恒例のイアンシリーズ短編無料配布も行いますので、よろしくお願いいたします。(あ、もちろん有料の本編も持っていきます!(笑))

毎回恒例の「帰っちゃうの?ポスター」も参加予定で、現在そのイラストを描いております。今回はお題が「タキシード」。ちょうど『ネガティヴ・ケイパビリティ』にタキシードのシーンがあるので、そのイメージで描いてみることにしました。ついでにそれを表紙にして、こちらもなんとなく(J庭合わせの新刊がないときの)恒例になっている、「カラー表紙で4~8ページの無料ペーパー」を作れたらなー、と思っております。

タキシードの着崩し

シーンはイアンが元彼と暮らしていた頃の回想で、深夜にパーティーから帰ってきたところでタキシードを着ているのですが……じつは書いていたときから「着崩している」イメージだったので、カマーバンド(ハラマキみたいなやつですね)でびしっとしているとイメージが違うんです……!フツーのタキシードさえよく知らないっつーのに、なんか難易度上げちゃったなあ……(^^;)と後悔しつつ、「tuxedo、jeans、dress down」あたりで検索しまくって、写真やら情報やらをネットでしこたま集めてにわか勉強してみました。

こちらは正統派カマーバンドの起源。英領インドなんですね。知らなかった―☆

…下の記事ではこんなことが書かれてます。
「ある時期みんなタキシードジャケットをジーンズやTシャツで着崩すのがクールだと考えて、クラブだけでなく授賞式(サンプル写真は俳優さんらしい)でもやった。でもまたたく間に古臭くなり、今じゃタキシードジャケットをカジュアルに着るのはダサい。代わりにカジュアルジャケットそのものを着よう」…それがもう2013年の記事なのです。


(タイトルはズバリ『今ではダサい「タイムレス」な10のトレンド』。Vネックのセーターとか自分の中では「イアン的なアイテム」なんですが~(笑))


…まあ小説のあのシーン自体が何年か前の回想なのでちょうどいいかも?ということでやはりその線でいくことにしました。(「ちょっと前のファッションでダサめ」という匙加減もイアンには合ってる気はするんですが……(笑))

これも2013年の記事ですが、タキシードの着こなしいろいろ。写真が楽しめます。

イアンにはベルトをさせたかったので(これも正式な場合はサスペンダー。Wikiによると最近はベルトが一般的だそうです)、ジーンズやベルトのキーワードを入れて集めた写真を参照しつつ、彼が着そうな感じを模索しているのですが……うーん、難しいですね。カマーバンドなしでタキシードって認識していただけるかどうか……。単に「こいつ(描いた奴)タキシードの着方を知らんな?」とほくそ笑まれるだけの絵になりそうな気も☆(^^;)

でも、イアンにカマーバンドはあまりに似合わない気がするので(笑)、なんとか着崩し路線でやってみようと思います。…もう一つの問題は、つらい思い出のシーンなので表情が暗くなっちゃうこと……たぶん「タキシード」というお題からはコトホギ感を共通認識として持つはずだと思うのですが……ううう、いつもながらテーマの解釈がちょっと斜めな感じのポスターになりそうです。でも描くのは楽しいです!(笑)

今試行錯誤しているので、ちょっと経過を。

最初のラフに色を載せてみたもの。じつは違うポーズで描いた絵の顔が気に入ったのではめ込みました。ポーズや重心がへんな気がするのと、女顔すぎるかなー……という感じがして修正することに。

結局全身描かないとバランスがわからない(^^;)ので、縮小して全身像で修正。こういうことできるのがデジタルはありがたいです。顔とインナーも変更。

表情がわかる程度に切り取って拡大。

カラーリングのテスト。やっぱりワイシャツのほうがいい気もするなあ……と試行錯誤継続中です。いやいや、この過程が楽しいのです。(笑)

今回は比較的早めにイラストに手を付け始めたので、試行錯誤の時間があって嬉しいです。……コマ切れ時間で手を入れてるのでなかなか進みませんが、かっこよさげなイアンにしたいので、頑張りますです☆ 


*      *      *

別件ですが、先日ちらりと触れた"Queers"について、別ブログにご紹介記事をアップしました。すごくよかったので、よかったら合わせてご覧くださいませ。





2017/08/24

コミティアご報告とばかうけ交換会(?)

終了後バテてしまいご報告が遅れましたが、8/20は創作同人誌イベントコミティアに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!創作オンリーなので、オリジナル小説と評論本を持参しました。

今回はコミケの翌週ですし、ご参加の方は少ないのでは……と正直思っていました。が、配置が入口すぐのお誕生日席と恵まれていたせいか、本は少数ずつながら新旧取り混ぜて身請けしていただけました。(日頃零細なうちのコミティア参加としては新記録レベルです。ほんとにありがとうございました。本を楽しんでいただけていますように!)

持参した本全種を大人買いしてくださった方や、別のイベントで無料配布したイアンシリーズ短編をお気に召してくださって本編をご購入くださった方もあり、とても嬉しかったです。表紙絵もほめていただいて……こちらもとても嬉しかったです。

新刊は創作でなく洋画レビュー集でしたが、大好きなテッド・チャンさん原作の『メッセージ』を特集しました。こちらも思ったよりお手にとっていただけて、映画についてもお話できたりして楽しかったです。(リアルの身辺に見た人がいないものですから余計に☆)

ただ、さっそくミスを発見してしまい…。(苦)
中で触れた「ゼロサムゲーム」は「ノン(非)ゼロサムゲーム」でしたね。
途中気づいたのですが編集が突貫工事で、あわてて直し損ねたまま
刷ってしまいました。失礼いたしました。
他もチェックして次回販売から正誤表をいれようと思います。

特集に因んで、新刊以外でもお買い上げ下さった方に「ばかうけ」を配らせていただきました。(『メッセージ』の公開時、「異星人の宇宙船がばかうけに似ている」と話題になっていたのでシャレで。ピンとこなかった方すみません(笑))こういうネタで盛り上がるような映画ではまったくないですが、新刊の半分近くがこの特集というハナイキの荒さと、わりとマジ語りしてしまってるのが読み直すと面映ゆく、毒消し(?)の意味もあって配らせていただきました。ですがななんと!差し入れで種類の違うばかうけをいただきまして、予期せぬ「ばかうけ交換会」(?)になりました!嬉しかったです~♪

コレを持っていきました。味は最近見つけた歌舞伎揚げ風。
オリジナル(クラシック?(笑))以外にもいろんな味があるんですね。

並べてみると確かに。

そんなわけで、いただいたご感想が次回作制作の励みになり、その他いろんな話題でいろんな方とお話できたのも刺激になり、適度にまったりしていながら充実したイベントでした。前にも書いたかもしれませんが、「昔のコミケ」みたいな雰囲気がありますね。なんとなく安心するムードです。昔参加してからブランクが長かったのですが、これからもときどき参加していけるよう、オリジナル作品をもっと頑張りたいと思いました。

さて、ビッグサイトの帰りは、いつもTFTビルのチャオでパスタを食べるのを楽しみにしてます。が、今回はお昼に食べたサンドイッチでは物足りなくて、開催中に会場で売ってた「オム焼きそば」を食べました。具のないソース焼きそばに卵を焼いたのが乗って600円……(まあお祭価格だからね!)でも帰りにチャオに行ったらもう閉まっていたので、食べておいて正解でした。たぶんその日の見込み動員数とか人が引ける時間帯とかで変わるんでしょうね。開いてない飲食店は多かったです。イベントは他にも鉄道模型とか面白そうなのをやってたんですけど、確かに夕方はもう人が少なかったし。

それと、「やっぱり虫の知らせだったのかしらん?→オム焼きそば」と思うくらい、帰りの宅配列がしんどかったです。ひどい空腹状態でなかったのはせめてもの救いでした。コミティア開催中は会場にエアコンが入るので、コミケと比べるとかなり楽で「これなら楽勝♪」と思ってたんですが、前回に続き最後に体力持ってかれました。炎天下ではなかったんですが、それでも箱を運びながら蒸し暑い中で長く並んだせいか、軽く熱中症になっていたようで。頭痛や「雪目」みたいな感じがまだ取れません。(睡眠負債がたまってるせいもあるかもですが、先週はここまでひどくなかった!)これからは並ぶ前に水分補給とか備えておいた方がいいかもしれない……と思いました。いったん並んでしまうと買いに行けないですもんね。もうしばらく徐行運転ペースでいきながら、調子を取り戻そうと思います。暑さには極端に弱いので、早く涼しくなってほしいです~。

…さて、余談ですが、最近マーク・ゲイティス兄が脚本・キュレーターとして関わった "Queers"というBBCの番組の本が出まして、イベント前に兄上がサイン本の宣伝ツイートを流していたので、会場で店番しながらkindle版のサンプルを読みました。内容は、今年がイギリスで同性愛行為合法化から50周年なのを記念したモノローグ形式のオムニバスです。兄による前書きがすごく良くて、つられてそのまま購入してしまい、今兄の作品ともう一つを読み終えたところです。1つ1つが短くて手をつけやすく、中身やコンセプトもすごく気に入りました。金欠中の衝動買い(笑)でしたが、後悔なしです。機会ができたら改めてご紹介しますね。(資料として読んでるので、kindle booksのほうのブログになるかもしれません)

*      *      *

今回の新刊を含めた通販は、自サイトで承っております。(PCサイトなので、もし支障がありましたらメールやpixivメッセージ、ツイッターなどでお問合せください)

※前回のコミティアで再販した『恐怖!脳人形の館』と前回の新刊『洋画レビュー約40連発』は今回で在庫がなくなりました。ありがとうございました。通販での受注生産は継続中ですが、イベントでの販売はなくなります。

