2024/10/09

昨夜のプライムニュース [リンク記録]

佐藤優さんが出ていたので昨夜はプライムニュースを視聴。石破新首相を「キリスト教徒」(知りませんでした!)という観点から読み解く。門外漢にはmind-blowingな「へえ~☆」ばかりでめちゃくちゃ面白かったので、公式ハイライト動画前編・続編を貼っておきます。 





BS夜のニュースショーはいろいろありますね。テーマやゲストによってあちこちつまみ食い(?)しています。(毎日見るわけではないです☆)話がマニアックになったりして、世間知らずには地上波より面白いものが多いです。(^^)

2024/10/07

「非公認」とヒュー・グラント [リンク記録]

 

石破首相 不記載で「党員資格停止」の議員など非公認の方針 [NHK]

特定の政党に思い入れがない立場ですが、「ちょっとだけマシ」な動きで「おっ」と思いました。でも普通の会社だったら、と考えると「やって当然のレベル」に「近づいた」だけ。これを厳しいとか言ってる時点でおかしいし、曖昧な部分も残っている。「こう言っていたのに結局こうかよ~(やっぱりなー)」という顛末になりそうな気もするので、いちおうリンクを保存しておく。

選挙とか政党とか別にしても、「身内」や「縁故」(身内の罪をかばったり隠蔽したり含めて)が強すぎる社会なので変わってほしい。そこは自分たちの問題でもある。変化のための、連続する小さな一歩の象徴として機能してくれればと思う。個人的には、政権は固定するよりも「いつでも変わり得る」緊張感があったほうが膿が出るのでは、と感じているので、この政党が選挙に勝つことは別に望んでいない。単純に続きすぎて必然的な腐敗が見えるので、断捨離して「明らかにゴミ(しかも有害な)」くらいは捨てないと。内部だけでなく、それを見る私たちにも諦めという腐敗が進んでしまってる。(公約を見て投票先を選んでるいわゆる「浮動票」層だけど、正直ここには入れたことがないです)

ただ、選挙に負ければ「この党にしてはちょっとマシっぽい」総裁はすげ替えられるのだろうから、それは残念な気もする。どこの政党がどう、というよりシステムの問題かもなーとぼんやり思う。最近図書館で借りた本(『実験の民主主義-トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ (中公新書)』)にもあった(と思う。言い回しが違ってたらスミマセン)「イシューごとに投票」、以前からできたらいいのに~と小学生みたいな感覚で思い続けています。やはり難しいのかなぁ。


New Bridget Jones film very sad, says Hugh Grant [BBC]
(ブラウザ自動翻訳「ヒュー・グラント、「ブリジット・ジョーンズの新作映画は悲しい」と語る」)

「ブリジット・ジョーンズ」は、じつは主人公の価値観に共感できなくて、たぶん一作目しか見ていないと思います。(人気作なのにごめんなさい。結婚願望持ったことがない少数派人間なので(^^;))…けど、ヒュー・グラントは最近ウンパルンパ役で見たばかりなので目を引いて大意を流し読み。最近の「ブラウザが勝手に自動翻訳」、こういう時はありがたいです(笑)。 現在の写真を見て、時が流れたのをしみじみ感じます…。

2024/10/04

【感想】『星のない国』『ジェラール・フィリップ 最後の冬』

 引き続き、アマゾンプライム無料体験で見たものの感想メモから。今回はジェラール・フィリップの未見作品2本。その後調べたことも追記しました。


*     *     *


『星のない国』

ジェラール・フィリップ主演。タイトルは記憶になかったが、1946年作品で初主演作らしい。デジャヴに導かれて100年前の悲劇を再体験(?)する青年と二人の男女のお話。幻想的といえばそうなんだけど、映画としてはイマイチ平板。でもジェラールの美しさが圧巻夢想家の青年、とてもよく似合っている。冒頭は大好きな『すべての道はローマへ』や『夜ごとの美女』等と似た路線のポーッとした感じのキャラクターだ。(だんだんシリアスになるけれど)

