2013/09/27

Kindle Comic Creatorで漫画に目次をつけるメモ・その他

kindle版『宇宙探偵ホォムズ』の作業中です。オマケで『チョロQワトスン』の続編が入る予定です。同人誌再編集でもうかれこれ三週間くらいいじってるのですが、未だにできてません。(まあこればかりやってるわけではありませんが(^^;))
今回はKC2(kindle Comic Creator)というコミック電子書籍作成ソフト(Amazonが提供している)を試していて、そのデフォルト仕様が自分のやりたいことと噛み合わないのが、遅延の主な理由です。最初は画像さえ用意すればポンとできると思っていたのに、どこが合わないのかのリサーチみたいになっいしまい…。わからないところを検索しつつなのでもう少しかかりそうですが、今の問題点と一部解決したことを、自分の脳内整理を兼ねて書き出してみます。

目次のつけ方については、下の方にKC2での目次設定・問題と暫定解決策として書きました。あくまで現時点の自分のメモですので、ご了承下さい。

このKC2、画像を束ねて表紙をつけただけの本ならすぐにできます。不都合なのは自分のやりたいプラスアルファがあるためですので、念のため)

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やりたいこと
1.短編集なのでリンクつきの目次をつけたい
2.全画面表示(なるべく大きな画像表示)にしたい
3.読む時に好きな場所を拡大できるようにしたい
4.巻末に既刊紹介の外部リンク(Amazonストア)をつけたい
(逆に、KC2が売りにしている見開き表示は必要ないです)

・kindle本(mobiファイル)をチェックしている環境
・Paperwhite
・ダウンロードしたkindle previewer
・KDPのサイトのオンラインプレビューア

自分の特殊な事情
・漫画をコマごとに分けて画像ファイルにしている
・ePubで本を作った経験なし
・HTMLファイルはDreamweaverで組んでいる
(以前のマンガはHTMLで作りました。それについては以下の記事に。
kindle漫画本作りメモ1・英語版でやったことの確認
kindle漫画本作りメモ2・日本語版での条件と参照リンク
…つまりコードを直接いじることに慣れてないので、なるべく避けたいのが本音です(^^;))


現時点の問題を整理します。(デメリットを回避する方法はないか、と探している状態です)


KC2(固定レイアウト)

メリット
全画面表示ができる。
・画像ファイルの容量制限が800KB

デメリット
・ダブルタップで拡大するとページを四分割したパネルビューしか選べない
 (絵やフキダシが切れる)
手動で個々にパネルビューを設定しても、横幅いっぱいのコマを拡大すると切れた状態になる
いったんページ全体が表示されたあと、各パネルが順番で表示される
(ページのなかで分けた場合パネル間のヒキ効果はない)
テキストのページが入れられない(文字ごと画像にするしかない)
目次リンクがややこしい(ここは暫定的に解決したのであとに書いてあります)



HTMLもしくはwordなど(リフロー)

メリット
・目次、ウェブなどリンクは自由に張れる
・画像を拡大したとき、普通に画像の中央が拡大され、表示部分の移動倍率の変更が連続的にできる
テキストのページも自由に入れられる


デメリット
・最大サイズでも画像の周囲に1センチ程度の余白が入り、全画面と比べると表示が小さい
htmlの場合、縦書き設定でアップロードしても、なぜかテキストが横書きになる
・(未確認) ワードなら縦書きになるかも?
・画像ファイルの容量制限が127KB

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KC2での目次設定・問題と暫定解決策

KC2に画像ファイルを入れて保存すると、opf、ncxなどのファイルセットができます。
HTMLで作った目次ファイルをKC2の「本の設定→メタデータ→詳細設定」で登録できる、とKC2ユーザーガイドにあります。そしてncxファイルも書き換えると、論理目次(kindleの「移動」)とHTML目次(本の一部として表示)の両方が有効になるはずです。(具体的な書き換え方については、例を公開なさっている方のブログをいくつか参考にしました。文末近くに参照させていただいたおもなブログ様としてリンクを張らせて頂いています)