『脳人形』はkindle版も出ていますので、よかったらご利用ください。
(同人誌版から細かい挿絵やおまけのギャグ漫画を省いていますが、プライムのライブラリーや読み放題サービスにも対応しております)

2017/08/18

コミティア参加予定

またまた直前のお知らせですが、週末8/20開催の同人誌イベント、コミティアに出展します。創作オンリーなので、オリジナル小説と評論系の本を持参します。

配置:う01a SUSSANRAP(サッサンラップ)

新刊は洋画レビュー本二冊目、特集は『メッセージ』です。コピー誌でこれから仕上げですが、プリンターが壊れなければ持参できると思います。(笑)イアンシリーズお試し短編の無料配布も継続します。

表紙はまだ少しいじるかもしれませんが、だいたいこんな感じです。

【8/20追記・↓色合い・目次含めちょっと変わりました】


前回のが「約40連発」だったのに比べると半分なんですが、おもに特集のため総ページ数は前より増えてしまいました。さっき校正がてら喫茶店で読んできたんですが、けっこう読みでのあるボリュームでございます。

特集ページは小説からの脚色についてのブログ記事をアレンジしていますが、表紙に刷り込んだ見出しの通り、たぶん六~七割くらい書下ろしになっていると思います。ブログで書けなかったことを含めていろいろ考察(?)しているので(ホントにいろいろ考えたくなる映画ですよね)、よかったらお手に取ってやってください。後半は以前と同じくブログ記事の再掲で、ほんの少し紙用に整理しております。収録した作品はこちら。

『愛されちゃってマフィア』(1988)再見
『モーガン プロトタイプ L-9』(2016)
『アラン・ドロンのデーモン・ワールド』(1986)
『バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び』(2005)
『素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー~』(2012)
『ジェーン・エア』(2011)
『サブウェイ・パニック』(1974)❤
ナショナル・シアター・ライヴ『コリオレイナス』(2014)
『ボーイ・ミーツ・ラブ』(2004)
『ロンドン・ヒート』(2012)
『レジェンド・オブ・エジプト』(1999)
『アイアン・スカイ』(2012)
『007/リビング・デイライツ』(1987)
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)
『007/消されたライセンス』(1989)
『眼下の敵』(1957)
『鷲は舞いおりた』(1976)
『トラウマ』(2004)
『スタートレック・イントゥ・ダークネス』(2013)
『幻影師アイゼンハイム』(2006)
『フランケンシュタインの花嫁』(1935)

…配置が入口に近く、超零細なのになぜかお誕生日席をいただいたので(^^;)、わりとわかりやすいと思います。たぶんこんなポスターを掲げております。


他にこのへんもちょっぴり持っていきます。


新刊の特集に合わせて「ばかうけ」などおやつに持っていこうと思います~(笑)ぜひぜひお立ち寄りくださいませ❤ よろしくお願いします!

2017/08/11

『手紙は憶えている』と「老人」がアクティブな映画などアレコレ



先日、念願だった『手紙は憶えている』をレンタルDVDで鑑賞しました。劇場公開時の広告で気になっていたんですが、見に行けなかった一本。大好きなクリストファー・プラマー様主演、共演は先日亡くなったマーティン・ランドーです。この顔ぶれだけでも見たくなりますが、内容がまた独特で、進行中の認知症をサスペンス要素として使い、かつてアウシュビッツで家族を殺されたユダヤ人が、アメリカに潜伏している元ナチスに復讐しようとする、というもの。原題は"Remember"。(「思い出す」…むしろ命令形で「思い出せ」でしょうか)

プラマー演じるゼヴ・グットマンは老人ホームに入っている老人。妻を亡くしたばかりで認知症の進行に拍車がかかっています。眠って起きるたびに記憶がなくなっていて、妻を死んだことを忘れ彼女を探すところから始めなくてはなりません。ランドー演じるマックスは老人ホームの仲間で車椅子生活。ゼヴと共にアウシュビッツの生存者で、かつてのアウシュビッツの責任者が身分を偽ってアメリカに逃れ、存命中だと知ります。歩けない彼は、ゼヴにやるべきことを順番に、詳細に書いた手紙(コレを読むことさえ忘れるので、ゼヴは自分の腕に「手紙を読むこと」と書き付ける)と金を持たせ、復讐殺人の旅へと送り出しますが――。

…少しだけ恨み言を書きますと、日本版の宣伝の力点が……(^^;)。このせいで大切なところが見る前にある程度予想がついてしまいました。というわけで「ネタバレ」にあたる部分はたぶん予想がつく方も多いと思うのですが、あまりそこにこだわらずに見たい映画でした。というのは、それを踏まえて経過を見てもほんとにいろいろ考えさせられる、よくできたお話なので。現代のナチ信奉者というのも出てくるのですが、興味あるところでした。恐ろしかった……。

プラマー様がひたすら非力な老人を演じているのも時の流れを感じさせます。なんとなく続けて手持ちの『ドラキュリア』を見て口直し(?)してしまいました。演技なのはわかってるんですけどリアルで、内容含めて胸が締め付けられました。でもあの若い頃のイメージ、あの押し出しの立派さのイメージがあるプラマー様をこのキャストに当てたところも成功していると思います。ほかに元ナチス役でブルーノ・ガンツ(『ベルリン天使の詩』)やユルゲン・プロホノフ(『U-ボート』)など、懐かしいドイツ人俳優さんも出ていました。

そしてマーティン・ランドー。先日亡くなったときはこちらにはお悔やみを書けませんでしたが、このマックス役も心に残る役でした。あのハンサムだけどちょっと怖いような風貌、『スパイ大作戦』で記憶してらっしゃる方は多いと思います。SFドラマの『スペース1999』、ホラー俳優ベラ・ルゴシを演じた『エド・ウッド』など、以前はまった時に少しだけ出演作を漁りました。とはいえほとんどレンタルで見たので、今見返せるのは白黒のテレビシリーズ『ミステリーゾーン』くらいです。(『運という名の男』というエピソードで、すごく若い頃の姿を見られます)

…マックス役では白髪でめがねをかけ、鼻の下にチューブを当てた病人の姿なのでまた印象が違いましたが、晩年は闘病なさっていたそうなので、私生活でもあんな状況はあったのかもしれません。ご冥福をお祈りいたします。

ちょっと思い出したのですが、認知症をサスペンス要因に使う映画として印象的だったものに、パトリック・スチュワート主演の"Safe House"という作品がありました。たしか主人公は元スパイ組織か何かで働いていた人で、体力や知能はたぶん未だに人並み以上なのですが、認知症の症状に悩まされています。そして自分の過去ゆえに命を狙われることを恐れて、厳重なセキュリティを施した家で独り暮らしをしている、という設定です。こちらはスチュワートがまだ比較的若く、トレードマークのスキンヘッドがむしろセクシーに映るくらいで(サービスとして長々とシャワーシーンがあるくらいの肉体美!(笑))、アクションもこなす映画なので、哀れさよりサスペンス要素が勝っていました。(当時スチュワートのファンだったので輸入VHSで見たのですが、作品としては小粒なアクション映画の範疇を出ないかもしれません。でもほんとに、ファンの目には垂涎ものだったのです~(^^;))

「国外に逃れた元ナチス」という題材では、ちょっと前に『ブラジルから来た少年』の再見感想も書きましたが、イアン・マッケランがその元ナチスを演じた『ゴールデンボーイ』という秀作もありましたね。こちらもおすすめな一本なので、感想にリンクしておきます。
「気をつけろ坊や。これは危険な遊びだ」(『ゴールデンボーイ』(1998)再見)

ちょうど今、「ちょびちょび読み本」――「一冊読了してから次」という読み方ができなくなってきたので、開き直ってその日の気分で読みかじっています(笑)――の中に両大戦周辺のものが増えていて、作品準備も兼ねてはいますが、このあたりの歴史に興味が出ているところです。ちょうど世の中全体も二次大戦絡みの回想をする時期で、現在の情勢も不安定だったりして、過去の大戦周辺の歴史がよく取り上げられていますね。そんな中で見たこの『手紙は憶えている』、ネタバレを避けると書けないのですが、いろんな切り口で感じるものがありました。

…戦争がらみは別にして、こういうアプローチ――認知症含めて「老人」をアクティブな(必ずしも肉体的にという意味でなく)素材として扱うもの――は、洋画ではけっこう増えきましたね。クリストファー・プラマー様を気にしてるせいかもしれませんが……(シャーリー・マクレーンとはその手の映画で二回共演していますね。その一方、『あの日の指輪を待つ君へ』での、思いを内に秘めた元軍人役もすてきでした♪)日本は老いや認知症をドライに扱う文化ではないのですが、高齢キャラクターが主演の『やすらぎの郷』のようなものも出てきましたし、お涙系以外の、「アタリマエの」状況を反映したエンタメは少しずつ増えてくるのでは。魅力的な俳優さんたちが高齢になっていき、観客もいっしょに年をとっていくわけですもんね。
(…なぜか今ぱっと思い出したのは『老人Z』というアニメの怪作(?)です。あれっくらいぶっちぎれたのがあってもいいのに、とも思いますが、今の世相では逆に難しいかも?)

