2017/04/12

『モーガン プロトタイプ L-9』(2016)

ええと、この記事を仕上げていたらツイッターでSHERLOCKシーズン4の放映予定が飛び込んできたので、とりあえず公式にリンクを。7/8~で、その前にシーズン1からの再放送が5月からあるとのことです。

NHK海外ドラマスタッフブログ: SHERLOCK(シャーロック)4』待望の新シーズン放送決定!

…じつはシーズン3後はちょっと冷めた境地になり、『忌まわしき花嫁』で「もう無理しなくていいよゲイティス兄……(涙)」みたいなモードになってはいるのですが……IMDbによるとアンダーソンは出ないみたいですし……(ってそこか自分。おかしいだろ自分!(笑))…とまあそれはともかく、放映したらやはり見たいので、ネタバレ回避しつつ待とうと思います❤

では、映画の感想記事にいきます。またアリスさんです。はい。(笑)

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なんとなく行ったツタヤで見かけ、IMDbでジョナサン・アリスさんのプロフィールにあった"Morgan"……だと見当をつけて借りて参りました! リドリー・スコットの息子さんが監督したSFもので、お父上のプロデュース。まんま直訳のタイトルで助かりました!(違うタイトルになってたら絶対気づけなかった!)

内容は、遺伝子操作で作られた女の子の姿をした戦闘用新人類(?)が管理者を襲いだし……というアクションサスペンス。なんだかありがちな設定だなあ……なんて思ってたんですが、最後にひとひねりあって、なかなか深いところもありましたです。

若い女性や「女の子」がじつは戦闘能力を強化した「新種」、そして怖い展開に……というところはもう誰もが思うとおりで(笑)手垢がついてる印象なんですが、この作品では「小柄でかわいい女の子」であることが単なるサービスじゃないです。サービスでない証拠に、このキャラは「子供に等しい」ティーンエイジャーのイメージで、衣装も体型がまったく見えない。まあそれを脱いだシーンはありますけど、戦闘美女系映画のスカーレット・ヨハンソンを考えたらないも同然。(笑)あえて言えば、体型のアウトラインでかろうじてサービスするのは主演のケイト・マーラ。でもこの方もかなり小柄だし、衣装の露出度は低いです。

見た目「子供」なら周りは警戒しないでしょうし、はっきりとした戦闘・戦争とは違う「使い道」と需要がありそう。でも、よくありそうな「性的なファクターを前面に出す」という感じじゃなかったので、おなごとしては見やすかったでございます。『ローグワン』にも感じましたけど、そういう時代の流れはあるんでしょうね。

さてさて、話が飛びましたが、このモーガン「本人」の苦悩よりも、周りがどう反応するかに力点がある(ように見える)ところも、これはなかなか、と思いました。それと、まとめのシーンもまあ、ただのまとめというか、ちょっとしたどんでん返しを着地させるためだけのシーンですけど、そこも深いんですね。遺伝子操作でデザイナーベビーを作る延長で変にリアルにも感じられる。「できたもの」の能力うんぬん以前に、それに対して人がどう反応するか、という要素が多少大きめに扱われてるのは、B級SFアクションの枠では悪くないレベルに行ってると思います。

目当てのジョナサン・アリスさんは……なんと1カットの出演でした!(^^;)でもヒゲにメガネ、短い髪を七三に分けて撫でつけた、今まで見たことないルックスで台詞もありました。その台詞の言い方にもちょっと複雑な感情を込めてて(いや、深読みする必要まるで無しなとこですが(笑))、「豪華カメオ」という感じでとらえました。

豪華といえば、このアリスさんの役(1カットながらIMDbではデヴィッド・チャンスという名前あり)、ここで出てくるとあるお偉いさんのブレーンというか部下らしいのですが、そのお偉いさんを演じてるのがなんと"The Game"でMI5での上司「ダディ」をやったブライアン・コックス! そしてアリスさんよりはるかに目立つ役(モーガンの開発チームの一人)で、なんとSHERLOCKでアンダーソンと浮気していたサリー・ドノバン役ヴィネット・ロビンソン! 残念ながら(?)今回は別の方とのカップル役です!(笑)

開発チームのリーダーはトビー・ジョーンズ。もうこの方出るとへんな話でもリアリティが出る気がする。(笑)そしてチームの一人にちょっと懐かしいジェニファー・ジェーソン・リー(いや、私が出演作あんまり見てないだけかもですが)。主演にあたる、モーガンを査定しにきた危機管理コンサルタントが前述のケイト・マーラ。(見た作品は少ないけど、「ジェイミー・ベルくんの奥さん」とインプットしてました……確認したらまだ婚約中だったんですね。とにかく今回好演です!)ほかにモーガンの心理査定をする博士にポール・ジアマッティ。この役はちょっと行動が「プロットのため」すぎて不自然ではあるんですけど、この方もトビー・ジョーンズと同じで安定の「リアリティ製造機」。「役でやってるんだ」というのを一瞬忘れて「そういう人が映ってる」と感じます。名バイプレーヤーってこういうことを言うんでしょうね。

長編初監督でこれだけ脇にベテラン揃えられたのも、パパのリドリー・スコットの力かもです。とはいえ低予算なのは画面からもわかりますし、脚本にもところどころ不自然さがあるのは否めません。が、このジャンルでは敢闘賞だと思います。アクションは迫力もありましたし、投げかけているテーマも深読みすればけっこう深い。個人的に残念なのは、アリスさんが開発チームの一人でなかったこと……ああ、モーガンにやられちゃうところ見たかった……。(ごめんなさい(笑))

でも、(もし可能性があったとしても)開発チームにキャストされなかったのはなんかわかる気がするんです。チームのほとんどの人はモーガンに情を抱く設定なので。なんかアリスさん、そういうニンは弱い気がするんですよね。これまで目にしたものがタイプキャストなせいかもですが、逆に言うとあの官僚的な「いやな奴感」の醸し方はやはり武器だし。いや、別のパターンもいろいろ見たいですけど❤

…話がズレまくって失礼しました!(^^;)