2024/09/30

「なぜインターネットはどんどん劣化しているのか」他[リンク記録]+理想のSNSを思う

 「気になるニュース」タグですが、ニュースというより気になるネット記事の記録と感想です。(このタグはその傾向が強くなっていくかも)。文体がシンプルになってるのでご容赦を。

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なぜインターネットはどんどん劣化しているのか、昔の良かった頃に戻す方法はあるのか? - [GIGAZINE]
https://gigazine.net/news/20240922-reclaiming-the-internet/


なぜSNSのアルゴリズムは10代の少年に暴力的なコンテンツを見せるのか[BBC]
https://www.bbc.com/japanese/articles/c75nyvy2955o


影響を受けるのは、もちろん子供だけではない。商業的アルゴリズムの強制力の前には大人だって深刻な影響を受けている。前者の記事にある「時間の経過とともに過剰な商業化が進み、金銭的動機が多くのコンテンツを支配」するようになったことを肌身に感じる。

すごく個人的な視野でのことだけれど、以前からぼんやりと、SNSが「こうならいいのに」と思ってきたことはある。広告の多さなどの問題とは別に、基本的な機能として。

X(Twitter)で言えば、「いいね」やリツイートの数(まだXの用語に慣れない)はされた本人が「見たければ見られる」程度でいい。他者からは見えないようにするべき。それらをした人のアカウントもわからないようにしたほうがいい。そのほうが無意味な「義理」の行動をしなくてすみ、フォロー先も純粋に興味のあるものにできて、誰もが健全にパーソナライズできるはず。コンタクトをとりたい場合はきちんとメッセージを送ればいい(もちろんこの場合はもらったほうにアカウントがわかるようにして)。

もちろんそんなことは、SNSを運営している企業はとっくにわかっているはず。企業として「改善」してきた結果がこれで、優先事項がユーザーの精神衛生ではなく、ある種の収奪——時間や意識を向ける先/集中力、根本的には金銭——というバランスが行き過ぎたためにこんなことになっている。(余談だが、こういう資本主義の暴走は、これまでSFのネタになりにくかったように思う。人間を経済学の仮想世界のように合理性で動くものとみなし、テクノロジーの進化のほうに魅力を感じるのが伝統的なSFだから。でもSFと一般エンタメの境界が薄れてきているし、これからは変わると思う。てかそう期待する)

昔から言われることだけど、この手のテック企業のトップは自社製品を自分の子供には使わせないらしい、というのは説得力のあるお話。だけどここまで問題が見えるようになってきたら、対策をとらざるを得ない方向に私たちが後押しするべきなのだろう。

注意を引くためだけの「いいね」は特にビジネス系アカウントに多いけれど、本当にうんざりする。個人アカウントでも、単にキーワードで「いいね」をして回っている場合はプロフィールページを見るとすぐにわかる。これはnoteなど他のSNS系機能を持つプラットフォームでも同じ。とても印象が悪いのだが、これがSNSの使い方として推奨されていることがよくある。

でもこのシステムは、ネット上のコミュニケーションの質を大いに劣化させたと思う。先日のテッド・チャン氏の言葉を借りれば、相手と自分に対する「期待値を下げた」。(ご紹介記事はこちら:テッド・チャンさん備忘録「営為としてのアート:「AIがアートを作れない理由」を読んで」)これはAIに対して書かれた言葉だけど、劣化したSNSにもあてはまる。

アマゾンのビッグブラザーっぷりは嫌いなのだけど、皮肉にもkindle書籍の著者ページ機能で見つけた「フォロー」は純粋なフォローだ。フォローしていただいてもこちらからは誰なのかわからない。フォローする側に立つときも、自分が特定される心配はない(少なくとも著者からは特定されない)。双方向でないことで、かえって歪んだ使い方を回避できているのは本当に皮肉なこと。

ネットは本当に息苦しい場所になった。そもそも、「パソコン」を使い始めた頃の使い道オフラインがメインで、通信ありきではなかった(少なくとも自分は)。使うのが「楽しかった」ことを覚えている。今はあらゆるサービスやソフトまでが「ひも付き」になって、課金・誘導広告のための監視だらけになり、データが流出してよからぬ目的にまで利用されている。

ヘビーユーザーではないし、昔はよかったなんて言いたくもないけれど、ここ20-30年のスパンで言えば、技術の進歩に反比例してネットでの体験が「劣化」しているのは(自分の限られた経験でも)確か。単純に何かを調べようと検索した時ですらそうだ。ノイズが多すぎる。UX(ユーザーエクスペリエンス)って言葉があったはずだけど、今は相当優先順位が下がっているのかな。

自衛策としては、やはりとりあえずは利用を減らすこと、そして余力があるなら利用するものを吟味して移ること、なのかもしれない。Xは公共の情報・連携基本ツールとして普及してしまっているので始末が悪いのだが、これだって私たち「お客」がいればこその「商品」なのだから。

あるいは、もしネット版「コロナ禍」みたいなことが起こったら、いらない部分を洗い出す過程を社会全体で共有しやすくなるかもしれない。コロナ禍で「仕事の多くがリモートでもでき、無駄な会議はいらない」と判明したように。生身のコミュニケーションの大切さを再認識したように。