また話が広がりすぎて収集がつかなくなりました。失礼しました☆(^^;)



[追記]
以前英語の映画スクリプトがたくさん公開されているサイトを発見しまして、そこで「プラマー様の新作♪」というだけのミーハーな動機でダウンロードしていたのがじつはコレでした。ネタバレを読みたくなかったのもあり手をつけないままでしたが、改めてこれと共に、もし原作があるのならちょっと読んでみたい気がします。舞台劇にできそうな構成なので、元が舞台の可能性もあるかも?(未確認です)

スクリプトをゲットしたのはこのサイトからです。いろんな作品の台本が読めます。
Movie Scripts and Screenplays
ソフトから書き出したトランスクリプトではなく、本物の台本(形式などからそう思われる)のPDFでした。

2017/07/29

『メッセージ』: 原作者テッド・チャンが語る小説から映画へのプロセス(リンクと拙訳)

映画『メッセ―ジ』鑑賞後に渉猟した英語圏でのテッド・チャン氏の映画関連インタビューから、特に興味深かった1本をご紹介します。脚色の経緯は脚本家さん自身が初期からネットで書いてはおられたんですが、チャン氏の目にどう映ったのか、PDF台本へのリンク、チャン氏のおすすめSF作品の紹介なども入っていて、短いですが貴重なインタビューだと思います。映画のネタバレにはなっていませんので、未見の方も安心してご覧ください。(※アカデミー賞授賞式より前に公開されたインタビューです)

SYFY WIRE -  Arrival: AUTHOR TED CHIANG REVEALS HOW ARRIVAL WENT FROM PAGE TO SCREEN

以下拙訳になります。[ ]でくくった部分は訳者による補足です。
(ファンが勝手に訳したものですので、今後削除する可能性もあります。ご了承ください)


*      *      *


もしあなたが現代SF文学の通ならば、テッド・チャンの名前はもちろんご存知だろう。 『メッセージ』を観た方には、チャンの名前は映画の原作である短編小説『あなたの人生の物語』の作者としてピンとくるかもしれない。 この小説はチャンに2000年のネビュラ賞をもたらし、その他の作品も、いくつものヒューゴー賞やローカス賞を彼に獲得させてきた。

『メッセージ』の商業面・批評面での成功は、この作品をいわゆるSF映画としては稀なものにした。主要な映画賞のシーズンに注目を浴び、ついにはアカデミー賞8部門でのノミネートとなっている。 通常この手のジャンル映画は映画賞では避けられるものだ。しかし脚本家のエリック・ハイセラーと監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、みごとに旧弊を打破した。私たちは、現在デジタルHDとブルーレイ、DVDになっているこの映画について、脚色のプロセスがチャン氏にとってどのようなものであったか、自身の作品のハリウッドバージョンに対する思い、そして『メッセージ』の成功からどんなことが起こるのを望んでいるかを聞いた。



あなたは1990年以来作品を発表してきています。ハリウッドがようやく今になってあなたの作品の映画化権を求めてきたのは驚きでしたか?

実際のところを言うと、僕は自分の作品がハリウッド映画用に脚色したいと思われるたぐいのものだとはまったく思っていませんでした。 僕の作品のほとんどはかなり内面的なものです。 出来事の多くは誰かの頭のなかで起こります。 自分の作品が映画に適していると思ったことは一度もありませんでしたし、特に『あなたの人生の物語』にそういう可能性があるとは思えませんでした。

映画の世界や脚本の執筆方法は、あなたの執筆方法とはかなり異なっていますね。作品の脚色を許可するにあたって不安があったのではないでしょうか?

ええ、まったくその通りです。 最初にアプローチを受けたのは、21 Lapsのダン・コーヘンとダン・レヴィンからでした。 彼らはエリック・ハイセラーからアプローチを受けていて、元々は彼が僕の作品の脚色案を持ち込んだのです。 彼らはハイセラーが持ってきたアイデアを気に入って、僕に連絡をとってきました。 僕は単純に好奇心をそそられました。というのは、彼らは選択肢としてありそうもない作品を選んでいたので、どんなものを考えているのかとても興味が湧いたんです。 彼らは監督としてふさわしいだろうと考えた人物の作品のDVDを僕に送ってきました。それは"Incendies"[邦題『灼熱の魂』(2010)]で、ドゥニ・ヴィルヌーヴの初期の作品の一つでした。 それを見たとき、彼らがやろうとしていることを示すものとして、この選択は非常に興味深いと思いました。 もし彼らが『トランスフォーマー』を送ってきていたら、たぶんそれ以上話を進めることはなかったと思います。 その時点ではまだヴィルヌーヴに話を取り付けていませんでしたが、彼らは興味深い選択肢だと考えていました。そしてそのことが、自分が彼らに機会を与えることに前向きになるうえで大きな役割を果たしました。 そして2、3年後に彼らはヴィルヌーヴをチームに加えることができました。

多くの場合、作家の作品の映画化権が獲得されると、それでおしまいです。もう誰もあなたに話をせず、彼らは自分たちが作りたいものを作ります。 エリック・ハイセラーとあなたとの場合はどうでしたか?

たくさん話し合ったわけではありませんが、 たしかにときどき電子メールはやりとりしました。 彼はどう脚色するかについてしっかりとビジョンを持っていて、初期の段階でアプローチを考え出しました。すべて彼1人でです。彼は脚本の初稿をスペック[依頼された仕事ではなく自主的に書くこと]で書いていました。つまり無報酬のまま自ら進んで書いていたんです。彼ら[21 Laps]は最初に僕にアプローチをしてきた時、提示する資金を持っていませんでした。彼らは契約料金がなく、コミットメント契約もないショッピング・アグリーメント[映画化プロジェクトをスタジオ等に売り込む権利を与える契約。ただし原作の著作権は引き続き著作権保有者にあり、プロジェクトが売れた場合の権利に関するスタジオ等との交渉も著作権保有者との間で行われる。一般的なオプション・アグリーメントより著作権者の自由と権利が守られる]を望んでいました。エリックが脚本を書くことができたのは、まさにそのためです。彼が自ら進んでスペックで書いたという事実、彼がそれに膨大な時間をつぎ込んだということから、僕は彼に機会を与えようという気持ちになりました。彼は明らかにこのプロジェクトに全身全霊を傾けていましたから。彼は契約を検討していた時期にアイデアのピッチをしに来て、頭の中に思い描いていた映画を僕に説明しました。そして僕は、彼のアイデアを気に入ったわけです。

その時のピッチと、最終的に映画として完成したものはどれくらい違いましたか?

脚本には、たしかに進行途中で生じた変更があります。 パラマウントは台本のファイナル・ドラフトを公開しました。公開ページ初期の草稿はいろいろ違うところがあります。そしてファイナル・ドラフトと映画それ自体を比べてみても、いくつか違いがあるのがわかるでしょう。 でも僕は彼の最初のピッチが物語の感情面の核心を捉えていると感じましたし、それは完成した映画に至るまでずっと保たれたと思います。

ルイーズ・バンクス博士のキャラクターと彼女の語りは、あなたの短編小説の感情面の柱になっています。 彼らは彼女のものの見方・感じ方を映画に移し替えたわけですが、その方法には満足しましたか?

エイミー・アダムスの演技にはまったく感服しました。台本を読んでも、これが映画の中で実際どんなふうに演じられるかは想像できないんです。ルイーズが持つすべての側面について、彼女の演技は説得力があると思います。

あなたが創造したヘプタポッドは、映画の中で視覚的な説得力を持っていました。しかし原作者としてあなたが想像したものと完全に一致していましたか?

ヘプタポッド自体のデザインに関しては、映画のヘプタポッドは僕が小説の中で書いたものと完全に同じではありません。しかしあの造形にはとても満足しています。僕が自分の作品のエイリアンを設定した時、基本的な目標の一つは、人間とはまったくかけ離れた外見にしたいということでした。通常僕らが目にするエイリアンは、映画では必ず、それだけでなく多くのSF小説でも、二本の腕を持ち、二本の脚があり、一つの頭に複数の目と一つの口がついているものです。僕はエイリアンを放射相称[クラゲのように中心軸に対して対称面が多数あること]で、顔とみなせる部分がないものにしたかったんです。 彼らが作り上げたエイリアンは放射相称で顔はありませんから、彼らのエイリアンは僕が自分のエイリアンでやりたかったことを実現しています。

『メッセージ』は当初から「知的なSF映画」と言われてきました。それはあなたがプロフェッショナル・ライターとしてしていることで、あなたは知的なサイエンス・フィクションの物語を作っています。 『メッセージ』の成功から、より多くの人が再び知性的なサイエンス・フィクションを読むようになることを願っていますか? 

何よりも望むことがあるとしたら、この映画がサイエンス・フィクションについて多くの人が持っている概念を変えてくれることでしょう。SFをよく読む人やSFファン以外にとって、サイエンス・フィクションとはハリウッドが発信しているものです。つまり特殊効果のことであり、巨大な爆発や善と悪の戦いであり、ヒーローと悪者が崖っぷちで殴り合うことです。でもサイエンス・フィクションには、その核心ではそういった要素はまったくありません。SFとは何かということについて、『メッセージ』が多くの人の考えを変えてくれることを望んでいます。 それがSF映画に何を期待するかであれ、小説の形で書かれたSFをどう考えるかであれ、『メッセージ』をきっかけにして、サイエンス・フィクションがただのポップコーン・ムービーのようなものではなく、もっと真剣なものとみなされるようになってくれたらと思います。これはポップコーン・ムービー好きとしての意見ですが。

あなたがもっと多くの人に読まれるべきだと思う、おすすめのSF作家を挙げてもらえますか? 

僕がいつも薦めているSF作家の1人はグレッグ・イーガンです。彼の哲学的な問題のドラマタイズの仕方が好きで、僕自身個人的に大ファンです。彼は短編集を出していて、1つは"Axiomatic"、それから"Luminous"です。彼は知的側面に関して厳格です。

テレビのSF番組はどうですか? その分野で見る価値があるものはありますか?

