2016/09/02

「ヴィスコンティと美しき男たち」: 『山猫』(1963)


久しぶりに映画の感想を。あちこち話が飛んだすえ、果てはバート・ランカスター萌え話というまとまりのなさですが、ご了承くださいマセ。

『山猫』(1963)

だいぶ時間が経ってしまいましたが、以前ここのブログにも書いたルキノ・ヴィスコンティ監督映画のリバイバル上映「ヴィスコンティと美しき男たち」、8月初旬に未見だった『山猫』を見てきました。(『ルートヴィヒ』と共に全国巡回してるらしいので、公式リンクをあとに貼りますね♪)

イタリア貴族の没落していく状況を描いた作品で、ポスター等で「アラン・ドロンが片目を黒い眼帯(?)で粋に隠したキメポーズ」をよく目にしていたのですが、『ルートヴィヒ』と比べるとマイナーなのかレンタルでも見かけず、なんとなく縁がないままだった一本です。ようやく見られました!

フタをあけてみるとドロンがあの姿で出ているのはほんの少しでしたが、それにしても生き生きとした青年貴族でした! 激動の時代にせっそーなく立場を変え(笑)、見事に世渡りしていきます。見る前は「ドロンが貴族?」といぶかしんでいましたが、なるほどこういう役なら似合うなー、と思いました。

そして主演はバート・ランカスター。身分は公爵で、アラン・ドロンはその甥です。…ちなみにドロンの役名はタンクレディ言ったら負けですがやっぱ日本の語感ではヘンな名前。文字で見ると特に。(それを言ったら「ドロン」だって充分ヘンだ。慣れとは恐ろしい(笑)。そういえば昔『タンクガール』って映画が……って横道自粛!(^^;))

とにかく、見に行った動機はゆるくアラン・ドロンだったのですが、すっかりランカスターにもってかれました! 没落しつつも時代の流れをなんとか乗りきっていく初老のイタリア貴族、という役です。時代背景は19世紀後半。1860年にシチリア王国を滅ぼした反乱からイタリア統一に向かっていく、まさに激動の時代……ですね。(詳しくないのでおーざっぱですいません)個人的には根っから庶民なので(笑)貴族に感情移入はしにくいんですが、もっと一般化して「時代が移り、自分がなじんでいた文化が過去のものになってしまった」という思いを抱くことは、誰にでもあると思います。もちろん自分もあります。公爵はそういう意味で、広く共感を呼ぶと思います。そして現実的な「長」であること――家長でも社長でも何でもいいんですが――その厳しさ・悲哀をひしひしと感じました。

過渡期の旧世代ということで言えば、消えていく様を描くパターンもありますよね。その時代には異質な過去の遺物となって消えて(消されて)いくような。ちょうどこれを見たすぐあとに、そういう例の『パットン大戦車軍団』をちらっと再見したので好対照だと思ったのですが……パットン将軍は生まれや世代というより個性が強烈なのですが、自分の価値観に堂々と固執する姿は、『山猫』の公爵とはまさに対照的という気がします。

でも、現実には「そこから続く」苦しみがけっこう長い。時代遅れになった老将軍は華々しく散ったりはしないもの。老兵は死なず、消えゆくまでの時間がまた別の試練です。(前述のパットンの例で言うと、同じジョージ・C・スコット主演で晩年のパットンを描いた『パットン将軍最後の日々』というテレビ映画があります。『…大戦車軍団』に較べると地味ですが、パットンの「消えるまでの時期」を描いていて、史実を知らなかったので衝撃でした)

『山猫』の公爵の場合は、少なくとも表向きは世をすねもせず、変化をすべて受け入れ、うまく一族を存続させ、甥の変わり身の早さも現実的な取柄として評価・支援し、自分のやるべきことを粛々とこなします。おかげで醜態をさらすことなく、破滅することも免れている「成功者」なのですが、芯にあるものは変えようがなく……内面で格闘しているのですよね。「一抹の寂しさ」なんて言葉では足りない、内面的な慟哭を抱えていることが終盤描かれます。いろんな立場でその身に共感できるのではと思います……「わかってしまっている」やりきれなさ。

