イベント参加予定

【イベント参加予定】2024/5/19 文学フリマ東京38 / 2024/5/26 COMITIA 148

2023/11/25

1ドルコンサートと馬車道散策(喫茶と古本♥)

暑さで半病人だった夏の仇をとるように、あまりお金のかからない文化イベント参加が続いております。ついでに喫茶や古書店巡りを楽しんだので、思い出を交えつつ、その半日の記録です。

【目次】 
  • ワンコインでパイプオルガン  
  • SF感とパシフィコ・ワールドコンの思い出
  • 馬車道と馬車道十番館
  • イセザキモール~黄金町へ

ワンコインでパイプオルガン  

コンサートはこれまた図書館にチラシがあったもので、11/22にみなとみらいホールで開催された「オルガン・1ドルコンサート」100円でパイプオルガンの生演奏が聴けるという、「節約モードで文化に飢えてる者(笑)」にはありがたい催しです。じつは昔、生け花の講座でいっしょだったおばさまに教えていただき、何度か足を運んだことがありました。(一緒に行こうではなく「ワンコインで聞けるのよ」と情報をいただいて、一人で行きました。当時の自分には適度な距離を保ってくれる「程の良さ」がありがたかった☆)あの頃は毎週やっていたと思いますが、今は年数回のようです。現在は1ドル100円では釣りあいませんが、100円切っていた頃もありましたもんね。輸入DVDなんかが買いやすかったなぁ……(遠い目)

オルガン・1ドルコンサート
2023年度 ラインアップ

(↑現在、来年春くらいまでの予定が掲載されています)



みなとみらいホールは、昔ジェリー・ゴールドスミスのコンサートを聴いた思い出深い場所でもあります。特に覚えているのが『オーメン』のOPになってる悪魔の讃美歌で、生の合唱が圧巻でした。(もちろん自分は内容が聞き取れませんが、ほんとに悪魔を称える讃美歌になってるそうで、キリスト教圏ではなかなか演奏できない貴重な演目だと聞きました)ご病気でご本人は来られず、お見舞いの寄せ書きをするコーナーがあったように思います。その少しあとに亡くなってしまいました。

今回は耳馴染のない曲ばかりでしたが、照明の演出もあってオルガン自体のビジュアルも迫力満点。30分のコンサートながら別世界に連れて行ってもらいました。音色を聴きながら、唐突に思い出したのが『さらば宇宙戦艦ヤマト』の白色彗星のテーマ。パイプオルガンだったんですよね。あれを思い出しました。お里が知れますね(笑)。

その「白色彗星」のテーマみたいに不穏で重厚なのから、荘厳で神聖なの、可愛らしいのまで、いろんな音色を聴かせてもらいました。パイプオルガンて一台でオーケストラみたいな厚みのある演奏が聴けるなあ、としみじみ思いました。ここのオルガンは「ルーシー」という名前があって、「25歳になった」そうです。

100円でもきちんとした客席案内係さんがいて、アナウンスも丁寧。「上質な空間でもてなされている」雰囲気も一緒に楽しめました。慌ただしい日常からしばし切り離されて、なんかほっとするひとときでした。


直結のクイーンズスクエアには巨大なクリスマスツリーが。
平日のせいか比較的人が少なくていい感じ。


SF感とパシフィコ・ワールドコンの思い出


クイーンズスクエアからさらに奥で直結しているパシフィコ横浜は、2007年にワールドコン(世界SF大会)が行われたところです。懐かしいのでちょっと通路まで行ってみました。ファンジンアレイに出展させていただいたり、テッド・チャンさんのインタビュー企画を見に行ったりした思い出があります。それまで以上にファンになったのはあれがきっかけでした。その後ほとんど来ていないので、いまだにその時にタイムスリップする感覚があります。

(当時自サイトに書いたレポートをアーカイブに残しているので、ご興味のある方はどうぞ。>Nippon 2007 ワールドコンレポート ところどころ添えてる拙い英語キャプションはご容赦を。十数年前の精一杯です(^^;)



クイーンズスクエアからパシフィコ横浜への通路。
ワールドコンの数日間毎日通った思い出がよみがえります…。


通路から観覧車を臨む。
たしかここから夜景を撮ったと思います。

話が前後しますが、みなとみらい駅は地下鉄駅改札を出て、長いエスカレーターでクイーンズスクエア・みなとみらいホールへの通路に直結していて便利。帰りはもちろん逆向きに降ります。

