2022/11/25

過去記事救出/「ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版特別映画祭」鑑賞記(2012/11/30)

 旧サイト塩漬け記事の救出・再掲です。(新しいご命日の記事からリンクを貼ろうとしたら、元記事が「一年分1ページ」で書いていた無茶なページだったので……おそらく検索では絶対に出ないであろうと思われます(^^;))ロビーの写真が撮影OKで、いろいろ撮らせていただいたので合わせて再掲させていただきます。(ご命日の記事は次にアップします)

元記事掲載ページ:腐女子の本懐~としまふじょしのにっき~(2012)

そのままコピペでフォントサイズなど違うので、何卒ご了承くださいませ。


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2012/11/30(金)

(今日はマーティン・フリーマンがホビットジャパンプレミアのために日本到着した記念すべき日でもあります♪)

ジェラール・フィリップ映画祭
一昨日、ジェラール・フィリップの生誕90周年特別映画祭というのに行ってきました。

ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版特別映画祭
(東京は12/7まで、愛知12/1~14、大阪12/8~21だそうです。詳しくは上記サイトをご覧ください。
チラシに「スクリーンで見られる最後の映画祭」とあるのが気になります。最後なんでしょうか…(涙))

生きていたら90歳…いまどき充分ご存命の可能性もあったわけですが、亡くなったのは36歳美男薄命を地で行った方ですね。じつは最初はあまり「美男」という印象は持っていなかったんですが、コメディ系の映画であまりにうまいのですっかりファンになってしまいました。清潔感のある二枚目も、女たらしもコメディも出来る方ですが、舞台ではさらに素晴らしかったそうで、カミュ『カリギュラ』初演時の主演はこの方です。(図書館で見た古~い文庫の『カリギュラ』には初演時のキャストが載っていました。ほしい…この版!(^ ^;))

さて、たしか昨年あたり同様に見に行った『赤と黒』『パルムの僧院』、そして『勝負師』を含めたラインナップなのですが、今回はこの方の映画の中でもかなり好きなコメディ『夜ごとの美女』と、文字通り美しいメフィストフェレス姿が見られる『悪魔の美しさ』を見に行きました。両方ソフトはうちにあるのですが、デジタル・リマスター版でスクリーンで見られる!というので矢も盾もたまらず…。チケットが劇場窓口でしか買えず、前売りで完売した場合は当日券なし(そして初日は完売(^ ^;))、と聞いていたので「運がよければ」…でしたが、レディースデーが多い水曜日なら、(この映画祭のプログラムは割引にはならないので)チケットとれる可能性高いかも、と水曜にして、無事見ることができました。

写真:(2012/11/28撮影)
(劇場ロビーの展示が撮影OKだったので、撮らせていただいたものなどです。
細かい写真が映っているので、サイズ大きめです)

劇場前の告知ポスター。今回は『悪魔の美しさ』のキャッチーなメフィストフェレスがポスターに。
この写真大好きなので大きいサイズで見られて嬉しい♪

等身大パネルが置かれたロビーの奥。こちらもメフィスト♪
狭いけどきれいで品のいい劇場でした。

等身大パネル拡大。ちょっとサリーちゃんのパパちっくに髪を尖らせてます。
赤や緑の光は悪魔のオーブ…じゃなくて照明の映りこみです。(笑)

ロビーの壁にも貴重な写真やポスターの展示が。

パネルのガラスに反射がありますが、どうぞご鑑賞ください。

展示写真のなかでのニュアンスがいいなあ、と思った写真。

 

チケットは当日でもブロマイドつき。こんな素敵な封筒に入れてくれました。
作品ごとに写真が違うそうです。これは『悪魔の美しさ』と『夜ごとの美女』についていたもの。

 

以下は鑑賞した映画のご紹介です。今回見た二作はもともと好きな作品なので、以前書いたことと重複する部分もあると思いますが、ご了承くださいませ。 ( 両方知らないうちに新しいDVD(高い(^ ^;))が今年出ていたので、もしかしてこれがデジタルリマスター版なのかと思ったんですが、検索してみるとそうは書いていません。タイトルからのリンクはいちおうAmazonの最新版ですが、デジタルリマスターかどうかは確認しておりませんので、お含みおきください)

夜ごとの美女 』(1952)
作曲家志望の貧乏な音楽教師クロードが、夢の中で美女に出会い、会いたさに一生懸命眠ろうとするチャーミングな傑作コメディ。夢の中と現実、両方で物語が展開します。とても60年も前の映画とは思えないテンポの良さ、そして面白さ!今劇場で公開しても、適切な広告さえすれば大ヒットするんじゃないかと思えます。まったく色あせていないです。(モノクロですけど(笑))何度か見ているのですが、昨日も声出して笑っちゃいました!(映画館でおおぜいが同じタイミングで笑うのって、やっぱり楽しいですね♪)