バート・ランカスターはこの映画の頃まだ50歳位で、まったく老いてはいないのですが、老けづくりで演じていました。とはいえ、もともと肉体派のランカスター、見事な裸体をさらす入浴シーンもありました。正直目の保養です。(笑)でもここに象徴されるように、むしろ「枯れきってない」ゆえの煩悶がテーマかもと思えます。…ともあれヴィスコンティ監督、腐女子と利害一致でサービスのツボを心得てらっしゃいます。ありがたや。m(_ _)m

タイトルの意味も気になっていたのですが……もとのイタリア語タイトルは"Il Gattopardo"で、画像検索すると豹っぽい点々柄のネコ科動物が出てきます。英語タイトルは"The Leopard"で、こちらははっきりと豹。でも辞書を引くと、豹に似たネコ科の動物全般も表すそうです。どちらも日本語の「山猫」から自分が抱いたイメージとはちょっと違いました。

映画のなかでは(自分たちはかつて)山猫だった、獅子だった」というランカスターの台詞(心の声)がありました。イタリアの文化では豹・あるいは豹っぽい柄つきの大型野性ネコに気高いイメージがあるのかもしれません。見るまでは、アラン・ドロンのポスターのおかげで、彼に野性味のある猫っぽいイメージを重ねてる印象を持っていたんですが(笑)、獅子と並べているイメージなら、自分が「山猫」から連想したものより強くて大きくて孤高なイメージですね。「ヤマネコ」という言葉からは、もう少し小型でしなやかで狡猾な印象を受けますから、自分の脳内ではやはりバート・ランカスターよりアラン・ドロンのイメージに近いです。(日本公開時の戦略もあったのかな???)

…英語で「レパード(豹)」というと、「豹は体の模様を変えられない」(The leopard can't change its spots.)という言い回しがあります。(個人的には、たまたま『モーリス』で主人公の台詞として知ったもので、印象に残っています)そこから想像すると、「元々の性質は変えられない」という意味から、主人公の「表面上は時代に適応しながら内面に抱える葛藤」のイメージにつながる気がします。聖書由来だそうなので、たぶんイタリア語でも同じ言い回しが通用すると思うんですが……どうでしょう。(思い付きからの連想なのでぜんぜん違うかもしれませんが、こういうことアレコレ考えるのって楽しいんですよね!(笑))…いずれにせよ、動物のイメージは文化により違うので、特にキリスト教文化を根っこで共有していない日本では、一言でイメージを表現するのは難しそうですね。

…あ、そうそう! 忘れるところでしたが、ガリバルディ軍の将軍役でジュリアーノ・ジェンマもちらっと顔を見せてました! マカロニ・ウエスタンのイメージしかなかったのでびっくり! ヴィスコンティ映画に出ていたとわ☆ なんかジェームズ・フランコに似て見えたんですよ……軍服姿に「そっち系の色気」があって。なるほどなー、ヴィスコンティのお眼鏡にかなったか……なんて納得したりして(笑)。今ならそういう人気が出た方だったかもしれないなー、なんてヨコシマなことを思いました。(いや、いつもヨコシマだらけの鑑賞なのですが(^^;))

バート・ランカスター出演作では、同じヴィスコンティ監督の『家族の肖像』が好きなのですが、似たような立ち位置のキャラクターで、より「枯れた」教授役でした。『ルートヴィヒ』主演のヘルムート・バーガーに翻弄される役で、いろいろと萌えます❤

『山猫』のちょっと前に、たまたま『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』(主演ではありませんが、大企業の天文好きな社長役。ラブリーです♪)を見まして、いもづるでいろいろ見たくなったんですが、未見作品(のはず!)で探した『泳ぐひと』はレンタルがなく見られませんでした。残念です。うちにある出演作というと『大空港』『カサンドラ・クロス』といった、70年代頃のオールスターパニック映画くらいだと思いますが、「危機管理にあたるトップの立場」という意味では、『山猫』の役と共通項がないこともない……かもしれません。貫録があるので中年期はその路線多いのかもですね。『山猫』のドロンや『カサンドラ・クロス』ジョン・フィリップ・ローのような若い美男を従えた姿も絵になるので、これまた腐女子の琴線に響くのでありました♪(笑)

