2013/02/02

「ブロマンス」全国区へ?(笑)/『テッド』


我慢できずに見てきましたテッド
男の子とクマのぬいぐるみの友情物語。主人公は友達のいない男の子ジョンと、彼がクリスマスにもらった大きなクマのぬいぐるみテッド。ぬいぐるみが動いてしゃべってくれたらなあ…という願いがあっさり叶い、テッドは生きた友達に。しかし27年後、男の子はダメな大人に、ぬいぐるみは下品な中年クマになっていましたとさ…。というコメディです。(ただしシモネタ全開のためR15(^ ^;))



事前に「まさか泣けるとわ」みたいな感想をチラチラ拝見していたので、ラストで泣けるのかなーと思っていたら…わりと最初のほうで泣けてしまいましたですよ。冒頭の、男の子とクマのやりとりがけっこうストレートに、ディズニー映画かよって感じで泣けて。(^^;)途中もけっこう涙腺ポイント多くて。そして事前に記事で言及されていたブロマンス要素…この言葉は男性同士の、同性愛ではない萌える絆(笑)を指すもので、自分自身知ってからそんなに月日がたっていないのですが…(Wikipediaの解説はこちら。→ 「ブロマンス」)いやー、マジでブロマンスですわこれ!…とか思ったらパンフにもそう書かれていました…。(あんまりパンフ買わないほうなんですが、買ってしまいました。(^ ^;)しかし書きたいことがほとんどすでに書かれていてなんかくやしい…!(笑))

…それもけっこうベタベタしたほうの(?)ブロマンス。ふと自分がイメージする「ブロマンス」なフィクションて、もう少しドライな関係でそこを深読みする楽しみ♪みたいなのが多いんですが…たいていは大人のバディものなので、この子たち(子供時代)みたいに「僕たち一生親友だよネ」なんてカワイイこたー言わないですし。(笑)でもこれは見た目がクマである分、ストレートに出しても平気ですね。人間でこれやったらあまりに…いや、やってるのもあるけどさ!(世の中の流れですよもう!(笑))
「友情」の範疇であるブロマンス要素に加えて、「子供時代の絆」というノスタルジー要素(出てくる70~80年代ネタの数々!)をかなり前面に押し出していて、これがまたステキにヒキョーです!(最近この手のオマージュネタ満載映画って多い気がしますネ(笑))

とはいえ監督のインタビューによると、当初のアイデアでは友情のファクターはなく、「見た目はばかばかしくて行動は普通なキャラ」、というおかしさが主眼だったそう。逆にいうと、だからこそ「ブロマンスとして」も、うまく仕上がったのかも。なんというか、最初からそれがメインのテーマでなかったところが。
(腐女子目線から見ると、「いかにも狙ってる」感じがすると興ざめなことが多々あるので…いや、「あざとい!」と言いつつはまっちゃうものもたくさんあるわけですが、うまく仕上がるかどうかはけっこう「さじ加減」が大事な気がします…)

この手の設定(普通は相棒はクマではない)で当然ながら出てくる、「彼と私のどっちを選ぶの」なシチュエーションをど真ん中に持ってきてます。もう、そこがテーマですね。(しかしこの彼女さんが天使のような人で…なんでこんな美人で性格良くて高収入の人がこんな人とくっついてるんだ…というあたりはまあ、言うだけ野暮ですね。男性向けファンタシーということで(笑))

トリビアネタは買ったパンフにほとんど書かれているし、もう書くことないんですが…。一つ、日本の評論家さんのブロマンスに関する寄稿に「オンナにはわっかんねーだろーなー」的な流し目があって違和感ありまくりだったことは書いておきたいと思います!…だって「ブロマンス」は腐女子の領域だとばっかり!思ってましたですよ!(笑)私の見た回ほとんど女性だけでしたしね。(レディースデーだったのもあるけど!(笑))そしてここで言われてる「男子」みたいな「女子」はたっくさんいます!(デートで恋愛映画を見に行くより友達とコスプレしてスターウォーズを見るほうがいい…ってその感覚は性別関係ない!絶対!(笑))

女性に嫌われる部分があるとしたら、ブロマンスの部分じゃなくてシモネタ・不謹慎ネタのほうじゃないかな。(下品なわりに「画面にもろに出さない」ボーダーにはかなり神経使われてましたが)シモネタに限らずいろんなタイプの不謹慎ネタが入ってるので、どのネタに眉をひそめるかは、性別でなく個人の嗜好の問題じゃないかなー、と思います。下品なものを笑えるほうがいいとはまったく思わないです。環境から身についた文化圏(?)の問題が大きいと思いますし…線引きが難しい。(今回はほとんどのネタは笑って見ましたが、人種ネタとかは一瞬引きました。今の自分にとって「シャレにならない」のはそのあたりなのかもです)