見終わってしばらくしてから、物語の不完全な感じがかえって深読みを誘って後ろ髪を引かれた。報われない三角関係と生まれ変わりの物語とも見えるけれど、実は「前世」に強く導かれているのはジェラール演じる夢想的な青年だけだ。現実を踏み外しやすい人物だからこそデジャヴを感じ、彼の無意識の行動が周りを巻き込んで状況を再現していったようにも見える。水面にできた渦のように。そう思うと意外に筋が通っているし、ある意味リアルでもある。(昔ハマッたニューサイエンス系を読み直してるところなので、マイブームに合っているのかも)「下敷きになった民話とか伝説とかあるのかな」と思え、調べてみたくなった。


【追記】原作と原作者について

上記の興味が続き、IMDbの「小説が原作」という情報から検索しまくってみました。脚本にも名前があるピエール・ヴェリーの小説が原作で、自ら脚色したようです。タイトルは映画と同じ"Le pays sans étoiles"。(英訳タイトルは"In What Strange Land")なんと原作はSFとして紹介されていました!

Véry, Pierre [The Encyclopedia of Science Fiction]

In What Strange Land ...? [The Internet Speculative Fiction Database]

村の中心に「知覚が歪む荒れ地」があり、そこと謎めいたつながりを持つ女性が「実は異次元から来たのかもしれない」という謎を巡る物語で、主人公は「タイムスリップしたビジョン」を見るそう。映画はSF感はなく、タイムスリップというより生まれ変わりめいた扱いでしたが、フォークロアっぽい不思議感(たぶん出てくる「100年前」の風物のせい)に惹かれたので、その不思議感が原作の残り香なのかもしれません。

ピエール・ヴェリーは邦訳書もいくつかあるようで、日本では主にミステリー作家として認知されているようです。

ピエール・ヴェリー(Pierre Véry)〔別名 トゥーサン=ジュジュ〕[aga-search.com]

でも、この映画の原作は邦訳がありませんでした。フランス語は読めないので、なんとかトライできそうな英訳版を探してみたのですが、英訳でさえ出版が1949年(原作は1945年)。期待したkindle版はなく、紙版も過去のオークションページしか引っかかりませんでした。残念!こうなると余計に読みたい!(笑)

でも、ヴェリーの作品は最近邦訳されたもの(『サインはヒバリ: パリの少年探偵団』)や、偶然にも来週発売予定の作品(『アヴリルの相続人: パリの少年探偵団2』)も見つけたので、今後に期待します。『星のない国』もぜひぜひ邦訳してくださぁい!!!

余談ですが、最近ブラウザが自動で翻訳してしまうので、映画のタイトルが変になって困ってます。IMDbの『星のない国』はなんとタイトルが『お金を払わない』。("pay"と入ってるからなのか……💦)すべてムリヤリ英語として解釈するらしく…タイトルの羅列を見るともはや大喜利(^^;)です。



『ジェラール・フィリップ 最後の冬』

早世したジェラール・フィリップが亡くなるまでの数か月と生涯をまとめたドキュメンタリー。本でしか知らなかったことが写真・動画・音声で見られて貴重。特に舞台のものを見聞きすると「実在の役者さんだったんだなあ」という感じがする。家族やレジスタンスの話など、自分にとって新情報もあった。

残念だったのは、亡くなるまでの経過と生涯の振り返りがまぜこぜで進行するので、いつの話をしているのかときどき混乱してしまったこと。そして亡くなるあたりのナレーションと映像編集が唐突で違和感があったこと。まるで仕事に疲れ切って絶望したために死んだかのようなイメージになっているのだが、そこまでは病床でも将来やりたい仕事のために本を読み、企画を立てていたという流れだった。

痛ましさはそれが断ち切られたことにあるので、わざわざ「働き過ぎで疲れ切った苦悩」を演出するのは違和感があった。(疲労感は病気が肝臓だったためでは? 自分もがんではないけど肝臓の病気は経験がある。ほんとに疲労感がしんどかった)
でもそれを補って余りある貴重な一本だった。