…比較的若い頃のランカスターには、なんとなくタフな肉体派のイメージを持っていたのですが、プロフィールを見てみたらもともとアクロバットをやっていたそうです。なるほど納得です。波打ち際のラブシーンが有名な『地上(ここ)より永遠に』、それに『ヴェラクルス』のガンマンも印象的でした……いずれも記憶が薄れているので再見してみたいです。意識して追いかけたことはありませんでしたが、出演作が多いので漁りだすと切りがなさそうな俳優さんですね。(笑)ちまちま攻略したいです。

余談ですが、昔「ザクト」っていうタバコのヤニ取り用歯みがき粉の広告で、白い歯を見せてニッと笑っている男性のイラストが使われてた記憶があるんですが……あれって『ヴェラクルス』のバート・ランカスターのイメージっぽくありませんでした? うろ覚えなんですが、今ググっても出てこないので気になってます!


…と、最後は散漫なランカスター萌え話になってしまいました。失礼しました!(^^;)


前述の通り、企画上映『ヴィスコンティと美しき男たち』『山猫』『ルートヴィヒ』全国巡回上映しているようです。今札幌と広島でやってるんですね。今後はわかりませんが、こちらで情報が見られます。


『ルートヴィヒ』は昔見たので今回は見送りましたが、初期公開版は(あれでも)短く編集されてたそうで、その後より長い「完全復元」バージョンができ、今回はそのデジタル修復版とのことです。そういえば、昔のはたしか表記が「ト」に濁点がつく「ルードヴィヒ」で、「神々の黄昏」ってサブタイトルがついてましたよね? 長いバージョンは「ルートヴィヒ」で、サブタイトルはつかないようです。いろいろ変遷があるんですね。(『山猫』は4Kという仕様の修復なのですが、これは劇場の設備によるので私が見た横浜では4Kではありませんでした。でも満足ですけど♪)

ともあれ、美しすぎた時代のヘルムート・バーガーが演じる狂王ルートヴィヒヨーロッパの貴族的耽美の世界がお好きな方には必見だと思います。

…たぶん、(自分を含めて)ある世代以上の耽美系アンテナを持ち合わせたお仲間には、『ベニスに死す』などと共に定番の一本だと思います。同性愛要素を美しく見せてくれる作品が少なかった頃、これらは当時の「腐女子(とういう言葉はなかったですが)的感性を持つ女の子の通過儀礼的作品」だった気もします。

これから涼しくなってくると、こういう映画をじっくり鑑賞するにも良い季節ですね。久しぶりの方も未見で気になる方も、ぜひチェックしてみてください♪(そしてこういう映画こそ、レンタル店には標準装備(?)していただきたいです! 見送った『ルートヴィヒ』をせめてレンタルで再見……と思ったらお店になくて、すごくショックだったので……)




*      *      *


(以下に海映画3本の感想も書いたのですが、長くなりすぎるので切り取りました。別にアップします。映画の感想はツイッターで一言つぶやいて気が済むことが多くなり、逆に言うと記録が残らないので忘れてしまったのがかなりあります。以前はすべてサイト日記を見れば分かったのですけど……記憶力がないので自分でも不便です。(^^;)記憶をたぐって少しずつ記録したいと思いますー☆)

2016/08/14

ただの日記+『クィア短編小説集』+"Arrival"(『あなたの人生の物語』)トレイラー

ただの日記

3日ほど夏風邪気味でしたが、なんとかそれも抜けました。バイトと資料読みに明け暮れております。世の中はお盆休み、そしてコミケ最終日。地元の商店街では個人商店がけっこう休んでいて、人通りはあるもののお正月に次ぐのんびりムード。こういう空気は好きです。(自分がコミケ参加のときはそんなものを味わう余裕はないのですが(笑))夕刻の散歩では川の上にものすごい数の蝙蝠が乱舞していて、しばし見物してまいりました。風も涼しくて柔らかく、ちょっと秋の始まりを感じたひとときでした。

