kindleでちまちま読んでいた『翻訳の基本』を読了。カタいタイトルですが、内容は誤訳と英語トリビアがネタの短いコラムを集めたもので、とても気楽に楽しく読めました♪…同じ著者の『英和翻訳基本辞典』(こちらも購入しました♪)の評判をツイッターで拝見した時イモヅル式に見つけて、kindle版が出ていたので即買いしたものです。500円以上のkindle本を買ったのは初めてでしたが、後悔なしです。紙の本の半額以下ですし、この本の特性として、全文検索ができるkindle版の利用価値は高いです♪
…さて、この本のなかで、いろいろな誤訳・紛らわしい訳について書かれているのですが…そのなかの一つが「a labour of love」。直訳すると「愛の労働」。…私、このコラムで冗談にされているのと似た方向に解釈してまして、てっきり「人類最古の商売」のことだと思っていたんです!(笑)正解は「好きでする仕事」「自分自身の楽しみや人を喜ばせるためにする仕事で、金銭その他の利益を求めないもの」だそうです。愛ゆえに見返りを求めずにする仕事、みたいなニュアンスでしょうか。聖書にある言葉だそうです。
この言葉が、つい最近読んだマーク・ゲイティスのインタビュー記事で使われていました。ご本人のコメント部分は短いですが、原文はこちら。
Doctor Who Writer Mark Gatiss Has Been Waiting Over TEN Years For 'An Adventure In Space And Time'
ゲイティス氏は『ドクター・フー』の熱烈なファンとして知られているのですが、そのドクター・フーの脚本も書き、自身俳優として出演もしていますね。今年はドクター・フー五十周年で、そのお祝いの一環として第一シリーズ制作時のドキュメンタリー・ドラマの制作が進行中で、その脚本を担当したのがマーク・ゲイティス氏。それについての記事です。
…この企画はじつは四十周年記念でやりたかったことで、実現に12年もかかってしまった…との言葉のあとに、こう続けています。
"It's a real labour of love for me and I'm just really thrilled that everything's come together for the 50th...It just seems exactly the right time, and a wonderful cast and it's a very lovely story."
「これは僕にとって真のlabour of loveで、これがやっと実現するのが五十周年であることにすごく興奮してるんだ…まさに完璧なタイミング。素晴らしいキャストだし、とても魅力的なストーリーだよ」
…この「愛の労働」では、もちろんゲイティス氏は報酬を受け取っているわけでしょうが(笑)…文面から、依頼を受けての仕事じゃなくて、自分で企画を売り込んだように読めますよね。「損得抜きでとにかく実現させたくてたまらなかった」という感じが伝わってきます。
…シャーロックといいポワロといい、オリジナルのClooked Houseやリーグ・オブ・ジェントルメンといい…この方のお仕事はすべからく「labour of love」の要素が感じられてうらやましい(笑)。でも今回はまた格別の思いでおられるようです。番組をリアルタイムで見られないのが残念ですが、すぐにYoutubeなどでは見られると思いますし、ゆくゆくはきちんと字幕のついたソフトのリリースや吹き替え版放映などもされてほしいですね…日本でもドクター・フーは放映されているので、可能性はあると思います♪
上記の言葉を含めた、パーティーでのインタビュー映像がこちら。逆光ですが心底嬉しそうなご様子です。原作のホームズさんのいう「仕事が報酬」って状態に近いのかもしれませんね…(笑)
すでに英語のWikipediaにもこのドラマのページができていました。まだ撮影始まったばかりなのに!注目の度合いが伺われます…!
wikipedia: An Adventure in Space and Time