自分がフランス映画に詳しくないのもあって、ジェラール・フィリップは他の映画人とのつながりにあまり実感がない。映画史的な時代感も頭の中で孤立していたのだけど、聞き覚えのある映画人のエピソードなど出てきて少し変わった。記憶にあったあるエピソード——来日時に、フランスの文化優遇状況と比べて日本の状況をこぼした俳優に対し、「あなたたちが悪い」と言ったという——も、今回人生を見たら大いに納得できた。

早世も死因も情報としては知っていたけれど、奥様が撮った病床の写真など見てしまうと生々しく、悲しくなった。そして病床でも美しいことに驚いた。動物でも植物でも、病気になると見た目が傷んでいくものなのに。(もちろん何を公開し、何を公開しないかは判断されているだろうけれど。それは故人の尊厳を守るためでもあるし、ファンが抱くイメージを壊さないための配慮でもある)

「こんな美しい人が死ぬわけがない」という奥様の言葉が、なにか次元の違うリアリティを持って印象に残った。


【追記】

意識してなかったんですが、気が付けば初主演作と没後の回顧ドキュメンタリーを視聴したわけで。ちょっと感慨にふけりました。

2作の鑑賞後、手持ちの写真集(『スクリーン・デラックス ジェラール・フィリップ』)を掘り出したんですけど、『星のない国』はお母さまのインタビューで言及されているものの、フィルモグラフィページは1947年の『肉体の悪魔』から始まってました。日本では劇場未公開だったそう。その後DVDも出てるようですが、そこまで買うのはかなりのファンの方だけでしょうし、やはり認知される機会が少なかったのでしょう。

最初の印象はイマイチだった『星のない国』ですが、原作含めて深読みするようになってから自分のなかで「意外な拾い物」になりました。プライムビデオ見放題枠さまさまです。多くの未見の方がご覧になれますように。




上は今回掘り出した手持ちの写真集…というかムックですね。うちにあるジェラール本はこれだけかもです。(シネアルバムは貧乏学生時代に図書館で見た記憶が(^^;))昔の『スクリーン』に掲載されたリアルタイムの記事もあり、自分にとっては貴重な一冊です。


追記:過去に「生誕90年」映画祭の記事と当日展示されていた写真の撮影画像を掲載していたのですが、リンク元のサイトを閉鎖してしまったため、しばらく写真がない状態になっていたようです。改めてアップしなおしましたので、よかったらお楽しみください。映画祭で鑑賞した『夜ごとの美女』『悪魔の美しさ』感想も併記しています。

2024/10/02

【感想】 『ゴジラ-1.0』、『ゴジラ』(再見)、『三体』

引き続き、アマゾンプライム無料体験で見たものの感想メモです。


*     *     *


 『ゴジラ-1.0』

すごかった!いや、ゴジラで泣くとは思わなかった。迫力もあったし、ゴジラ映画としては出色では。(ゴジラ映画に何を求めるかによるけど)自分はただの映画好きで特別ゴジラファンでもなく、むしろ期待値がわりと低めだったので、ぎこちなくオーバーアクトな人間ドラマも許せたし、全体としては満足できた。むしろ意外性で大満足、というべきかな。あの音楽を聞くと涙腺に来る。


『ゴジラ』(再見)

続けてオリジナルの『ゴジラ』を再見したくなり、これもプライム無料枠にあったので鑑賞。うん、このゴジラの象徴性——水爆実験の申し子で、まるで自然が復讐しているように見える——が、『-1.0』に欠けている点。災害のようになっていて、科学者でも志村喬に当たる役はなかった。あちらを見ている間から頭をよぎりはしたけれど、人間のほうに力点があってそれはそれとして見られたのであまり気にはならなかった。

でも「ゴジラ」が象徴するものがこれだというのが、単なる怪獣映画と一線を画すオリジナルの重みだと思う。ゴジラシリーズは災害映画になったり、モンスタードンパチ映画になったり、コメディになったり、いろいろだね。でもシリアスにゴジラの象徴性に力点を置いたら、今ならかなりのものができそうな気がする。(未見だけど『オッペンハイマー』のアンサームービーになるかも?)いや、むしろいろいろ「配慮」が必要で、かえって昔ほどストレートな表現はできないご時世だろうか?