2024/09/28

【感想】『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』、『コンタクト』(再見)、『ヴァチカンのエクソシスト』、『最後にして最初の人類』

夏の名残の体調/のーみそ不良(^^;)で生産的なデスクワークができないので、ツタヤ更新のオマケやらアマゾンプライム無料体験やらでいろいろ見まくってます。(金欠期にありがたい環境(笑))感想メモからいくつか。基本的に非公開日記からのコピーなので、文体が違うところはご容赦ください。(入力/変換ミスやわかりにくいところなど修正したつもりですが、不備が残ってましたらこちらもご容赦を)

自分基準でネタバレかなーと思うところはいちおう白文字にしています。不自然な空白になってるところがそうで、選択していただくと色が反転して読めます。


『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

前日にツタヤの更新サービスで借りたウォンカとチョコレート工場のはじまりを午前・午後に分けて鑑賞。面白かったぁ! ティモシー・シャラメはこれまで見た中ではこれが一番いい。他に見たのは『君の名前で僕を呼んで』『デューン』くらいだけど。すごく生き生きしていて役にも合ってる。ウィリー・ウォンカの魅力としては、主役にしてはヘナチョコだということだ。なんらかの被害に遭っても相手に敵意を出して戦うことがない。あたりがやわらかい。敵意で対抗するのではなく、「困る」。きちんと「困る」。それを解決しようとするけど、根本的に対立して相手を滅ぼそうとしない。これは深い。子供向けだから、にはとどまらない発想の違いを感じた。

『メッセージ』の台詞を思い出した。麻雀をアナロジーに使うことで敵・味方や対立という枠組みの会話になることを「問題じゃない?」と言ったルイーズ。その枠組みを「選択できる」という意識が、私たちにはそもそもないかもしれない。別の選択肢をエンタメで自然に見せるのは意義のあること。

ヒュー・グラントがウンパルンパというのも、予備知識がなかったのでビックリ。もともとコメディっぽい雰囲気がしっくりくる人だとは思っていたけれど、『モーリス』から思い返すといろんな意味で感慨無量。役柄シフトしてうまく年をとったなあ。

ところで昔の『チョコレート工場のひみつ』(追記・映画の邦題は確認したら『夢のチョコレート工場』でした☆)では名前の表記がワンカさんじゃなかったかな、と検索。やはりワンカさん。ジーン・ワイルダーのはなんとなく好きだった記憶があるので再見したくなったけど、近所のツタヤにはないしアマゾンプライム無料枠にもないのであきらめる。テレビでやってくれないかな。

(追記・その後図書館で『チョコレート工場の秘密』を借りました♥)


『コンタクト』再見

『ウォンカ』の本編前の他作品紹介にあったドミノという作品に、ウィリアム・フィクトナーが出ていた。懐かしい! 自分にとってはいきなりコンタクトの盲目の天文台職員(?)に飛ぶ(当時の表記「フィッチナー」だった気が)。で、見たくなって自宅のDVDを探し出した。夕方から見始めて、夜十時過ぎに見終えた。今見ても素晴らしいし――かなり単純化されているところはあるけど――メッセージ』がここまで一致していたかと驚いた。

女性主人公の髪型・髪の色・だだっ広い風景と車と彼女、という絵ヅラ。軍、海外との連携、宗教団体の集団自殺などの反応、などなど。根本的なテーマは違うのだが、あまりにも「オマージュ」だったんだな、と感じた。意識されていたのかどうかはわからないし、必然的に似てくるところはあるのかも知れないけど。

で、原作(上巻下巻)も見返したくなって、本棚からあっさり見つけた。ラストが違うとレビューで読んで確認したくなった。もちろん覚えちゃいないので(笑)。原作はπ(パイ)に隠されたメッセージを解読したところで終わってる。つまり、世界にあまねく「創造者」の痕跡は隠されているということか。小説、特に長編という形態はテーマが散漫になるので自分には読みにくいのだが、これは読み直しても良いな。


『ヴァチカンのエクソシスト』

アマゾンプライム無料体験に登録し、気になっていたヴァチカンのエクソシスト鑑賞。…安っぽ。特撮てんこ盛りのアクションホラーになり果てていた。いやはや、久々に見たラッセル・クロウなのに残念。実在人物をモデルにしてるそうだけど、あんな扱いにしてバチカン怒らないんだろうか。それにこちらの問題だけど、スペイン異端審問と聞くとおぼろげにモンティ・パイソンが思い出されてシリアスに見られなくて困った。(^^;) フランコ・ネロが出ていたのはちょっとごちそうだったけど、とにかく安っぽい。まあ実際のエクソシスト関連の本(エクソシスト急募とか)が面白かった記憶があって、題材から期待しすぎたかな。

