プロット変更
…さて、午前はパスティーシュ『勝利者の庭』の続きをやりに喫茶店へ。ちょっとうまくいかないところがあって、どうしよう…と、ポメラで問題点から思いつきまでランダムに書き出し。…してたら新しいプロットができてしまいました。…というか、これまでバイパスだらけでそれぞれの血管を通ってる量がしょぼしょぼだったのが、メインを入れ替えて不要なバイパスを切り取ったら、メインの流れが力強くなった感じ。ここ数日、時間がとれても書かずに資料の読み直しに当てたのがよかったかもしれません。ちょっとした会話シーンを二つほど書いてみて、ヴィクターのキャラも落ち着いてきました。最初考えていたのとちょっと変わってきました。(でもまだ変わりそう)
どうも、あらかじめ「こういう人」ときっちり設定してガーッと書いていく…ということができなくて困りものです。(^^;) …あくまで自分の場合ですが、シーンの場所とシチュエーションだけ決めて、頭の中でエチュードをやってもらって、出てきたものを見て「ああ、こういう人だったのか…」と書きながら認識していく感じ…このモードに入れると、わりといい感じに書ける気がします。(二次でもオリジナルでもわりと変わらないです)
逆にきっちり組んだプロットの通りに書こうとすると、「お芝居」にならなくて、ストーリーを説明する感じになりがち……これだとムリヤリひり出す感じで書いててもつまらないし、出来上がったものもあとで結局書き変えることが多いです。細部のエチュードから大筋も変わっちゃうので、変わるたびに以前書いていた部分を修正して進んだり戻ったり……。短いものだといいけれど、長いとあっちゃこっちゃのツジツマ合わせがたいへん。前の『追憶のシャーロック・ホームズ』のときも、この作業が半年くらいあったんです。もともとボヤッとした人間ですから一度や二度では気づけないことも多くて、とにかく寝かせては読み直し、書き足しては読み直しで整えていくしかなくて。(^^;)なかなか苦しかったけれど、この工程は時間を忘れて没頭できると楽しいんですよね。逆に「いつ出来上がるんだろう」とか、なまじ客観的になるとすごく苦しくなって、集中できなくなってしまう。なるべくそのへんは考えないようにしようと思います。(笑)
ヴィクター・トレヴァーとインドの茶園
…今回出てくるヴィクターはインドで茶園をやってるので、そこのあたりの当時の資料を読んできたわけですが…ある意味大英帝国の恥部に踏み込むので、資料少ないんです。ボーア戦争も少ないですね。そういうものなんでしょう。誇れる部分でないと残りにくい。それでも粘ってるうちに、ガンジーより前のインド独立運動系の資料も増えてきてすごくありがたいです。(時代背景としてこれが出てくるので)普通「英国」「紅茶」で出てくるのは上品でお綺麗な世界なわけですが、当時どうやってそれが作られていたかはまったく別物。「茶園」はいわゆる悪名高いプランテーションです。現地で経営する人もラクではないですが、労働者ははっきり言えば奴隷並みだったようです。このへんの歴史はもちろん黒白で語れるものではないし、それがテーマの話でもないので、あくまで「ヴィクター・トレヴァーという人はどんな人生を送ってきたんだろう」……という切り口にとどめるように意識しています。(そのうえJUNEしばりもありますし。いちおう(^^;))でもこうなるとホームズさんより自分のなかで重みが出てきて、ちょっと困ってます。主役が彼になってしまう!
ホームズさんは(自分にとっては)、現実のリアリティーの地面から50cmくらい浮いたところにいる人なので、あまりこういうリアリティー(というか、現代的な観念や視点)を持ち込むとバランスが崩れる気がするんです。時代ものだから当然ですが、とくにホームズさんは独特のものがあって……。もちろんそういうアプローチのパスティーシュも、長い歴史のなかでは出てきたかもしれないですが…少なくとも自分にとっての「ホームズもの」になりにくい。このあたりのバランスが、挑戦しがいのあるところであります。(うまくできるといいんですが!)
(うーんと、こういうあーでもない、こーでもないということを書いてるのは、「うまくできたからこの調子で続けよう」と欲をかくと絶対ダメなんです。(笑) で、時間をおいて一度俯瞰してみようと……あまり記事としては面白くないと思いますが、まあ日記ということで(^^;))