古いとはいえお城のような家――というかお城そのものに住んでるのに(あ、時代設定は現代です!)、遺産は収蔵品の購入に充てられるため(…でしたっけ??? ①②巻が納戸部屋から取り出せない状態なので間違っていたらご容赦を(^^;))、いつもバイトをしているのです。(笑)住み込みの使用人さんとの間でこんな会話があります。
「ダンナ様(お父さん)も亡くなったことだし、バイトじゃなくてどこかに就職しちゃってもいいんじゃ?」
「バイトより稼げる就職先見つからないんだよ。うまいバイト見つける腕上がってるし」
「たしかにへんなバイトガンガン見つけて来ますよね」
…これがお城の使用人さんと城主との会話なのも面白いですが、なんかツボで親近感が湧きます。実際の「先祖代々のお城住み」の場合も、維持費が大変でけっこう金策に苦労している……みたいなお話はよく聞きますから、あながち突飛な設定でもないのかも。(ヘンナモノ博物館は別として。…いや、イギリスだとそんな例もありかねない気がする(笑))。
しかしあんなに楽しそうな(?)バイトばかり見つける能力はうらやましいです。(笑)
今回妙にツボだったのが、
「リンゴルーン リンゴルーン リンゴルーン」
という擬音。ボンヤリ読んでいたので「遠くの教会の鐘の音かな?」とか思ってたんですが、読み直したらフリッツが住んでいるお城に来客があったときの音でした。玄関に呼び出しベル(?)みたいなものがあるんでしょうか。お城だからおっきいんだろうなあ。この擬音がカワイイのにすごくリアルな気がして、実際にこういうオノマトペがあるのかどうか知りませんが、このコマがなぜか大好きです。
坂田先生の英国モノは、さまざまな背景知識がしっくりと作品に馴染んでいて、よくあるタイプの「英国好き向け作品」(?)で匂いがちな「ひけらかし感」(ごめんなさい(^^;))がまったく漂っていないところが好き……というか、これを日本人である先生が成立させているのは驚異的だと思うのです。
そして前にも書いたかもしれませんが、先生ご自身はイギリスに行ったことがない、と以前どこかで読んで驚きました。もしかしたらそれゆえ、なのかもしれません。坂田先生のフィルターを通して、さまざまなものから吸収して身についた「坂田先生の英国」を描いているから、外部から得た情報を列記して武装しているような、ある種のいやらしさ(これまたごめんなさい(^^;))がないのかもしれない。読んでいて気持ちいいんです。つまりは作品の品が良いのですよね。自分には一生かかっても無理かもしれないけれど、こういうアプローチは理想です。
しかしあんなに楽しそうな(?)バイトばかり見つける能力はうらやましいです。(笑)
親父さんに関してはあまり良い思い出がないらしく、死を悲しんでる様子もなく、遺言にも反発していたりするのも深みのあるところです。ゲストキャラクターの身の上に関しても、ときどきふっと深く刺さる設定が出てきたりします。
居候(?)のエドワードくんは生き別れになっていたという双子の弟。最初は拒絶していたフリッツですが、エドワードのキャラクターが坂田先生ならではの素敵キャラで、いつのまにか馴染んでいるのも素敵です。
今回妙にツボだったのが、
「リンゴルーン リンゴルーン リンゴルーン」
という擬音。ボンヤリ読んでいたので「遠くの教会の鐘の音かな?」とか思ってたんですが、読み直したらフリッツが住んでいるお城に来客があったときの音でした。玄関に呼び出しベル(?)みたいなものがあるんでしょうか。お城だからおっきいんだろうなあ。この擬音がカワイイのにすごくリアルな気がして、実際にこういうオノマトペがあるのかどうか知りませんが、このコマがなぜか大好きです。
坂田先生の英国モノは、さまざまな背景知識がしっくりと作品に馴染んでいて、よくあるタイプの「英国好き向け作品」(?)で匂いがちな「ひけらかし感」(ごめんなさい(^^;))がまったく漂っていないところが好き……というか、これを日本人である先生が成立させているのは驚異的だと思うのです。
そして前にも書いたかもしれませんが、先生ご自身はイギリスに行ったことがない、と以前どこかで読んで驚きました。もしかしたらそれゆえ、なのかもしれません。坂田先生のフィルターを通して、さまざまなものから吸収して身についた「坂田先生の英国」を描いているから、外部から得た情報を列記して武装しているような、ある種のいやらしさ(これまたごめんなさい(^^;))がないのかもしれない。読んでいて気持ちいいんです。つまりは作品の品が良いのですよね。自分には一生かかっても無理かもしれないけれど、こういうアプローチは理想です。
ちょっと変わった人に振り回される普通っぽい主人公、という組み合わせは坂田先生の十八番だと思いますが、その「ちょっと変わった」エドワードくんの方向性、これががまた坂田先生ならでは、です。
アマゾンでは同じ英国ものだった『バジル氏の優雅な生活』あたりとの比較で、背景のなさや絵柄の衰えを指摘するレビューもありました。わかります。でも自分はそこは……気にならないと言えば嘘になりますが、(下手ながら漫画も描いてきた身としては)そうは言えないです。アシスタントさんを入れて大量に描いていた頃とは体制も違うと思いますし、年齢もあります。漫画を描くのは本当に体力のいることで、このテイストの漫画を新作で読めること自体が、自分にはとても貴重で嬉しいです。
そしてこの作品、ある意味で、この「余白感のある絵柄」ゆえに成立している感じもするんです。突飛なところ、ファンタジーなところ、ふっと深くなるところ。それらをすべて包み込む余白(絵だけでなく)があるおかげで、独特の余韻が生まれています。
ツビッキーはこの巻で完結だそうで、ファンとしては残念です……!
(じつは、「イギリスのオカルト系のネタ」を毎回扱う、という意味では、拙作のイアンシリーズとかぶるところがあるので、おこがましすぎて滑稽ですが「ネタがかぶったらどうしよう」なんてドキドキした作品でもありました。今回出てきたハイブラジルはいつか使いたいなーと思っていたものの1つでしたが……でもそれを言いだしたら、ネタがかぶる作品はすでにたくさんあるんですよね。取り込むネタが何かではなく、大事なのは料理の仕方。精進あるのみであります☆)
ちょっと寂しく思っていたところ、オビに『一応探偵局』という作品を『JOUR』で隔月連載中、とあるのに気づきました! 雑誌は買わないのでコミックス待ちですが(またまたゴメンナサイ(^^;))、今から拝読するのが楽しみです❤