何年か前に、初めて"Black Mirror"を観ました。Netflixで公開される前です。当時、アメリカで見られたらいいのにと思いました。これはテクノロジーが僕たちの生活にどう影響するかを実際的に描いていて、とても楽しめました。ほとんどのテレビのSF番組は続き物で、「今週のモンスター」か「今週の事件」というものですが、" Black Mirror"はそれとはまったく違うところが好きでした。とても斬新でした。


*      *      *


映画契約関連の用語は以下のページを参照させていただきました。ご興味のある方はどうぞ。(蛇足ながら……インタビューの文中では長くなるので解説を省きましたが、日本と異なり作家さんはエージェンシーに属しています。ですので、もちろんショッピング・アグリーメントでも個人がスタジオと交渉をするわけではないと思います。念のため☆)

spec script

shopping agreement

option(film making)


*      *      *


毎度のお知らせですが、以下のページにテッド・チャン氏の作品や活動に関する情報をマイペースで保存しております。(^^)
テッド・チャンさん備忘録
公式サイトがないのでネットで拾った情報などを個人的に放り込んでいただけですが、はや十年目になりました。映画からファンになられた方など、ご興味のある方には楽しんでいただけるかもしれません。よかったらどうぞ。(※PC用サイトです)


2017/07/23

…おつかれさまでした!/SHERLOCK『最後の問題』感想

昨夜は起きていられなかったので、録画をまた原語+字幕で見たところで感想メモです。また一回視聴なので記憶違いがありましたらご容赦くださいマセ。

*      *      *

いやー、おつかれさま……としか言いようがないというか。(^^;)やっと終われる、という感じでしょうか。ほんとにおつかれさまでした。前回の心配そのまんま親族話・内臓話全開で――痛々しさを感じるレベルで「ご苦労されたんだろうなあ」という感じでした。絡めていた「外側の」事件は結局ユーラスの一種のマインドパレスみたいなものだったんですもんね。全体の印象は手間をかけた二次創作(もともと原作ホームズの二次ですが、その意味ではなく「SHERLOCKの」セルフ二次創作)、という感じでした。この印象はシーズン3あたりから濃厚になって、『忌まわしき花嫁』でまったくそうだと感じたんですが、そのまま終わってしまいました。

じつは途中で飽きてしまって(ごめんなさい(^^;))……シーズン1の第2話とは別の意味で。作りが「閉じ込められた若者のグループがゲームにのっとって次々殺されていく」系のホラーと似たものでしたでしょう……個人的に、このパターン楽しめないほうなんです。それと、これは勝手な解釈をしたためですが、「外側の」飛行機の女の子のシークエンスが、「運転手」とか乗った場所の言い方などから、本物の飛行機ではなくディズニーランド的な大掛かりなアトラクションに見えてたんです。(ただ、一緒に乗っている乗客がみんな眠っていて外に出られない恐怖は子供にとって本物だし、本当に飛行機に乗ってると思っていて、混乱しているからうまく説明できてないんだと思ってたんですね。外の風景もアトラクションだと思ってました~)

で、そこの緊迫感がゼロになってしまったためにカウントダウン感も味わい損ね、前回書いた通り内臓話(または「ゴムのアヒル」。子供の頃にこういうことがあったからこうなったんだ、系の設定)……は、文字通り「設定」だから物語であまりメインの扱いになっていると冷めてしまう方なんです。それが今回キモでしたから、自分にとって見ていて許せる、効果的と感じる匙加減を越えていたんだと思います。加えて先ほど書いたように自分には楽しめないタイプのホラーパターンの踏襲だったので……うう、ごめんなさい。でも正直とてもしんどかったですぅ。(あ、『羊たちの沈黙』はきらいじゃないんですけど! ただ、ちょっと使い方がまんますぎたかなーと……(^^;))

個人的に一番残念なのは、これでモリアーティが矮小化されてしまったことでしょうか……魅力的な構図だったので。やはり「過去の感動のスポイル」のたぐいになってしまいました。兄、インタビューでは成功したゲストキャラを安直に再登場させちゃだめだって言ってたのに~。それを押してもアンドリュー・スコットの出番は作りたかったのか~っ!(笑) …冒頭のマイクロフトのホラー映画シークエンス(あのピエロもなんかに出てたやつですよね?)は、ホラー映画好きなゲイティス兄には撮影楽しかっただろうな~とかのんきに思ったんですが……視聴者としてはそういう問題ではないです。

正典ネタもいろいろ入っていましたが……ちょっと苦しくなってきたところで正典ネタを出してなんとか間を持たせていた、という感じがします。(なさけないことに、ファンはそれで一瞬「おっ」と思ってリフレッシュされるんですよ。うーん、手のひらで転がされる気分です(^^;))でもそれが有効なのは正典読んでる人だけなので、テレビとしてはそれではだめです。こういう「ファンくすぐり」みたいなところは入りすぎると自分の目には興ざめで、あくまで刺身のツマのサービスだと思うんです。はっきりとパロディにする場合は別にして、受け手に予備知識がないと楽しめない(引き合わせの楽しみしかない)部分が多い作品は創作物として格が低いと思っています。

…SHERLOCKのシーズン1がすごかったのは、原作をまったく知らなくても、原作を知っていても、両方が楽しめる作りだったこと。自分は正典ファンだったのでちょっと斜に構えて見始めましたが、完全に脱帽で、それを超えてワクワクして夢中になれました。それが今回は、正典ネタと過去の人気設定の再利用に「頼ってる」感じがしたんですね。あと、詰め込みすぎな感じもしました。終盤はもうバタバタとたたんでいく感じで。なんか劇場でお芝居を見ていて、まだ幕が下がってないのに大道具片付けられ始めたような感じがしました。(笑)

(あ、ただ、個人的なことですが、親友ヴィクター・トレヴァーの使い方はある意味ほっとしました。長年温めている正典パスティーシュとアイデアレベルでかぶることを心配していたので……。利己的でスイマセン。でも長年かけてるのにSHERLOCKとかぶってしまったら、もうお蔵にするしかないですもん!(^^;))

…ちょっと辛いこと書きすぎました。たぶん、もう一度見たらそう気にならないかもしれません。ただ、すぐにもう一回見返したいかというと……うーん、今はむしろ、シーズン1、2あたりの良かった回を見直したい気持ちです。

いつでもまた帰ってこられる形で(これはこうするしかないですね)、メアリーの感動的なナレーションでの幕引きも、ちょっと木に竹を接いだ感(「えっ、そんな話だったん…」)はありましたが、シーズン1第1話のレストレードが言ってた「Good one(いいやつ)」になれたシャーロック。その分キャラとしての魅力はある意味減じたんですが、彼を成長させていくというコンセプトでしたもんね。原作とは違うんだ……。同じ第1話の最後のマイクロフトの台詞も踏襲して、円環がきれいに閉じました。

…なんか違うものになっちゃったけど、こうなったのはたぶん人気が出すぎてやめられなかったためで、よくあること。恨み言を言うには過去に楽しませてもらいすぎた(そしてこれから先に続く別の楽しみも、大袈裟でなく人生の選択肢も広がった)ので感謝のほうが大きい、というのが正直なファンとしての気持ちです。シリーズもののケーススタディ(?)としても勉強になりました。

ほんとにおつかれさまでした。ありがとう!

(なんかフェアウェルしちゃいましたが兄上さま、もしこれから「探偵と医者が子育てしながら事件を解決する30分枠のシットコム」が始まるとしたら、いちおう試しに1話は見ますよ!でもそーいうのはファンフィクの楽しみにとっといてほしいかなっ(笑))

2017/07/21

ジョン・ワトスンのオリジナリティ/SHERLOCK『臥せる探偵』感想

またぎりぎりですが(^^;)、三話を見る前に二話の感想のメモを。一度しか見てないのですが、今回は最初から原語+字幕で見ました。どうも台詞のリズムとかが原語のものが好きらしいです。あとで吹替版で映像重視の再見をしようと思っております。
そんなわけで記憶違いとかあるかもなのと、書き出しただけで整理してないので長いのと(矛盾したところがあったらスミマセン)、また原作含めてネタバレてんこ盛りですのでご了承くださいマセ。

*      *      *

今回はモファ様の脚本。冒頭からもってかれたのは、ジョンの幻視。この回は見ている側もジョンといっしょにメアリーの喪失をゆっくり受け入れていくようにしたい回だと思うんですが、こういう視覚的な方法があったか、と。(シーズン4はこの手の表現がたくさんありますね。視覚的に物語るのが。以前のマクギガン監督も映像は凝ってましたが、ちょっと違う語り口になっています。こういうのも好きです)そして「ああ、この人はこういう人だったよね」と改めて思い出しました。前話の最後で「おかしくなってた」ジョン、キャラをしっかり通させてるなあ、と改めて思いました。自分はシャーロックとジョン、という目線にどうしてもなりますが、メアリーにこんなにも救われていたんだ、と感じさせてくれました。普通でないジョンが、普通の人を演じられるくらい。

そして幻視に対する懺悔。「メアリーが考えるジョン」になりたかったという意味の台詞だったと思うんですが、泣きながら言うそれがとても印象的で……リアルで気持ちがすごくわかるし、自分にとってはこの回で一番の名シーンでした。それに対するメアリーの答えも秀逸でしたが、それ自体が「ジョンが考えるメアリー」の応答であるところが、この現代版のジョン・ワトスンが抱える闇を感じさせるシーンになっていると思いました。泣けるのと同時に、「どこかぞっとする」に近い感覚が起こりました。でも、この闇こそが現代版ジョンの魅力で、ある意味共感も呼ぶところだし、正典にはないオリジナリティだと思います。なによりマーティンの演技の貢献が大ですね。