あ、先日お知らせしたKindle Unlimited経由で、ちらほらと既刊をお読みいただいています。ありがとうございます!読み放題無料体験のうちにぜひどうぞ。(笑)既刊すべて読み放題対応になっていますが、やはりお読みいただいてるのは追憶のシャーロック・ホームズ宇宙探偵ホォムズが中心ですね。お気に召していただけたら他の作品もぜひお試しくださいませ。夏休みののんびり読書のお供にしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。


今日はバイトがないので、午前は秋・冬に向けた作品のひとり進捗状況会議(少し前から週イチで始めました)をして、そのまま新しいモチーフを入れた断片アイデアの書き溜めや資料探し・資料読みをしていました。かなり充実した時間でしたが、午前こうだとなぜか絶対午後同じ調子では進まないんですよね。カズオ・イシグロさんが書いてた「四時間で収穫逓減が始まる」ってやっぱりかなり当たってる。(笑)…そんなわけで、ブログに書きたかったことを散発的に書き出してみました。かなり溜まってるので今回では書ききれませんが、少しずつ消化していきたいです。

『クィア短編小説集』

まずは直近で、昨日ゲットした『クィア短編小説集』のこと。しばしばおすすめしている『ゲイ短編小説集』の監訳をなさった大橋洋一さんの監訳で、同じ平凡社ライブラリーのシリーズです。昨日存在を知って即、金欠を押してゲットしました!(笑)アマゾン見ると16日発売となっていますが、もう店頭に並んでました。



『ゲイ短2』を望む声もあったなか、今回はより幅の広い「クィア」の概念で作品が選ばれているようなのですが……目を引いたのはコナン・ドイル作品収録、とあったこと。何が入っているのか興味があったんですが、なんとホームズもので『三人ガリデブ』なんて直球な!(笑)それと『赤毛連盟』も入っています。ドイルせんせならホームズ以外のほうが萌えまくる作品あると思うのですが……マーケティング的選択でしょうか。でもゲイ短でも新訳だったと思われる『幸福な王子』にとても感動したので、今回の訳(ガリデブも赤毛も大橋洋一さん自身の訳)でなにか新しいニュアンスを感じるかどうか、楽しみです。

ゲイ短も「これのどこがゲイ小説?」という話を含めたラインナップで、でも腐女子から見ると見事にJUNEのツボを押さえたセレクトだったので、今回のほかの作品も期待しています。まだ冒頭に入っているメルヴィル作品『わしとわが煙突』に手をつけたばかりなのですが、やはり一筋縄ではいかないセレクトのよう……に思います。素直にこのままいくとしたら、坂田靖子先生のJUNE掲載マンガあたりを(つながりはほとんどありませんが)ゆるく連想しているのですが……まだどう転ぶ作品なのかわかりません。今は自分の作品の準備のためお楽しみ読書の時間をがっつりとれないので、合間に少しずつ読みながら、セレクトの切り口をアレコレ想像しつつゆっくり楽しみたいと思います。最初に巻末の解説を読んじゃうとある意味ネタバレ(?)なので今はガマン。(笑)

テッド・チャン原作"Arrival"トレイラー

母艦サイトのほうでアップしましたが、テッド・チャンさんの『あなたの人生の物語』の映画化作品"Arraival"、数日前に予告編が公開されました。こちらにも貼らせていただきます。


ちらほら出ている記事ではアカデミー賞狙いの11月公開とのことで、前評判も高いようです。SF作品でアカデミー賞狙いというのもすごいと思う。SF系では映像の新技術が売りになってそのあたりの賞を取ることも多いですが、原作を考えても、予告編を見てもそういう系統の作品にはならないと思いますし……。ああいう短編がちゃんと映画に「翻訳」されて評価されるとしたら、世の中捨てもんじゃございませんね♪(なんつて)