長い直結エスカレーターからの眺望。
大きな吹き抜けになっています。


この未来感がたまらない。吹き抜けから地下鉄のホームまで見えます。写真に撮らなかったスクエア側の壁面に、詩か何かのレリーフもある。非日常を感じる空間です。


馬車道と馬車道十番館


みなとみらい線で一駅移動して馬車道へ。あまり使ったことがないけどここも駅の中にカモメの鳴き声を流していたり、構内のイメージカラーがレンガ色だったりで素敵な非日常。通勤したら慣れてしまうだろうけど。

…そういえば「馬車道」と「伊勢佐木町」を区別できるようになったのは最近で、子供の頃から「ばしゃみち」「かんない」「いせざきちょう」はだいたい脳内で同じものです(笑)。身内ではイセザキモールの延長線上は馬車道から黄金町近くまで一緒くたになっていて、馬車道にあるお店でも「伊勢佐木町の…」と話してたりします。(厳密には町名違います(笑))一本で雰囲気がえらく変わっていく道。昔は大きな映画館があって、雰囲気が好きでよく行きました。なくなったのは本当に残念です。



県立歴史博物館。いつもと反対側から見る側面パース。


じつは『横濱の喫茶店』というムックで目をつけた馬車道十番館公式サイト)の喫茶室が目的でした。こんなに通ってるのに行ったことがないので。見つけるまでに苦労しました。馬車道添いではなく一本奥なんですね。参照した地図の方位がまちまちで、行ったり来たりしてしまいました。

満席で、受付で名前を言って少し座って待ち、二組目で入れました。そうそう、ビスカウトはここが作ってるのでした。待ってる間目の前で物色してるおばさんがいたのでお土産にと考えましたが、家では「馬車道の行きつけの安い店で昼を食べる」と話したし(つまりここに来たのは秘密(笑))、母がダイエット宣言もしてるので購入はやめることに。

内装にステンドグラスのある内装写真に惹かれたのですが、入ってみると意外に狭い。よく見る写真は二階からで、撮り方がうまいですね。狭いけど吹き抜けなので頭上に解放感があり、内装は壁の白と木部のこげ茶がベースで落ち着きます。古そうな絵がかかっているのもまた素敵。

メニューはコーヒーだけで800円超えでビビりましたが、自分にご褒美なので(笑)。ムックで紹介されていたご飯ものはハッシュドビーフでしたが、パンものが食べたくてクロックムッシューとブレンドを頼みました。

念願の馬車道十番館。ブレンドが来たところ。
テーブルは低めで足が組めなかったです。(笑)


ブレンドコーヒーは座席で注いでくれるスタイル。液体のクリーム(ミルク?)のほかにホイップクリームらしき濃厚なクリームも来てびっくり。デフォルトでウインナコーヒーなんですね。贅沢な気持ちになりました。美味しかったです♥

座席で注ぐスタイルということはもしやおかわり可?……と思ったのですが聞く勇気はなく(笑)、今ググったらモーニングだと一杯おかわりできるらしいです。12時までやってるそうなので、次回はモーニング狙いで行ってみます。(モーニング大好き♪)



奥に見えてる暖炉の上には、「鏡の前に花」のテクニック。
半円状に生けてラウンドに見せ、空間の奥行も出ますね。
ステンドグラスも撮ればよかったな。

頼んでから「手が汚れそうなものを頼んじゃったなあ…」と思いましたが、持ちやすいサイズに切り分けられていてさすがの気配り。高いお店はこういうところが違うのね。あと、コーヒーの味も。紙パックで「ホテル用」と書いてあるのがこんな味。日頃のインスタントやドトールとは違う飲み物。自分はたまにしか飲まないので特別感があります。


クロックムッシューとブレンド。

クロックムッシューはハムの下に黄色いチーズ、上に白いチーズ。メニューにエダムチーズがなんたらと書いてあったので、今度二種使いを真似してみたい。焼き目がいい香り。このあとマスクの中でかすかに残り香を楽しめました。(笑)

外観は斜めからですがこんな感じ。この通りは六道の辻通りというんですね。由来を知りたいな。


 