…真面目な話はともかく。寄稿のなかで名前が上がってた「ブロマンス映画」に『ショーン・オブ・ザ・デッド』がありました!サイモン・ペッグニック・フロストはもう、リアルブロマンスですから(笑)腐属性にはたまらんですよね♪(作品的にも『宇宙人ポール』でさらに進化していた…(笑))
…ふと思い出しましたが、この『ショーン・オブ・ザ・デッド』…『ホビット』のパンフでマーティン・フリーマンの「出演作」と書いてあったのは問題あるんじゃ…(カメオもいいとこですので。まばたきしてたら見逃します!(笑))

マーク・ウォルバーグといえば『ブギーナイツ』を思い出すんですが…というか、この方これくらいしか記憶がなくて、脳内イメージがおおらかなシモネタとセットになってる人なんですが(ごめんなさい。プロフィール見たらけっこう他のも見てるのにな(^ ^;))…ほんと今回よかったです。主張しすぎないところが。でもなによりクマが。かわいいしちっこさがたまらんです♪あと、ナレーションでパトリック・スチュワートの声が聴けたのも嬉しかったです♪(事前に教えていただいたので、知っていなければ意識しなかったかも)ほかのカメオも豪華でした。そのへんは見てのお楽しみなので自粛します~。

…後半にテッドの危機があるんですが、ここはちょっと、素直にこわかったです。もっと「面白く」撮ってもよかったのでは…と思います。ここでちょっと失速しちゃう感じがあるので…。ちょっとコワイ役を演じているのがジョバンニ・リビシ。ミョーにリアルで笑えないんですよ、この方。うますぎるんです。痛さが。(すごく繊細な演技をなさる方で、個人的にはケイト・ブランシェットと共演した二本、『ギフト』と『ヘヴン』をオススメします♪)
…たとえばジャック・ブラックみたいな、ぶっ飛んだテンションの人がこの役をやってたら、もっと気楽に見られたシークエンスかも、と思うんですが。ここにリアルなトーンが入り込むせいで、「ジョンが年とって死んだ後もテッドは『生きてる』のかしら…」とか余計な「リアル」が頭をよぎってしまいました。うーん。(^ ^;)

…まあとにかく、これは「ブロマンス」という言葉自体が一般に普及するきっかけになるかも…?(笑)という、笑って泣けて楽しめる映画でした。へんな言い方ですが、クマの全開な毒舌とシモネタが、逆に「あまりにベタな友情物語」の毒消しになってて、逆説的に「大人が安心して(?)見られる」映画になってる気もします。(この「大人」は偏った意味のほうで(笑))

大満足ではあったのですが…こんだけブロマンスブロマンス連発しておいてアレですが…これ…ブロマンスか?なんてどこかで思うわけです。はて。なにか違和感が。
アレコレ考えてやっと納得。クマとマーク・ウォルバーグのやおいネタが浮かばないんですよ…。(そこか基準は!(^^;))

…そして、これは公開前から「シャーロックとジョン見立て」の色眼鏡があったので、早くもクロスオーバーネタがあふれております…。見た目はジョンがテッドでずっとそういうイメージだったんですが、見てみると役割配分はジョンはジョン(!)で、シャーロックがテッドなんですよねー…。(笑)

帰りに『フラッシュ・ゴードン』を借りようと思ったら(劇中に出てきます。見たくなります絶対!(笑))、近所のTSUTAYAになかったです…(涙)。テレビでしか見たことないんですが、B級のヒーローもので、映画でも何度も出てきたあの歌は強烈に覚えております!パロディで『フレッシュ・ゴードン』というポルノも作られたと聞いた覚えが…これはパンフにも書かれていましたから、かなり有名なんでしょうね。(笑)しかもパンフによると、日本ではSFブームのどさくさに紛れて一般映画として公開されてしまったとか。…いや、そちらは別に見たいとも思わんですが!(^^;)

Twitterの『テッド』公式アカウントもおもしろいので、ついでにリンクを貼っておきますね。(たびたび笑わせてもらってるので、映画終わっても続けてくれないかな…(笑))

『Ted』公式ツイッター