ちょっと前にネット公開されたチャンさん自身のインタビューでも映画について触れられていて、「典型的なハリウッド・ディザスターになることはなんとか避けられたように思う」と言ってらっしゃるのが嬉しいです。関連部分だけ拙訳で、元ページリンクと共にチャンさん情報コーナーに載せましたので、よかったらどうぞ。その他の部分もここ(日記ブログ)かどこかでまたご紹介したいです。とても良いインタビューなので。

テッド・チャン情報メモ
"Arrival"予告編 &インタビュー:映画化についてなど

ほかにここ数カ月で見た映画や本のお話など書きかけで溜まっておりますが、長くなりすぎるので(^^;)また改めて。


【2016/8/30追記】上述のインタビューからの創作論的な一部を、別サイトのブログでご紹介しました。

SUSSANRAP Kindle Books ブログ: 創作について(テッド・チャンさんインタビューから)

ここ(牛乃の日記(仮))との差別化で、創作関連の話題はなるべくあちらに、映画・二次等のミーハー話、個人的なアレコレはなるべくこちらに、と住み分けようと思っています。(^^;)よろしくお願いします。m(_ _)m

2016/08/04

キンドル・アンリミテッド始まり+ぷちクラッシュとセレンディピティ

Kindle Unlimited スタート

8/3から、アマゾンの月額980円読み放題が始まりました。現在30日間無料体験も行われています。うちの本はすべてそちらから読めますので、よかったらぜひ。kindle無料アプリでも登録できます。

Kindle Unlimited 読み放題

後述の理由でネットサーフィンを制限しているため、スタートを知ったのは当日の朝日新聞だったのですが、記事によると一度に保存できるのは10冊までとのこと。期限不定のレンタルみたいなものでしょうか。なのでずっと所有したい場合は普通の購入のほうが良いかもですが、大量に読みたい方で

「とりあえず中身読んでみないとずっと保存したいかどうかわからない」
「でも判断するのにサンプルでは分量が不足」

…という場合に、ザクザクとチェックを兼ねて読んでいくのにも良いかと思います。夏休みにたっぷり読もうと思っている方は、とりあえず無料体験してみるのも良いのではないでしょうか。(それほど使わないなーと思ったら、期限が来たら解除すれば料金とられませんし……(笑))

出版社等からは反発も出ているサービスで、たしかに立場により見方が違うのはとてもよくわかります。でも無名で本を作っている身からすると、気軽に試していただける機会が広がるのはありがたいことです。読む方から見れば、うちの本など海のものとも山のものともわからないわけですから。(笑)

配信側の立場では、本ごとにKDPセレクトという、電子版のアマゾン独占配信条件に登録することで、キンドル・アンリミテッドやキンドル・オーナーズ・ライブラリーで読める対象になり、そちらで読んでいただいた分の報酬も、(販売価格よりは低いものの)読まれた分量に応じた支払いがあります。つまりこのサービスの対象に登録する・しないは出版側が選べるので、シリーズの一巻だけ登録してみるとか、いろんな使い道があるのではと思います。

海外ストアでは以前からあって、うちの場合はしばしばそこから読んでいただいていたので、早く日本でも始まってくれないかなーと思っていました。ここからまた新たなご縁ができるといいなあ、と思っています。

ぷちクラッシュとセレンディピティ

さて、コミケに落ちたおかげで(笑)できた時間を有効に使おうと、現在ゆるい「クラッシュ」に入っております。(クラッシュについてはこちらの過去記事にて。カズオ・イシグロさんの用語を拝借した一種の「自主的缶詰状態」で、作品世界にどっぷり浸ることです)自分の場合はいっさいを代わってくれる奥さんなどいないので(笑)、創作の優先順位を上げてネットを覗く時間を減らす、情報を遮断して「真空」っぽくなれる時間を数時間~一日単位で確保する、という程度なのですが。もちろん「ココロのごはん」は適宜補給しております。(こういうときこそ必要、ということもありますね。ちょうど先日、ツイッターで藤原帰一さんがそんなことをつぶやいておられました。これから忙しいそうで、「映画なしには乗り切れません」と。大いに共感です(笑))