馬車道に戻り、古本散策に出発。少し戻って地下鉄駅近くのお店を外から見たらお休み。店自体はまだあったのでほっとしました。昔ここのワゴンセールで買った『海底考古学の冒険』は自分の「お宝レトロ本」のひとつです。全体に専門書が多くて高めなのですが、これは300円でした。

回れ右して伊勢佐木町方向へ。

途中素敵な建物やガス灯をパチリ。昔から通ってるわりには逆に写真とか撮ったことがあまりないので。


ガス灯を撮ったのですが、車がなければ
向かいの建物と一緒に模写してみたいくらい。


イセザキモール~黄金町へ


イセザキモールは馬車道エリアより馴染んでいるのでほっとします(笑)。でもゆっくり見るのは久しぶりで、いろいろ店が変わっていました。モール入口付近の輸入ナッツやチョコを売ってたお店は、寄りたかったのにシャッターが(お休み?閉店でないことを祈ります)。でも子供の頃からここに来るとよく家族と覗いたペットショップは健在。通りから少し入った古書店はわりと最近知ったのだけど、平日でもお客さんが入ってました。からくり時計は最近また宣伝してますね。日ノ出町駅に出る交差点付近にある「つけ麺大王」は、亡父が行きつけにしていたお店です。自分にはあまり落ち着く雰囲気ではありませんが、大きな映画館があった頃は何度か行きました。健在で嬉しかったです♪ 


 

同じ交差点の反対側は、昔オデオンというビルがあって古書店や中古フィギュアなどのお店が入っていました。確か上に小さい映画館も…(今ググったら、もともと映画館跡地にできたビルだそう)オープニング企画(?)のチャップリン映画や、『プランケット&マクレーン』なんかをここで見たような気がします。自分にとっては聖地でしたが、古書店等はだいぶ前になくなり、今回見たらドンキになっていました……。(涙)

ここから黄金町方向に少し行くと、昔ウェンディーズというハンバーガーショップがありました。他にはないベイクドポテトとかアメリカンな雰囲気のメニューが魅力で、映画館帰りによく行きました。ここは企業さん自体が日本から撤退した記憶が。(→今ググったら2011年から別事業者で再展開しているらしいです)

もう少し歩くと右手にスーパーがあったと思うんですが、見落としでなければなくなっている様子。よく店頭で靴やバッグのセールをやっていたので、リュックがあったら見たかったんですが。この通りにしては「日常」を感じさせてほっとする場所だったので、なくなったのだとしたらショックです。

蛇のはく製(?)が目印の「へびや」(伊勢佐木町ブルースの歌碑の向かいあたり)もシャッターが下りていました。これも子供の頃から見ていたものなのでちょっと残念。けれど目星をつけてる古書店はすべて営業していました。一軒、外の棚に置いてる分を無人販売にしているところがあってびっくり。箱にチャリンと入れるスタイルです。日本は治安がいいですね。

イセザキモールの日の出町付近。
エンゼルトランペットが見事に咲いてました。
名前に似合わず毒があるそう。
(考えようによっちゃ名前に合ってる?)

収穫は一冊のみで「ジャン・コクトー展【美しい男たち】」のカタログ。ジャン・マレーの美しい写真に惹かれたのですが、夜に中をざっと読んだら新情報もあり買ってよかったです。文章部分はまだすべては読んでないのでこれからのお楽しみ。絵はあまり期待してなかったけれど(コクトーの素描はあまり惹かれない)、油絵やほかの人が描いたコクトーの絵もあり、今の自分のアタマを自由にするのに役立ちそうです。(よく見たら渋谷のBUNKAMURAでやった展示の図録なので、もしかしたら見に行ったかもしれません。内容は覚えてませんが…複数回やってるようなのでこれじゃないかも?)

戦利品のコクトー展カタログ。


関内~黄金町のいきつけ古書店はすべて見たので満足。でも食指があまり動かなかったのも事実で。今はもう読みたい本は持っていて、ほしいのは読む時間と空間だと気づきました。ああ、部屋の断捨離を進めないと。



黄金町駅への途中、大岡川の桜並木。
春は見事だけど、紅葉もいい感じ。
カラスが逃げずにポーズをとって数回鳴きました。

帰りに横浜地下街のダイヤキッチン「跳ね鯛」でひらすの照り焼き、ホタテの照り焼きをお土産/おかず用に購入。足が棒になったのでバスで帰宅。もうコンサートのことは忘れているくらい(笑)盛りだくさんの半日でありました。