どうやら、機種やアプリによって論理目次かHTML目次の一方しか使えない、ということらしいので、目次は両方機能するようにしておく必要があります。

DreamweaverでHTML目次を書いてKC2に登録し、ncxファイルを書き換えて、KC2で再びmobiを書き出してみました。すると…

「kindle fire」(オンラインプレビューア)
本文の前にこの目次ページが入り、リンクも有効。しかし文字がものすごく小さいので、HTMLファイルの文字をDreamweaverの「見出し1」に設定して文字サイズを最大にした。これでやっと普通に読めるサイズ。

×「Paperwhite」オンラインプレビューア)
目次ページの文字がえらく大きく表示され、かつリンクは無効
「移動」には「目次」という項目ができるが、このリンク無効のページに飛ぶだけなので意味なし。


×Paperwhite実機
目次ページの文字がえらく大きく表示され、かつリンクは無効
「移動」にはncxで書き換えた目次が出るが、目次から削除した他の全ページも「Page-●●」の形で羅列されてしまう

Paperwhite用の解決策

上記のように、ncxファイルを書き換えたあとKC2でopfファイルを読み込んでmobiにすると、「移動」には目次以外に他の全ページが「Page-●●」の形で出てしまいます変換後のncxを開けてみたら、書き換えた項目と一緒に、削除したはずのページの記述がなぜか復活していましたKC2内で何かやってるようです。

なので、ncx書き換えのあとKC2を通さずにkindle previewerにopfファイルをドロップしてmobiにしたらncxの通りの項目が「移動」に表示されました。(以前セルシスが紹介していたやり方を参照しました)ヒジョーにややこしいです!


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…KDPガイドでは、kindle本に論理目次(「移動」から飛べる目次)と、htmlの目次(本の最初に表示されてそこからリンクで飛べる目次)の両方を作るように奨めています当前だと思います。それが、なぜかマンガは「例外」とされています。なぜでしょう。長編コミックスのようなものを想定しているとしても、特定の話を読み返したいときはありますよね。目次なしではどうしたって、読み心地が「紙より劣っている」ひいては「kindleの文字だけの本よりリーダビリティが劣っている」と感じます。

この「例外」扱いは、マンガ本全体を(kindle本の機能として)相対的に低レベルにしかねないと思います。マンガ本て、個人的な印象では文字だけの本の百倍くらい労力がいります。(文章が簡単なのではなく、マンガが労力かかりすぎるんです)そうやってせっかく作ったものなら、なるべくいい状態で本にしたいし、読む側としても(商業本のkindle版でさえ)荒い画面のもの、読みにくいものがあるのは残念です。なので、こうして粘っているわけです。

…しかしこう見てみると、自分のやりたい形式だとKC2より前回の通りHTMLがいいのかも…。悩むところです。コマ分けして拡大するのは、いちいち拡大しながら読む手間を省くためと、「ヒキ」の演出のためです。でも今回はコマ分けできないページがあるんです。(コミスタの元ファイルが紛失して、書き出したJpegしか残っていない)これに関しては、フキダシ等が隣のコマにかかっている箇所を、分割した時に修正できないんです。(不要のフキダシを消したり線を描き足すのは問題ないですが、空いた部分にトーンを足すのはコミスタの元ファイルでないときれいにできない)

それ以外に、横幅いっぱいのコマは分割してもそれ以上拡大できないので、ヒキ効果を狙う以外でコマ分けする必要はないです。今回こういうページが多いです。となると、これらに関してはページ全体表示なので、なるべく大きな全画面表示にしたい。…これが固定レイアウトにしないとできないんですね。痛しかゆしです。
理想は、