トビー・ジョーンズはカルヴァートン・スミスだったんですね。そうか、タイトルからして『瀕死の探偵』ベースですもんね……(気づくの遅すぎ(笑))。この人の不気味さがすごく生きていて、ほんとに絵として怖かった。正直病室で具体的に殺人行為に及ぶところより、会議のシーンのほうが怖かったです。同調圧力と場を支配する権威者の力で、別に銃を突きつけられてるわけでもないのに「意に反する」行為を受け入れさせられる恐怖身近な恐怖ではないでしょうか? ブラックバイトも同じ構造だと思うし……日本では過労死問題の根と通じるもの。それがはっきり恐怖として描かれてました。身につまされすぎるシーンでした。

モリアーティやマグヌッセンと比べると深みに欠ける悪役ですが、最終的にシャーロックがジョンを救う――表裏一体でシャーロックの側がジョンを取り戻す、という意味のほうを大きく感じましたが――ためにあえて「地獄に落ちる」状態を作る目的で利用されたわけで、スミスのほうがシャーロックに目をつけて近づいたわけではないんですよね。悪人キャラとしての(シャーロックとのつながりの)浅薄さが、あとから考えると理にかなっていたんだな、と思いました。対象は誰でもいいんですもんね、この人は。俳優さんが大物なのでそれ以上を期待しちゃったんですが、あえて有名俳優の役を早めに殺したりするのと似た引っかけと思うと、シャーロックがあえて利用した、というところをうまく隠蔽していたなあ、と思います。(でも原作ベースで考えるとここはある意味忠実なんですね)

正典でも『瀕死の探偵』ではワトスンを呼び寄せるために死の病にかかってみせるホームズさん――いろいろ腐女子萌えのする台詞やらシチュエーションやら多い話です!(笑)――原作のほうはまた扱いが違いますが、今回本当にドラッグ中毒になってみせた――少なくともそう見えるシャーロック。原作並みに「じつは検査でドラッグ使用陽性と出るトリックを実現してました」、なんてことになったら……「ジョンを救う/取り戻すための命がけの行為」にケチがついてしまいますね。さすがに今回それはないと思いたいですが、「アイリーンが生きていた」ことでも充分「うわーん、過去の感動が台無しに!(涙)」という経験はしてるので(^^;)、いちおう何があってもおかしくないと覚悟をしておこうと思います。…この番組、特にこのシーズンは驚かそう、ひっかけよう、という方向のサービス(?)が細かく盛り込まれている印象がありますが、ものによってはサプライズというより「過去の感動のスポイル」になっちゃうので、やりすぎないでね……)

そして「きょうだい」。字幕が仮名だったのはこのためだったのかー…。あの「きょうだい」役の方、ジョンに色目を使った役とスミスの娘のふりをした役ではまるで違う人に見えました。みごとですねえ。(ほんとに別の人ではないですよね?)変装を明かすシーンで反射的に「女装」を期待していた私はやっぱり腐ってるなあ、と思いました。(期待しますよね?ね?(笑))うん、むしろ女装だったら手を叩いて面白がって済んだかもしれないんですが――もし本当に「きょうだい」だとしたら、ちょっと親族ネタに偏りすぎちゃう感じがして、正直心配になりました。(よけいなお世話)しかしクリフハンガーを毎回丁寧に入れますねえ……。

…親族ネタにいきすぎるのをあまり歓迎できないのは、以前別の作品…007の『スカイフォール』で、メインが「ジェームズ・ボンドの実家の秘密とボンド個人の過去」の話になっちゃってたのが、話がやせてしまってつまらなく感じた経験があったからです。それは「設定」であって「物語」ではないでしょ、という部分があまりにメインになりすぎたというか。敵がそういう部分を利用する、というのはよくありますし、ぜんぜんオッケーなんですが、何かさじ加減が違う感じが拭えませんでした。スパイ映画としての外骨格になるストーリーが内臓で構成されていた、みたいな違和感でした。冷戦構造がなくなったなかでMI6のスパイを主人公に、という縛りがありましたから、そういう工夫で乗り越えたのかな、という風に冷めてしまって。部分部分では楽しめたんですけど。今はまたいろいろと緊張した構造はありますから、また別の角度のスパイものはあり得るかも……でもあまりリアルを取り込むのは別の意味でデリケートな問題ありだし、制作時と公開時では確実に状況が変わってしまうだろうし、そのために架空のスペクターっていうクッションがあるんだし、そもそもボンドだし……ああ、ボンドに深入りすると話がずれてしまうので、ここでやめときますね。(笑)

「東風」は、イギリスでは冷たい、病気を運んでくるような不吉なイメージなんだそうで、日本とは違うんですね。以前(シーズン3のあと)にポンチ絵を描いたので、箸休めにちょっと掘り出します。日本で「東風」と聞くとこれが出てくる方多いんじゃないでしょうか。



…日本での東風のイメージは「春が来たことを告げる暖かい風」、ですよね。(個人的には、さだまさしさんの『飛梅』っていう歌の歌詞とセットの記憶です。「東風(ひがしかぜ)吹けば / 東風(こち)吹かば君は / どこかで思い起こしてくれるだろうか」と現代語訳と並べた歌詞で。思えば面白い使い方でしたね)

*      *      *

…外骨格と内臓の比喩は、シャーロックでも使えるかもしれません。探偵として事件を解決する部分が外骨格で、シャーロック自身、ジョン自身のストーリー(メアリーや親族を含む)が内臓。両方が密接に絡むところが面白さでもあるシリーズですが、主人公に脅威を与える対象(外骨格の悪役)が親族になってしまうと内臓だらけになってしまわないかしらん? でもまた、「前話の最後で匂わせたものは引っ掛け」でまったく別の角度で進むのかもしれないし。

あ、引っ掛けといえば前回の「地獄に落ちろ、シャーロック」!なるほど、きれいに引っ掛かりました!(笑) 訳すの難しそう、とも思いました。同じ言葉("Go to hell, Sherlock.")でも文脈で日本語のニュアンスがかなり変わってしまうんですね。引っ掛けとしては「地獄に落ちろ」くらいのニュアンスにとってほしいし、全体通すと「地獄に落ちて」「地獄に落ちるのよ」みたいなニュアンスだし(あ、でもメアリーは女言葉使わないか)……「落ちろ」がメアリーの普段の言葉遣いと違うので違和感があり、そこがよけいに「作り物では」という感じを醸すには貢献していたんですが、日本語のニュアンスの幅が大きくて、ちょっと不自然にもなってしまいました。掛け言葉とか多いシリーズで翻訳大変そうですよね。あとからほじるほうはただ楽しいだけですけど……。

今回の『伏せる探偵』も、原題を見たら"The Lying Detective"で、Lyingが「嘘をつく」と「横になる」のかけ言葉。まさに臥せりながら嘘をついてたわけですね。一言でそれを掛ける日本語って思いつかな……いや、ちょっと待って。ああそうか、もしかして 事実を「伏せる」?(ほんとに今初めて気が付きました!A-HA体験!)いやいや、最初はピンとこなかったです。工夫されてたんですね……。

……ちょっと考えたんですが、もしシャーロックが(メアリーのメッセージによってではなく)自力で「ジョンはこうでもしないと救いの手を受け入れない」ことを理解して今回のような行動をしたとしたら……かなり身勝手な「ジョン取り戻し作戦」にしか見えなくなってしまいますね。原作のホームズさんとか以前のシャーロックならその線もありそうな気がしますが、メアリーの死を絡めるとちょっと無理。このシーズンのシャーロックは少し違うし。(これが成長なのかしら?)

…なんらかの形で「メアリーの退場とジョンとシャーロックのもと通り感」までこぎつける、という縛りで考えると、あのメアリーのメッセージという仕掛けと(まだ「じつは裏にモリちゃんがらみのアレが」的なのを期待してはいるんですが(笑))この原作を持ってきたというのは、やはりすごい工夫だなあ、と思います。(でも縛りがだんだん多くなってきて大変そう!いや、楽しいか!(笑))

気になっていた「シェリンフォード」という言葉が出てきていないし(このために、あの「きょうだい」は引っ掛けなんじゃ、という感じも残ってしまうんですねよね……パパとママのトーンとも差がありすぎ(^^;))、裏で糸をひいてるのはじつは……的な感じを期待してしまうんですが、この番組に予想は無駄かも。(笑)あの言葉がどんな使われ方になるのかも含めて、『空の霊柩車』のジョン風に「驚かせてくれ」と三話を待つことにいたします!