春から外でのバイトもしているので、一日丸ごと自分でスケジュールを組める日は減ってしまったのですが、かえってメリハリがついてる気がします。こういう時期は映画のほかにエンジンかけに役立つ本も大切なのですが、先日テッド・チャンさんがインタビューで言及していた、アニー・ディラードの『本を書く』という本が今すごく役に立っています。作業に入る前に数ページ読むとなんとなく落ち着いて、自然にものを書くモードに入れます。図書館で借りたのですけど、これは手元にほしいかも。

今回のぷちクラッシュは秋のJ庭合わせのイアンシリーズ新刊のためで、以前からそれに関連しそうな資料を集めたり読んだりしてきたわけですが……草稿を書き始めると方向が変わってきまして。集めた資料の半分くらいは今回はかすらないことになりそうです。(泣)でもようやく曖昧だった部分がわかってきたことにもなるので、新たに深掘りするためにいろいろ追加摂取しています。

こういうときはなんとなくの勘で出会ったものがよかったりするんですが、今回もそんなのが出てきました!掘り出したのは、昔父親が珍しく持っていた『銀塊の海』という小説の著者、ハモンド・イネス。(父は新聞以外はほぼ読まない人なので、子供心に印象的だったようです。自分は未読なので、今回元の文庫とは別でkindle化されていたもののサンプルを落としてみました。…面白そう!(笑))

ネットリサーチのなかで偶然名前を目にしたのですが、なんとなく著作リストを見てみたら、今の状態でピンとくる「北海などイギリス周辺を舞台にした海洋冒険小説」を書いておられました。(帆船時代とかだとさすがに古すぎるのですが、油田ブームの頃ならぎりぎり範囲なのです)過去の経験ではこういうセレンディピティで出会ったものは当てになるので、金欠中ですが(^^;)安い古書を注文しました。自分が書くのは「ゆるいマイルドBL」なので(笑)影響は限られると思いますが、ココロを北海に飛ばすのを助けてもらえればと思います。正直今この作業をしているようではJ庭はきついですが、ズレてもその次の目標がコミケになるだけなので、気を緩めず進めようと思います。

先日は神保町に行き、久しぶりに「ほんとの古本」の匂いをたっぷり吸って、同行してくださった方のおかげで掘り出し物もさせていただいたり(以前SHERLOCKの同人誌でご縁ができたミステリ作家の篠田真由美さん。お店もいろいろ教えていただきました)、やはりセレンディピティで目についた本を買ったりで、生き返った一日を過ごしました。(今思うと、その前にイネスの本に気づいていたらいろいろ漁れたのに……とも思います。これはキリがないですが(^^;))夏は苦手でここ数年は酷暑もあり、外出を控えていましたが、たまにはこういう句読点は必要だなあ……とつくづく思ったしだいです。まあ、涼しい秋がいろいろと「●●の秋」に理想的なのは変わりませんが。
ともあれ、暑い間も水分とともに、適度なココロのごはん摂取に気をつけたいと思います。摂りすぎても支障が出ますが、不足すると確実に干からびますから……。(笑)

2016/07/12

シノプシス進行どっこいしょ+『謎の円盤UFO』+ハヤカワ文庫の海外SF復刊総選挙

今日が次のイアンものの長編の第一稿締め切り…の予定でした。実際の進行はまだシノプシス。(^^;)ですが、いちおう区切りとしてここ数日追い込み、さっき現時点でのアイデアをまとめてプリントしてみました。ふー。

前回の短編の最後でちらりと書き添えました通り、ストーリーのオモテのラインは「イアンが北海に沈んだUFOとやらの取材に行かされる話」の予定なので(ウラはまた別の心理的物語が進行します)、そういう方面も調べたり読んだりしてました。……偶然ですが、スコットランドって90年代以降この手の目撃のメッカになってるそうですね。まだモデル地は迷ってる段階ですが、イメージソースにことかかない状況です。それでいて勝手に想定していた事件ともろにかぶる例には出くわしてないので、風呂敷広げやすそうです。(笑)

60年代頃からのこの手の目撃例の歴史もちらちら見てるんですが、『謎の円盤UFO』ってほんとに制作当時(1970年頃)「ホット」だったUFO目撃事件をベースにイメージしたんだなー…と妙な方向で感慨にふけりました。なんか「UFO」が回転してるところとか、海から出てくるとか。(そいえばSHADOは潜水艦も持ってましたもんね)