あ、「じさま」があの人。思わず「さむれえ雇うだー」と心の中で拳をあげてしまう。(笑)志村喬も出てるし、そういえば『七人の侍』も東宝だったなぁ。


『三体』(※原作は読んでいません)

やっと見終わり。宇宙人を探す側から語られがちな「フェルミのパラドックス」(テッド・チャンの『The Great Silence』の切り口を思い出した)を、「探される側」で丁寧に扱ってる感じのテーマ。大きく異星人襲来ものといえばそれまでだけど、感触は違う。地球が異星文明の探査に「ひっかけられた」事情を、近代史ドラマを絡めて描いていて、展開が鈍くてつらかったけど、あの「決断」に説得力を持たせるためには必要だったとも思う。

ビデオゲームになじみがないので、「たかがゲーム」の内容に主人公たちがあそこまで深刻になる理由がわからなかった。(そこは突っ込んじゃいけないのかも)でも受け入れてしまえば、ゲーム内のキャラの再現具合はすごいし、「人海戦術」なコンピューターも爆笑したけどすごい発想! さすが中国ならでは、という感じがする。

視点だけで言えば先日再見した『コンタクト』と似ているし、『メッセージ』とも似ている。(その2作は穏健な異星人との出会いを描いていたけれど、『三体』がこれから侵略フェーズを描くとすると、かえって『宇宙戦争』風のクラシックな構図になるかもしれない)中国のメカデザインが——時代設定でレトロなのがたくさん出てくる——おおざっぱにソ連ぽいというか「東側の香り」がして、新鮮に映る。そして出てくるのが美男美女ばかりで目の保養。(笑)

シーズン1ということで、話は終わっていない。おばーちゃんの製材労働所(?)あたりの回想と29話(「極悪なのはみんな白人」でいきなりキャラが大味に(笑))を除けば面白かったと言える。世界の軍のトップらしき人たちが自然に中国に従ってるところなど不自然に映ったが、中国番組のリアリティなんだな。こちらが「アメリカ人があらゆるシチュエーションでリードして、宇宙人も英語をしゃべる映画」を見るのに慣れ過ぎてただけかもしれない。相対的にみれば、ゴジラだって日本に来て日本人が対処する物語なわけだし、作った国が話の中心になるのは当たり前。長すぎるのがネックだが(9月中に見終えようと連続視聴したので疲れた(笑))、シーズン2が作られて無料で見られる環境にあれば見てみるかも知れない。


これから三体人との闘いになるように見えるが、普通の異星人襲来ものになってしまうのかどうか。アリの描写がやたら多かったので、てっきり昆虫がじつは三体人ですでに斥候的に地球に来ていて(昆虫は地球生物の中では異質で異星由来では?という説を聞いたことがある。トンデモネタかもだけど)、サイズの小さい文明のため地球人のナノ研究を警戒してる、みたいなオチかと想像していた……それじゃギャグか(笑)。でもゲームの中の三体文明も三体人も、あくまで地球三体協会の地球人が解釈したもの、みたいな台詞があった気がするので、ゲームシーンで出てきたイメージをそのまま正体と解釈する必要はないのかも。映像作品は宇宙人の姿の出し方が難しい。丸出しにするといきなり安っぽくもなりかねない。この作品も出てきたら安っぽく見えてきた。でもまだ見た目とかサイズ感とかの「実は」な展開は可能なので、少し保留して期待しておく。

刑事役の人がすごくいい。別の作品で劉備や曹操をやってたらしい。さすが中国。日本では三国志とかの世界は特別感があるけど、これらも「単に時代劇のキャリア」なんだもんね。ワン教授役の人は牧田習くんを渋くした感じなのだけど、過去には始皇帝をやったらしい。

『最後にして最初の人類』といい、続けて似た感じの——地球文明の限界を意識した発想の——SFを見た感じがする。今の流行りなのか、自分のモードがそうで無意識に選んでしまったのか。