2017/07/14

「そしてなぜか海賊になる」/SHERLOCK『六つのサッチャー』感想

SHERLOCKシーズン4。「嫁」以来高望みをしなくなって(^^;)個人的にはだいぶ落ち着いたちゃったのですが、やはり楽しみでした。ちょっと「?」なところはあったもののわりと普通に、気楽に楽しく見ました。今回は輸入盤DVDも買いませんでしたし、純粋に放映で初見しているので、第二話が放映されてしまう前に思ったことを書いておきたいと思います。まとまってませんが覚書としていろいろ書き飛ばします~。(あ、ネタバレといえばもろにネタバレなので、未見の方にはもちろんおすすめできません。というか、未見だとわけわからない書き方です。覚書なのでご容赦くださいマセ)

*      *      *

この回はゲイティス兄の脚本でアリマスね。とにかく引っ掛けなのか伏線なのか、てんこ盛りでした。一番気になるのはやはり「動画編集」。冒頭でさんざん動画なんてどーにでも作れると強調しておいて、最後に「地獄に落ちろ、シャーロック」。あのメアリーの映像自体がフェイクと匂わせて……やっぱりまだ引っ張るのかな兄。モリアーティーで。ほんと好きなんだなあ、アンドリュー・スコットのことが……(ごめんなさい(^^;))それと最後にちらっと出てきた名前「シェリンフォード」。なんか聞き覚えが……ホームズさんの名前の候補の1つか兄弟の名前か……だったと思い、気になったのでとりあえず『シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯』を掘り出しました。兄弟なんて出てくるとしたらこれ。たしかに兄弟の名前として出てきました。これはドイルせんせが書いたのではなくぶっちゃけ二次のひとつなんですけど、シャーロッキアン/ホームジアンさんの世界ではしばしば半公式的な扱いもされてる本。ここから兄はとったんですね。強調していた「もう一人の兄弟」、まさかトビー・ジョーンズなのかしら。誰がやるのかしら。いやー、煽る煽る♪(笑)(ただ、この方「煽っておいて回収しない」という魔性のいたずら坊主みたいなところがあるので(もう慣れましたよ兄!(笑))、あんまり鼻息荒くしないようにして見守ろうと思います……(^^;))

以下、頭に浮かんだことをぱらぱらと書きます。


キャストのこと

一番印象に残ったのは――「マイクロフト」。すいません。(笑)ああ、私シーズン1でこの人に惚れたんだっけ、となんか改めて思いました。どのシーンがどうということはないですが、中の人のほうを多く目にするようになった今見ると、この黒く染めた髪とスーツのスタイルはやっぱりまるでご本人とは別人なんですよね。当たり前だけど役者さんだなあと。もう五年経つんですね……なんかそれなりの歴史を感じるのでした。

…50才の誕生日に息子を失ったウェルズバラさん❤『コナン・ドイルの事件簿』で若きドイルをやってた方ですよね。名前は覚えてないんですが、あの番組も好きだったのでドイルつながりが嬉しくもありました。そして奥さん役はマーティンが主演した『The Robinsons』でマーティンの兄嫁をやってた方。すごくうまかったので印象に残ってるのですが(そのわりに名前を憶えていない(^^;))なんか年を取られたなあ……マーティンの変貌ぶりもすごいのでこちらも光陰矢の如し、みたいな感慨があったのでした。亡くなってしまう息子君はよく父親似の子を探してきましたねえ……ちょっと純真にしたジュリアン・アサンジ的な感じ(それアサンジじゃない!(笑))もあってかわいかったので、あんなふうに死んでしまうのはやりきれないですね。素直に心が痛みました。でもこの事件は、この回ではなぜか一番「正典ホームズの感触」に近いものを感じました。

ちらっと部分画像でだけですが、『死を呼ぶ暗号』に出ていたディモック警部も再登場してましたね!うおーかわいい❤ こういう再登場あるんなら、ぜひぜひ元鑑識にも愛の手を……(笑)(サリー・ドノバンはほんとにすっぱり出なくなっちゃいましたねえ……警察側のシャーロックへのツッコミ役だったから、しどころがもう作りづらいかな。アンダーソンもシャーロックファン(笑)になっちゃいましたしね)

「?」なこと

基本的には見ている間騙し通してくれれば、あとから「アレ?よく考えると……」というのが出てきてもオッケーなほうなんですが、今回は見ている間にもう「アレ?」というところがあって。脚本兄なのであんまりツッコミたくないんですけど、まあ他意はなく引っ掛かったところをメモしときますです。

アカコ?:「日本人の恋人」で出てきた名前……私日本人なんですけど、そういう名前は聞いたことないです兄……いや、こういうことは慣れてますけどね……(涙)

USBメモリー:エイジェイがサッチャー像に隠したUSBメモリー、たしか首にかけるチェーンか何かがついたまま入れてましたよね。像から出てきたときはメモリーだけに見えてたんですが……破片に隠れてたのかなあ。これはちょっと確認できません。間違ってたらごめんなさい。

メアリーのケリのつけ方:ここはどうしても……だってシャーロックには見つからずにエイジェイには追わせるって直感的に無理ですよねえ。むしろエイジェイが家族を人質にしてメアリーをおびき寄せられそう。シャーロックを封じておいてエイジェイと相対したいなら、あの嗅がせ薬(?)で動けない間にどこかにシャーロックを閉じ込めるとかして、すばやくケリつけるしかないんじゃないかなあ。単細胞はそう思います。とにかく世界周遊することがどうしてジョンと赤ん坊を守ることになるの???というのがわからなかったです。(あと、シャーロックが先回りしたあの中東(?)の家、あの時メアリーはあそこに何しに行ったのかもわからなかったです。うーん、ごめんなさい兄!(^^;))

ジョンとメアリー/終盤

マーティンとアマンダさんがもうパートナーではない、というのがどうしてもシンクロしてしまって、ジョンとメアリーのシーンはなんか見ていてみんな落ち着かなかったです……肉親キャスト(しつれい、パートナーだからここは肉親ではないですね。親族キャスト?)の弊害だなあ。あれ、結局ジョンの浮気も「切れてないんじゃ」とわざとあいまいにしたし!(^^;)(あの女優さん、顔の系統が以前付き合いかけた病院の人と似てますね。ああいうタイプが好みなのかなあ(笑))でも、今回見せ場のない「ジョン」のキャラとしてはあれがなかったらほんとに「完璧すぎて」つまらないし、あるからこそ男性キャラとしてはリアルに感じます。メアリーが死んだときの異様な様子も、自責の念が混ざっているからこそシャーロックに怒りを向けようとしてるんだろうなあ、とかいろいろ想像させる効果が出てました。あそこは悲しみとか怒りとかいうより「おかしくなってる」感じですよね。まあ妻がああいう風に死んだらそうなるかもですが。

…ただ、あの時も段取りが……誰が見てもおかしいのは、銃が発射された後にメアリーが動いたように編集されてることですよね。これはさすがに加速装置つきのサイボーグ009でないと!(^^;)それとも前後させた編集なんでしょうか?撃ちそうだと察して動いたのをああつないじゃったとか???ジョンがメアリーが撃たれた瞬間には居合わせてないのも、なんかスムーズにつながらないです。銃声は聞こえただろうし、拘束されてるビビアンがいるから状況はわかるとは思うんですけど、なんか全体につなぎ方がぎこちない。「なんか数カットよけいに切ってへんなつなぎ方しちゃった?」という感じ。うーん。(^^;)

ただ、ジョンのあの動物みたいな唸り声(マーティン本人の声のほう)は持ってかれました。メアリーに懺悔をし損ねたあとの流れですから、あんなふうにストレートにありがとうなんて言われて、自責の念とやりきれなさもマックスでしょう。まるで自分が殺したような。だからこそ死に物狂いで「守れなかったシャーロック」に怒りを向けてる感じがしました。でないと自分が保てない。そういうある意味「卑怯な」弱さの裏返し……なんて見るのはたぶん穿ちすぎですが、うまいですねぇマーティンは。でもそういう場合自分が許せないわけだから、繊細なジョンは立ち直るのが難しそう。そこでかつてのセラピストにつなぐ引っ掛けもうまいですよねえ。(シャーロックは何しにいったんだ?ジョンについての取材???まさか本当に相談???)

「もし僕がうぬぼれてたら●●と言ってくれ」という、正典からの引用。これはほんとに、あの水族館のシーンでシャーロックは己惚れているし、エンジンがかかっちゃってますよね。推理が止まらなくなって楽しくて、相手が驚くのも嬉しくて、あの状況で相手を精神的にコテンパンにしたら「窮鼠猫を食む」の状態になってしまうところに頭が回らなくなってしまう。だから己惚れというより子供なんですよね。それでこそシャーロック、という感じがしますけれど。

印象的だった映像

サッチャー像の顔の一部がシャーロックの顔に重なる画面。不気味に笑ってるように見えましたね。こういう表現好きです。

犬のトビーを借りるシーンで、赤ん坊を胸に「ぶら下げてる」ジョンのショット。赤ん坊の体にジョンの顔がくっついてるように見えてすごくかわいくて。これ狙ってるんじゃないのかなあ。(笑)

子供時代のフラッシュバックでシャーロックが海賊の帽子をかぶってるショット。マイクロフトも「海賊」に触れてました。(今回のタイトルはそれいただきました♪)シャーロックの海賊ネタは二次でもすごく使い勝手がよくて(おい(笑))わりと好きなので、生かしてくれてるのが嬉しいです。


あと、映像といえば今回はマインドパレスが出なかった!これが自分にはありがたかったです。フラッシュバックはあるけどマインドパレスの描写どっぷり、とまではいかない。マインドパレスに入ってしまうと「なんでもあり」になりすぎて…ちょっと食傷していたんです。

*      *      *

ゲイティス兄はモファ様と比べると引っ掛けやキャラのやりとり、シーンごとの情緒作りとかがお得意な印象があります。ただ、今回は大きな矛盾がいくつか目についちゃったのが……時間がなかったのかなあ。モファ様はタイプがまた違うので、どんなお話を書いたのか興味が湧きます。でもね、やはり大変だと思います。これ続けるの。自分の脳内の基準がお手柔らかになった(?)のもありますが、覚悟していたよりはずっとましに感じました。(どんな覚悟してたんだ私(笑))ただ、無理して続けなくてもいいよーって感じではあります。シーズン1、2の良かった回のクオリティったらありませんでしたから、それだけでも感謝感謝で。…でもまた夢中にさせてもらえたら、もちろん嬉しいです。

あ、今見直してるんですけど、ジョンが浮気相手(?)の彼女とバス停で再会するシーンで、ちらっとトビー・ジョーンズのポスターが映りましたね!『裏切りのサーカス』その他、ほんとにいろんなところでお目にかかる方。独特の雰囲気があって「映画の人」ってイメ―ジ持ってるので、すごく贅沢に感じます。次回(もう明日!(^^;))出るんですね。シェリンフォードの謎も解けるのかな。楽しみであります。

2017/07/13

ジョナサン・アリスさん最近の収穫

ムーパラのペーパーに書いた、ジョナサン・アリスさん関連のネット落穂拾いです。予告しておいて遅れてスミマセン。(イベント後少しアクセスが増えてるので、ひょっとしてアリスさんのコンテンツ目的の方が覗いてくださってるのでは……と気が気でありませんでした。ほんとにすみません。ちょっと今週立て込んでおりまして(^^;))

基本的に自分が効率的に見返すために集めていますが、だいぶ前から非公開状態でストック始めてたので、見つけたタイミングはあまり「最近」でないものもあります。ブログとしては2~3個ずつだといい分量だと思うんですが、マメにアップできない状況なのでドバッとまとめて失礼します!