いちおう自分との約束を形だけは果たしたご褒美として、久しぶりに見たくなったので『UFO』のDVD掘り出そうかと思います。(「ユーフォ―」じゃなくて「ユー・エフ・オー」(笑))

Youtubeに日本版オープニング(矢島正明さんのナレーションつき❤)があったので貼らせていただきます。このナレーションもたまらんですね…。


ついでに母艦サイトからの使い回しですが、以前広川太一郎さん追悼(+こどもの日)用に書いた司令官以下のイラストを貼ります。
こいのぼりに見立てたアレのポールのてっぺんについてるのが「UFO」。これが回転しながら飛んでたんですよね~。(笑)

じつは、『UFO』が懐かしくなったのはもう一つ理由がありまして。先日ツイッターでハヤカワ文庫の「海外SFデジタル化総選挙」の情報が回ってきました。現在絶版になっている作品の電子版での復刊リクエストらしいのですが、何がすごいって、懐かしい表紙がだーっと見られるのですよ♪(逆に「これ今絶版なの!?」とちょっとショックなものもありました☆)


決してSF読みではない(それを言えば決して小説読みでもない(^^;))自分ですが、これはさすがに見ていてたまりません!で、このなかに『謎の円盤UFO』のノベライズも入ってるのです!私、これの二巻だけ古書でゲットしたのですが、一巻を持ってなくてデジタルでも復刊してほしいので、一票入れてきました。複数への投票は可、ただし一冊に対して一度だけ、とのことなので、とりあえず他に『人間以上』『オッド・ジョン』に入れてきました。(読んだものほんとに少ないんですが、これは好きだった作品です。もう「好きだった」こと以外はぼやけていますが…(^^;))

眺めるだけでも楽しいページですが、8/31まで投票受け付けてるそうなので一票いかがでしょうか。やっぱり夏はSF、ですし。(←なんかそんなイメージになってる)
昔読んだのだけでなく、表紙を見て「読んでみたい!」という作品にジャケ投票もありじゃないかと思います。別に思い出投票というわけじゃないですし。有名な作品も多いですし、個人的な感覚では「ちょっと前の古書市のワゴンの品ぞろえ」をホーフツとさせてくれるのもたまらないんですよね……また逃避がてら(?)眺めに行こうと思います。ていうか、表紙ギャラリーはもう永久保存版にしてほしいです!

うちの『謎の円盤UFO』第二巻を即席激写。番組のキャラとはちとイメージ違いますが、豪華口絵つき・本文もイラストつきです。今のような漫画風でない、リアルなタッチがまた素敵♪


2016/07/02

さまざまな記念日+アンリミテッドは8月に?

イギリスEU離脱決定からめまぐるしい一週間が過ぎました。マーク・ゲイティス兄も政治ネタツイートをわりとする方ですが、先日はこんなツイートが。たしかに毎日速報レベルのニュース多すぎ!(笑)


今週は記念日的にもいろいろありました。前回のブログはE.H.カーせんせのお誕生日ネタでしたが、6/28はカーせんせの誕生日なだけでなく、なんと二次大戦後のベルサイユ条約の調印日だったそうで。あとから知ったんですが、「ええーっなんてドラマチックな!」と不謹慎にびっくりしてしまいました!

この前も書きましたが、カーはこのときまだ二十代で、パリ講和会議に随行していて、ドイツに対する報復的な処遇には批判的だったんです。そこで決まったベルサイユ条約が彼のお誕生日に調印……映画ならいいシーンになりそうだ……!