原題はPope's Exorcistだから、バチカンというより法王直属みたいなニュアンス? 「女王陛下の007」みたいな表現か。実際劇中では他のバチカン管理職たちとは敵対してるなかで法王とだけ同士になってるので、そのほうが合ってる。絶対むごい死に方をすると思ったバチカン管理職の憎まれ役さんは、最後はグアムに行っていた。あれはあれで排除されるのだから同じことか。ホラー映画のこういう役回りの人は、なんでいつも一目でそうとわかる作りになってるんだろう。(笑)そう、オカルト映画ではなくホラー映画として撮られていた。つまんなかったのはそれが理由だ。オカルトは好きだけどホラーは好きじゃないので。(ピーター・カッシングは好きだけど、ホラーが好きなわけじゃない☆)


『最後にして最初の人類』

アマゾンプライムビデオ無料枠で最後にして最初の人類を鑑賞。すごくよかった。朗読と音楽と巨大彫刻の映像だけなので退屈するかと思ったけれど、あらかじめそれがわかっていたので「なんなのこれ」はなかったし。見ながら「音楽が歌詞のないエニグマみたい」とか「『メッセージ』にも似てるな」とか思ってたんだけど、見た後確認したら、音楽と監督をやってるヨハン・ヨハンソンはまさに『メッセージ』の音楽をやってた人なのだった。急逝しているそうだ。それもあって、ケストラーじゃないけど「人類への遺書」的な惹句になってるんだな。でもまさにそんな感じだ。ナレーションのティルダ・スウィントンもとてもいい。

ただ、今の状況で見ると作品としてよりもリアリティを感じてしまう。このままでいくと20億年も持たないよ。この人類は。この作品の人類の最終形態に出てくるテレパシーでつながった集団精神というのは、自分には理想には思えないんだけど、そのアイデアをとらなくとも、「あたかも人類全員でひとつの意思を共有できるかのように」語られるのはSFの常套。たとえば今のように地球温暖化があるとしたら、世界中から科学者が集まって対策が検討されて、それに従ってみんなが生活を変えるだろう。SFなら。

現実にそうなっていないのは、資本主義の悪影響があまりに大きいと思う。そして、個人レベルでは「すべての情報を知っているわけではない」こと。SFはすべてを俯瞰できる存在を設定する。あるいは一般人でもそれにアクセスできることを自然に想定している。後ろ向きなキャラクターでさえ「知った上であきらめている」。意識にすら上らない私たちとは違う。私たちとSFに出てくる一般人との間の「ミッシング・リンク」、けっこう現代の課題のヒントがあると思う。私たち、普通言われるほど進化してない。同じ惑星に餓死している人がいるのを防げないくらいだもの。


【追記】原作に興味が出て図書館で借りてきました。映画で疑問だった「わたしたちはあなたたちを助けられるし、わたしたちもあなたたちの助けが必要なのだ」(これは原作の訳文)に当たる部分がなんなのか——映画ではこれが何をさしているのかわからなかった——を知りたいのだけど、ラストをカンニングしても(すいません💦)ちょっと今のところわからない。やはりきちんと読まねばなのか。うーん、読みたいもの多いし長くて挫折しそうな予感。(^^;)

図書館で借りてきた『最後にして最初の人類』

2024/09/27

米スリーマイル島原発再稼働、MSに電力販売[CNN][リンク記録]

AIのデータセンターに膨大な電力が必要、という記事はときどき見かけていて、それだけでももやもや感があったのだけど、そのためにここまでするのかと衝撃でした。知識が足りなくて、ぼんやりとした違和感というか本末転倒感、としか今は言葉にできないけれど。優先するべき物事の順番がなんか違ってる感じがする。


米スリーマイル島原発が再稼働へ、MSに電力販売[CNN]
2024.09.21 Sat posted at 15:05 JST



2024/09/26

ロシアに「平和の強制」を[CNN](リンク記録)

竹本泉先生の『てきぱきワーキン❤ラブ』で、たしか「平和強制艦隊」ってのが出てきた記憶があって。このセンスが好きだったんですが、こういう文脈で再会するとは……。(漫画のほう確認してないので、言い回しが違ってたらごめんなさい☆)


ロシアに「平和の強制」を、ウクライナ大統領が安保理で訴え[CNN]
2024.09.25 Wed posted at 12:05 JST


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えーと、ブログをリンクのスクラップブックとして気楽に使えないかなーと思いまして……。

日々気になるニュースを新聞から切り抜いたりするのですが、管理能力がなくて結局ゴミになるので、ブログのほうがあとから見つけやすいかなーと……。非公開ブログでやってもいいんですが、どうせなら同じような方面にご興味のある方のお役に立てばと公開ブログでやってみることにしました。(すぐやめるとかすごく波があるとかしそうですが、とりあえず)

Xはあとから見返すのには使えませんし、「内容への関心」がなかば強制的に「承認欲求」や「マウンティングの餌」、「どっかのマーケティング資料」に変換されてしまうのがほとほといやになり、使用を告知程度に制限中(使い始めはここまでひどくはなかったのにね☆)。本気で興味のあることを書くのは、今のところSNS機能のないブログのほうが良さそうです。

ほんとは読んでる新聞のサイトの記事リンクとかとっときたいんですが、登録とか必要で、たまたまここをご覧になった方がリンク先が読めなかったりするのはブログとしてアレなので、同じニュースがあればなるべく公開ソースのリンク優先でいこうと思います☆(^^)