まずは"Stan Lee's Lucky Man"出演女優さんのツイート。アリスさんはシーズン2に10エピソード出演、ということなので、ゲストではなくレギュラーのサブキャラですね。出回ってる写真を見ると検死官みたいです。主演は『ホビット』のボフールをやってたジェームズ・ネスビット。スタン・リーの冠番組(笑)ですし、日本でもせめてレンタルDVD出てくれないかなあ……。この緑のユニフォームも、ヒゲなし前髪パラリの「兄ちゃん」ぽい扮装もいい感じです~(笑)


続いてアメリカで行われたSHERLOCKファンイベントでの一コマ。イラストを描いてお題を他の人が当てる、というゲームをしているらしく、アリスさんの前にゲイティス兄が油性(?)のペンで描いてしまった絵をムキになって消そうとするというギャグパフォーマンス。ライブでギター壊してるような迫力です!(笑) アタマをホワイトボードにこすりつけてる動作、なんかたまらんです。脚線美にも見惚れます❤(おかしいよ私)




アリスター・ペトリさんとアンドリュー・スコットさんの映像でも端に移っているので保管します…。やっぱりメガネ姿は良いわぁ~❤



朗読なさってるオーディオブックの音声サンプルもいくつか上がっていたので貼ります。音声自体はオーディオブックのサイトで公開されているサンプルと同じです。ナレーションを担当なさっているオーディオブックは他にもいくつか出ています。まだ買ったことはないんですが…。

ちなみにこれらの動画は音声を目的に貼っていますので、販売用のリンクは確認していません。複数の個人名で同じフォーマットの投稿、版元ではないようなので、購入はこの動画の元ページからではなく、普通のオーディオブックサイト等のほうが安全かと思います。(確認してなくてすみません。自分も素性不明のリンク踏みたくないもので(^^;))








最後に、一番最近見つけたオーディオブック。なんとレーニンの本です。ロシア語が特技のアリスさん、"Death of Stalin"(スターリンの死)という出演映画も待機中ですし、個人的にはアリスさんからのイモヅルのイモヅルでハマった歴史学者E. H. カーがロシアの専門家、ということでいろいろ複合で盛り上がってしまいます♪ なぜか日本のAmazonには紙の本とkindle版しか載ってないのですが、リンク先のAmazon UKの販売ページでは長めのサンプルを聴くことができました♪Audibleはよくわからなくて手を出してないんですが、そのうち攻略してみたいです。

Lenin the Dictator: An Intimate Portrait




2017/07/10

ム―パラ終了

昨日は洋画・海外ドラマオンリー同人誌イベントMovies Paradiseに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

昨日は新刊ができなかったので、じつはちょっとテンション上がりませんでした。それと前日深夜にSHERLOCKのおかげで夜更かししたので、寝不足もありまして眠いのなんの。いや、徹夜して新刊持ってったときはわりと眠気があまり出なかったりもするので、やはりテンションの問題でしょうか。(できると思ってたんですよ~トホホ)

それでもイベントでしかお会いできない方々とお話できたりして、やはり行ってよかったです。ただ、賑わってる会場だとやはり少し聴き取りにくくて、対応に失礼があったらすみません。外耳炎のほうは改善してるのですがまだ少し難があるみたいで。(でも会場が静かだったら逆に寂しいですけどね!(笑))

アレコレ持ち込んだ既刊は薄くまんべんなく、という感じでお連れ帰りいただけました。楽しんでいただけてますように。新しいものはペーパーだけだったので、思えば取っていただけるように机に出しておくべきでした。既刊でスペースが埋まってしまったためですが、フリートークはリピーター様へのご挨拶や近況報告も兼ねてるので、サッとお取りいただけるようにしとけばよかった……ちょっと反省です。

ムーパラ用に刷り足したのはSHERLOCKの英日名台詞深読みレビュー本のシーズン1の分と、アンダーソン萌え本でした。残っているので通販もすぐにお送りできます。母艦サイトのほうで受付させていただいてますので、よかったらどうぞ。

SUSSANRAP(PCサイト)

帰りはいつものように池袋駅前のタカセで食事をして(またグラタンとクリームソーダ。大人のお子様ランチと化しつつあります)パンを買って帰りました♪

ただ、昨日は暑さ対策もあり一年ぶりに引っ張り出したサンダル履きで行きまして、それがアダになりいつの間にか皮がむけていて……足の甲はノープロブレムの履きなれた古サンダルなのですが、よかれと思って履いたサンダル用靴下の裏当ての縫い目が当たっていたらしく、中指の関節の裏側というへんなところが。(泣)で、今日は負傷兵(笑)です。いっさい外に出ずデスクワークにいそしみました。でも強制的に安静にしたので、体力回復にはよかったかもです。

ペーパーに書いたジョナサン・アリスさんのコンテンツも貼りたいのですが、ここに続けて貼るとのちに検索でご覧になる方にいちいちイベントの感想お見せすることになるので記事を改めます。(笑)

SHERLOCKの感想も書きたいのですが、正直リアルタイムはすごく眠かったのです。最近9時、10時に寝る生活なので、10時から放送ってもう深夜すぎて。ぼーっとしてついていけなかったところがあるので、録画を見直してから書きたいと思います。兄に惚れ直したことだけ書いておきます。中の人はもう大好きですが、演じてるキャラクターとしてこのマイクロフトってやっぱり好きだなあ、と。

中の人はこの週末、ハズバンドのイアン・ハラードさんと揃ってロンドンプライドに参加なさってたようですね。目の保養なのでツイートを貼らせていだたきます。(兄も大好きですけど、あの、ヒゲつきのときのハラードさんがかっこよくて悩殺されてます、ハイ(笑))


2017/07/02

近況+ツインピークス+フィリップ・シーモア・ホフマンなど

ムーパラ…

ムーパラが来週に迫り、既刊刷り足し分の製本をしております。でもちょっと新刊が無理そうになってきまして……映画レビュー本を作ろうとブログの記事集めはしたのですが、賃仕事のほうがおかげさまで忙しくなりまして、特集にしたい『メッセージ』――先日2度目&見納めに行ってきたんですが――のまとめを書く時間が充分にとれなそうなんです。書きたいことがいろいろあって、どうせならきちんと自分が納得できるものにしたいので……単にここで書いたものを載せるだけでは、なんか重箱の隅感全開ですしねえ…。まあなりゆきなんですが。

じつは8月のコミティアに申し込みまして、どうやら抽選はないようなので、ムーパラに間に合わないとなるとそちら合わせになります。前回の参加では映画レビュー本はわりと手にとっていただけたので、そのうえ特集が『メッセージ』ならコミティアのほうが合うかもしれない……などと自分をムリヤリ慰めております。BLエリアで新刊がそれってのがちょっとアレなんですが。カットにもしっかり書いてしまったので、最悪でもそちらには持っていくつもりです。

でも困ってるのが表紙で……もちろん表紙はあの映画がらみにしたいんですが、あの映画ってイラストのイメージが湧かないんです。自分のマンガっぽい絵であれをどう表現するんだっていう。(笑)ヘプタポッドでギャグってのもアレだし、萌えでもないし、主人公の似顔でも描くのが関の山……あの映画から感じたことっていつもの「キャラ絵」を描くモードと少し違うので、なんか絵にならないなーと。仕方ないですけどね。こちらもなりゆきであります。

ツインピークスとDVD-R難民

昨日、某わうわうでツイン・ピークス25年ぶりの続編宣伝がらみの無料放送をやってたので、9時間まるごと録画しました。昨夜リアルタイムで続編の第一話だけ鑑賞。独特のワケワカラン感が心地よいです。(笑)そして懐かしいキャストの今の姿……(うわーアンディ!)。わうわうは加入してないので、あとはレンタルが出るのを待ちますです。Twitterでカイル・マクラクランマーク・フロストデヴィッド・リンチをフォローしてるのでときどき宣伝は見てたのですが(最近Twitter自体をあまり覗けなくなってかなり見逃してますが)、昨日作品の間に挟まってた宣伝番組でジョン・カビラさんが「四半世紀」(ひー(^^;))という言い方をなさっていて、なんかそんなに時間が経ったのかとしみじみ。つい数年前のことのようです。

その宣伝番組も、当時の懐かしい人たちが顔を出してて、なんかタイムトリップ感覚を味わいました。カビラさん自身がもう、J-WAVEで毎朝聴いていた頃の記憶がよみがえってしまうキーパーソンなんですが、他にもカールスモーキーさんとか泉麻人さんとか……なんか見た目が変わられて「ええー!」と驚きです。自分があの頃の感覚からたいして変わってないのも改めて確認。時間だけ勝手に過ぎちゃったよ、みたいな。年をとっていくってこういうことなのね……。(笑)