どなたか撮ってくれませんかね。E.H.カーの伝記映画。企画としては私に大好評なんですが。(笑)

wikikpedia ヴェルサイユ条約

…そして昨日、7/1は第一次世界大戦の激戦、ソンムの戦いから100周年でした。ネットでもテレビでも、式典やソンムの戦いを解説する映像などいろいろ流れておりましたね。戦死者の象徴である赤いポピーが、やはり印象的でした。

BBC Japan: 第1世界大戦ソンムの戦いから100年 近代戦争の分水嶺

近代史、特にヨーロッパのことなんぞはまったく門外漢なのですが、小説でたまたま主人公がこのへんに詳しいという設定にしてしまったため、付け焼刃でこのへんの話題に多く接するようになりました。じつは今いろいろ動いているスコットランドも、次回作の準備で調べてたところなんです。(話の舞台を北海沿岸の漁業の町にしたいので……)国民投票前の報道記事で、漁師さんたちは圧倒的に離脱派なのだと知りました。EUの漁獲量制限や、海に廃棄できないルールなど、不満がたまっているそうで。でもスコットランド全体では残留派多数という結果だったので、複雑だなーと思っていたのもつかのま、それどころか独立うんぬんという話になってますね。外野なのにへんな心配をしております。あんまり深入りするとなんの話かわからなくなりそうなので気をつけないと。(^^;)

さて、私事ですが、一昨日6/30は自分も誕生日でした。(毎度書いてる気もしますが、ルパート・グレイヴスもこの日。おめでとうございました♪)このところ慌ただしくて、グーグル検索でおめでとう画面が出て気づいたという情けなさでした。いや、前日までは覚えてたんですけど!(^^;)もはや年をとること自体は嬉しくないですが、産んでくれた母親には感謝するべき日だなーと思います。いまだに世話になりっぱなし。いつまでも元気でいてほしいです。

都合で一日遅れでしたが、昨日念願のショートケーキをありがたくいただきました。前にコナン・ドイルせんせのお誕生日のときは、ショートケーキは近所で手に入らず代用で涙をのんだのでした…。やっぱりイチゴ+生クリームって見た目にコトホギ感があっていいなーと思います。(今はサバランのほうが希少性のために脳内ランキング一位ですが…(笑))


ついでなのでドイルせんせのときの写真を。kindleサイトからの使いまわしですが(^^;)。某カフェのフルーツロールケーキで手を打ったんですが、もう夕方だったせいかパサパサで…。まあセルフサービスのチェーンで生っぽいケーキに期待するのは無理ですね。


(あ゛、店名入っとる。すいません。(^^;))でも好きなお店で。最近近所にできて、フリーWi-Fiと電源完備というありがたい所なのです!ドトールさんより少し高いけど、週に2、3回はここで仕事させていただいてます。Push to kindleにためた記事がWi-Fiでおろさないと面倒な形になっちゃったので、記事おろしと資料読み、書き物などなど、絵以外はなんでもやってます(^^;)。ノートパソコン持ち込んでねばってる人とか、がっつり勉強している学生さんとか多いので気も楽で。

現在は外耳炎対策で耳栓を避けてるので、以前買った「集中力が増す」という触れ込みの雨音CDをヘッドホンで聞いて耳栓代わりにしてます。でもこの店のBGMはわりと大人っぽいというか、洋楽の懐メロが多くてなごみます♪詳しくはないほうなのに耳になじんでる。あの頃のヒット曲ってそうでしたね。ラジオでなんとなく聞いてたり。

今週は春から始めた外のバイトが四日連続で入らなかったので、一日くらい完全に羽を伸ばそうと思ってたのですが、なんのかんので毎日仕事周りのアレコレをしてました。でも昨日夕方に上記のお店に行って、ノルマでない読みかけの本を四冊ほど持ち込み、二時間ほどかけて全部少しずつ読んで、自分にご褒美としました。なんとなく生き返った気がするので、マメにこういう時間作りたいなーと思います。

そうそう、kindleですが、定額読み放題のkindleアンリミテッドが八月に始まるらしい、という記事が先日朝日新聞に載っていました。ネットではちらちら噂はあったのですが、天下の朝日ですからそういいかげんな情報ではないと思います(笑)。海外ストアではこれで読んで下さる方がけっこう多いのです。もちろん、これでお読みいただいた分も(販売時よりは低くなりますが)Amazonから報酬も受け取ることができますし、無名の書き手には作品を知っていただく機会が増えるので、とても待ち遠しいです。