ここまで読んでピンときた方もおられると思いますが、(以前同人誌でも書きましたが(^^;))マーティン・フリーマンの『恋愛上手になるために 』と設定がそっくりなのです。あまりに似ているので、一瞬あれを『夜ごとの美女』のリメイクかと思ったくらいです。ただし似ているのは設定だけ。オリジナル(?)ははるかに後味のいいコメディになっていて、結果的にテーマもまったく違います。(フリーマンの映画も別の意味で好きですけれど)

夢は現実の反映になっていて、クロードが夢で出会う美女は現実では手の届かない憧れの女性たちです。家庭教師先の奥様だったり、行きつけのカフェの看板娘だったり…クロードは夢のなかでは「天才オペラ作曲家」になっていて、彼女たちと別の時代の別の立場で出会い、当然うまく恋仲に。が、「いい夢」を見きれないのか、現実の障害が別の形で現れちゃうんです。このへんがクロードに好感をもってしまうところ。現実でズボンが破れると夢のなかで別の立場でもそうだったりするんです。とにかくネタが細かくて笑いっぱなし!(笑)

現実の女性と夢の中の女性両方を、同じ女優さんが演じます。しかも当時の人気女優さんたちで、エレガントな人妻、フェロモン系肉体派、キュートな清純派…と、よりどりみどり状態。このへんの「他愛ない夢」が、たぶん男性にも受けている理由だと思います。(うちの父親もこの映画大好きなんです(笑))

単純なラブコメでもなくて、もう一つ、「昔はよかった」が面白いモチーフになります。現実のカフェで出会ったおじさんが、「今はひどい時代だ。わしが若い頃はよかった」とおきまりのグチを言うのですが、そのおじさんがいちいち夢にも出てきて、「昔はよかった」と言うたびにどんどん時代設定が遡っちゃうのです!(笑)このアイデアが秀逸!どの時代に行っても「オペラ作曲家」の設定を手放さないクロード、そしてどの時代にいってもやっぱり「昔はよかった」。すんごく笑えます!(笑)

そして…クロードは貧乏でからかわれていますが、じつは友達がみんなけっこう「いい奴」ぞろい。彼らの思惑や心配と本人の噛み合わなさも面白いギャグになっています。時代が変わるところ、夢から覚めるところなど、いちいち面白くて、この時代なりの映画のテクニックがとても楽しいです。
時空を飛び越えるクロードの夢は、クライマックスでチャーミングな大混乱シーンになります。これは見もの!そして現実でのストーリーもちゃんと大団円を迎えます。ほんとにいい気持ちで劇場を出られる映画。こういうのは最近ないですね。本当におすすめです。

悪魔の美しさ 』(1950)
ファウスト伝説を元にした映画。年老いて引退した大学教授ファウストの前に悪魔が現れ、若さを取り戻させてやるともちかけます…

ジェラール・フィリップは冒頭で美しいメフィストフェレス役、その後は若返ったファウストを演じます。競演のミシェル・シモンが入れ替わるように年老いたファウスト、ファウストと入れ替わった破廉恥で陽気なメフィストフェレスを演じます。(こちらもすばらしい俳優さん!目を剥いた顔はまじめにコワイ!(笑))
邦題はフランス語タイトル"LA BEAUTE DU DIABLE"の直訳で、若い女性の「その時期だけの」美しさを指す言葉だそうです。実際「若さのすばらしさ」が重要なテーマ。でもフィリップの若いメフィストフェレスがとんでもなく美しいので、掛詞的につけられたタイトルかもしれません。

若さを取り戻したファウストは悪魔メフィストフェレスの力で次々と出世の夢を叶えていきます。じつはコレが罠。ファウストは計略にかかったことを知りますが、果たして結末は…。

メフィストフェレスが「一介の悪魔」であることが面白いですし、錬金術に手を染めたファウストが、ついには「ホコリのなかのエネルギー」(原子力の比喩?)まで利用するのは近代的。いろいろ深いです。そしてこちらも映画のテクニック。もちろんCGなどない時代なのですが、鏡を使って未来を見せるシーンのトリックなど、素朴ですがかえってワクワクするものがあります。

元のファウスト伝説の結末を知らないので、この映画のラストが脚色によるものなのか、元々そうなのか自分にはわかりません。でも皮肉がきいた、それでも明るいラストになっています。メフィストフェレスが魔王(ルシフェル。姿は出さずに耳障りな音響の形で表現されます)に訴える「人間は残酷です」という台詞が効いてます。悪魔は人間を怖がります。

メフィストフェレスの個性は軽みがあって全体に明るめです。そしてやはりフィリップの若さとうまさ、美しさが印象的であります♪

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