…録画といえば、いつのまにか出回ってるDVD-Rが16倍ばっかりになってしまい、うちのレコーダーでは使えないので焦っています。まとめ買いしたものがゴミに(泣)。繰り返し録画用のDVD-RWはまだ2倍とかで使えるので、テレビで録画した番組で残したいものをそれに移してます。来週からSHERLOCKのシーズン4が始まりますし、容量空けなきゃいけないので……。昨日は先日のスノーデンくん独占インタビューがあったクローズアップ現代とドキュメンタリの『ヒトラーVSチャーチル』を1枚に。あと映画がいろいろ入ってるのでせっせと焼かねばです。一昨日やってた『鷲は舞い降りた』も録ればよかったなあ……と今さら悔やんで原作のほうを掘り出したりしてます。冒頭読んだっきりで今からだと読み直さないとわからないなー…。NHKさん、またやってね❤

フィリップ・シーモア・ホフマン

先日テレ東の午後のロードショーでフィリップ・シーモア・ホフマンを見かけまして(ミッション・インポッシブルかなんかだったみたいです。このシリーズは見てないので出てるの知らなかったー)、この人の映画が見たくてたまらなくなっちゃったので、まずは『カポーティ』の再見、そして『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』というの(こちらは初見)を見ました。なんだかいまだに彼を見るとちょっと辛いのです。死因もショックでしたし、何より早すぎましたよね……。生前もそれなりに好きでしたが、こんなに好きだったのか、と自分のショックの受け具合に驚いています。顔の真ん中だけ見れば最盛期のディカプリオ似のハンサムですしね。(タイタニック当時にこれ言ってディカプリオファンの同僚に大反対されましたが(笑))とはいえ「キャー」って感じのファンではないのですが、それでもずーっと喪が明けない感じです。

『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』は長年疎遠だった父親を老人ホームに入れることになった兄妹の話で、兄がホフマン、妹がローラ・リニー。ホフマンは大学で演劇を教えている(ブレヒトの研究者で実践の方ではない)という設定。インテリっぽいホフマンはすごくツボで、しかもやっぱりうまいんですよねえ……。そういえば先日ふっと、「『ゼロで割る』テッド・チャンさんの短編を映像にするとしたらホフマンに旦那役やってほしかったなー……」とぼんやり思っていたのです。読んだ時はああいう恰幅のいいイメージじゃなかったんですけどね。外見の描写があったか覚えてないのですが。キャラのタイプは違うものの、そういう大学教員イメージの妄想の糧になる役でした。

『カポーティ』は、作家のトルーマン・カポーティとその作品『冷血』のモデルになった殺人犯の死刑囚との矛盾に満ちた交流を描いた秀作。
”何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む”
という素晴らしいコピーがまさにすべてを語ってます。このカポーティ役でホフマンはアカデミー賞獲ってますね。ほとんど忘れていたので改めてどっぷりといきました。カポーティはゲイらしくブルース・グリーンウッド(この方も好き❤)演じる恋人がいるのですが、殺人犯に対する感情は微妙な愛情とも見えるし、あまりに独善的に利用してもいる、それでいてカポーティのその時その時の感情の「本気」度……なんとも矛盾だらけで、それだけにリアルで、その表現が素晴らしいです。ものまねなのか高い声の妙なしゃべり方で、スノッブないやらしさと奇妙な愛おしさが同居している。こんなのはやはりこの俳優さんの独壇場ですね。…まだ未見作品もあるし、再見も含めてときどき見ていきたいなーと思います。

 

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漢方薬とかサプリとか

ここ数カ月胃腸その他の不調が続いているので、コーヒーをミントティーに変えたり、豆乳をやめてアーモンドミルクにしたりイロイロ試しております。(牛乳はだいぶ前から乳糖不耐証で避けてるのですが、ミルクっぽいもの好きなので~(^^;))人生初胃カメラもしてもらいまして、多少のことはあるけれど大ごとはなし、とのことで一応安心しました。でも病院でもらった胃酸を抑える薬とやらが飲んでも変わりなくて、一昨日かなりつらかったので原因が違うのかなーと。で、ふとドラッグストアで見かけたお手軽漢方薬(半夏瀉心湯/ハンゲシャシントウというやつ)を試したらだいぶ楽になりました。ハコに書かれてた症状が合うので試したんですが、どうも神経性胃炎、らしいです。ああ、わかるけどなんかやだ。いかにもでやだ。(^^;)

不眠対策で家族といっしょにグリシン系のサプリメントも試してみることにしました。まあこちらは食品なのでおまじない程度ですが、プラシーボ効果でもいいので効いてほしいっす~。(笑)

2017/06/12

コミケ抽選漏れ+その他の進行状況ご報告

ご報告とよもやま話です。

まずはタイトル通り、残念ながらコミケは抽選漏れでした。でも申し込んだのがJUNE/BLで、イアンシリーズの新刊はたぶん夏では仕上がらないと思うのと、夏は体力的にもきついので(^^;)、正直ちょっと安心した感じもあります。とにかく秋以降に向けて鉢巻締めなおそうと思います。(代わりに他の夏のイベントに申し込むかはまだ思案中です)

…とはいえリキむと自滅するタイプなので(笑)、からめ手から攻めているのですが…先日からとてもいい資料にとりかかってまして、それといい映画も見たのでモチベーション上がってます。いつも思いますが、インプットによる刺激って大切ですね。まったく違うジャンルでも構わないのです。心から「すごい」と思える作品に出会うと、やはりエネルギーをもらえるんですよね。「こんなことしてる場合か!」って思えて、背筋が伸びるというか、少し標準目線が高くなります。

発掘した資料は洋書なのですが、kindleで手軽に入手したもの。翻訳本ではまったく手に入らなかったあたりの情報がざくざく出てきて……うわーそうそう、こういうのが知りたかったんだよー! と、嬉しい悲鳴をあげております(笑)。今回の舞台のモデルにしたい地域が、イギリス国内ながらまったく観光地域でないので、翻訳されてる紙の資料はほぼ皆無だったんです。なので、ウェブであちらの新聞記事や(漁港町なので)漁業業界サイトの記事を読んだり、ストリートビューでそのへんを「歩き回ったり」、YouTubeにあがっている映像を拾ったりしていました。

こういうものを自宅から閲覧できるのは昔は想像もできなかったことで、まさにネット様様なんですが、まだまだ隔靴掻痒感が残ってまして。そこへドンピシャの資料が手に入ったので、かなりイメージを具体化するのに役立ちそうです。自分のなかで盛り上がってきました。作業の進め方もちょっとしたヒントを得たので、態勢立て直していこうと思います。

…映像資料といえば、ちょうど録画で見たばかりのチャーチルとヒトラーのドキュメンタリーがすごく見ものでした。このあたりの歴史はイアンが詳しい「領域」という設定なので、直接使うかは別にしてアンテナを張ってるのですが、その中でもフツーに見てアタリの一本でした。二次大戦の流れをおおざっぱにおさらいできるのはもちろん、最近よくある白黒映像をカラー化した映像で構成されてるので、また新鮮な臨場感がありました。意外な姿も見ることができましたし。(チャーチルの海パン姿とか(笑))

6/13-14の午後五時から再放送があるようなので、リンクを貼っておきます。ご興味のあるかたはぜひどうぞ。とてもおすすめです。

NHK BS1 BS世界のドキュメンタリー 
鷲とライオン ヒトラーVSチャーチル 前編
同 後編

この枠の本放送は深夜なんですが、良質のドキュメンタリーを放映してくれます。なんとなく気になるテーマのときに録画するだけですが、それでもボビー・フィッシャーやハンナ・アーレント、アイヒマン裁判、プーチンとロシア関連などなど、印象的なものが多くあります。みんな一次資料と言える歴史映像や良質な取材で引き込まれます。あとからレンタルDVD店で同じものが並んでるのを見かけたこともあるので、そういうコンテンツなんですね。見ごたえあるわけです。近所のレンタル屋さんはドキュメンタリーの品揃えがすごーく貧弱なので(笑)、テレビで見られるのは本当にありがたいです。

刺激ということで言えば……資料とは違いますが、久々に小説で面白いと思うものに出会いました。ポケミスのブランドステッターという「ホモセクシュアル探偵」が主人公のシリーズ。原書の刊行は70年~なのですが、扇情的な扱いではなく、すごく自然にゲイのキャラクターを描いているところが自分のやりたい方向とも合っていて、アプローチは違うものの「こういうのやっていいんだ」的な安心感も得ました。(小心者(^^;))じつは探偵小説やミステリ系はあまり読まないほうなのですが、今回はイアンものの遠回しな掩護資料から、幸運な偶然でたどり着いた掘り出しものでした。

見つけた経緯や作品と著者についてなど、別ブログに詳しく書いたので、よかったらご覧ください。こちらもおすすめです。というか、「こういうの」が好きな方にはすでに定番だったようです。惜しむらくは邦訳が絶版であること……今の時代なら女性読者がたくさんつくと思えて惜しいので、kindle化リクエストしてきました。よかったらそちらにもご一票を。(ブログからリンクしています)



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今後の直近のイベントは7/9のムーパラで、SHERLOCKのなくなっていた既刊を少し(一部)刷り足して持っていこうと思っています。できればまた映画レビュー本の新刊くらい作れれば……と思いますが、はっきりしたらまたお知らせいたしますね。