●固定レイアウトでテキストやリンクが自由に入れられるようになる
か、
●リフローで組んだ画像が全画面表示できるようになる
か、どちらかの改善があればいいんですが…いいとこ取りの方法は今の所見つかりません。

kindle端末やタブレットPCでは、ページ丸ごとでも文庫コミック程度の縮小率なので、問題なく読めると思います。ただ、スマホアプリなどもっと小さい画面で読む方には小さいのでは…という心配があります。
その場合は拡大機能がありますが、それもKC2だと勝手にページを四分割。これ、自分もほかの本で読んでみたんですが、すごく読みにくいです。ページのレイアウトと関係なく四分割ごとの画面切り替えしかできず、指でドラッグできないんです。(自分が知らないだけで、なにか手があるのかもしれないですが…)

自分にわかるPaperwhiteでもプレビューアと実機で微妙な違いがあるので、ほかの端末で実際にはどうなのか…心配しだすときりがないですが、KDPの仕様による問題も、本を買った方には出版者側のミスと見えてしまいます。現に前回のマンガ本で最初に頂いたレビューが、容量縛りが原因での低評価でした。(99円にするために3MB以下で作った本が、ページが少ないと不評のレビューをいただいたんです。ごもっともなんですが他にやりようがなかったのですよ…(^^;))レビューはずっと残りますので、最初にこういうレビューをいただいてしまうと、後が難しいです。自分の力不足が原因ならまだしも、作品の中身以外でご不興を買うのはまったく不本意。今回は同様のことはなるべく避けたい、という気持ちがあります。

…胃がイタイのは、こういう苦労が明日にでも無意味になるかも、ということです。KC2がきちんとアップデートされたら解決ですもん。(笑)実際、日本語ストアオープン前に作った本の画像容量の縛りが、その後あっさり倍になりましたしね。(^^;)

でもまあ、環境が整うのを待ってたら何もできませんので、いろいろ不都合をかいくぐりながらやっていこうと思います。


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…検索していると、電子書籍を作る人はePub本作成経験がある=コードでいじるのが当たり前、が一般的なんだなあ…とつくづく思います。コード一つずつ調べなければわからない身なのがつらい。(^^;)せっかくコードをいじらずに本を作れると謳うソフトがあるのに、ここまでせねばならんのか…あるいはやらずにすむ別の方法があるのか?と、リサーチの方向が絞り込めないジレンマもあります。まあこれは愚痴ですね。(笑)
情報を公開してくださってる方々に心から感謝です。拝見しなければ、たぶんこの段階まで進めることさえできなかったです。


参照させていただいたおもなブログ様

マンガ、またはKC2を利用した場合のncxファイルについて

鈴木みそ オフィシャルブログ 「ちんげ教」 様:「アマゾンで漫画を出版1の最近のブログ記事」
KDPのメモ 急急如律令 様: 「kindle漫画の目次について2」

※ファイルそのものの記述を公開してくださってます。ただ自分の場合は、そのままコピーさせて頂いて一部を書き換えたファイル(らんぼう(^^;))では、KC2でmobiに書き出そうとすると、いずれもエラーが出て書き出せませんでした。自分にePubの知識が無いためミスをしたのかもしれません。 ですので、ベースはKC2で出来たncxファイルを使い、書き換える場所を参照させて頂くにとどめました。


その他

ひまつぶし雑記張 様: 「kindleで目次を使えるようにする」
絳アト日記 様: 「ePub 2.0 ことはじめ (5) 目次の作成」

その他たくさんのサイトさんを参照させて頂きました。これからもまだ増えると思います。(^^;)


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その他気になるところ
・KC2の問題ですが、「KF8ブックとしてエクスポート」すると、mobiの拡張子の最後に「)」(閉じカッコ)がつくんです。そこを消すとmobiファイルになるのですが、いちいち「拡張子を変えると使えなくなるかもよ?」と言われつつ(笑)消すのが面倒なうえに、mobiのアイコンが出ないので、一瞬「どこにあるんだ!」と焦ってしまいます。なぜこうなっているのだろう?「mobi)」がKF8の拡張子なんでしょうか???

試行錯誤はまだ続きます…。