更新がスローです

🌸家族のサポートをしつつ、スローペースで更新しております。のんびりご覧くださいませ🌸

2015/11/23

【お礼とご報告】無料配信終了

無料配信終了

イアン・ワージングさんのまろやかBLスピンオフ短編Historyと、長編の【分冊版・上巻】の無料配信が終了しました。ダウンロードしてくださった皆様、ありがとうございました!楽しんでいただけますよう祈っております。そしてツイッターでPRにご協力くださった皆様もありがとうございました!

今回は三日間の連休に重なったのもあり、また、kindle本情報サイトのきんどるどうでしょう様、本と本様、kindle books安売り情報様に無料情報を拾っていただいたおかげか、上巻のほうは前回の短編単独・一日のみのキャンペーンの約6倍ダウンロードしていただけました。短編『History』のほうも二回目で一日のみながら、前回の半分くらいの数の方々に落としていただけました。今回も同時に無料になっていたBL系の本が少なかったため、一時的に日本ストアの無料BLランキング2位と3位に並び、その後上巻だけになってから、一瞬1位にもなりました。海外ストアではアメリカ、ドイツ、それとうちの本全体で初めて、ブラジルストアで落としていただけました。

今回はツイッターの宣伝ツイートもちょっとがんばってみまして、初めての試みなんですが、本文からの引用をいれてツイートしてみました。こんな感じです。

これは『ネガテイヴ・ケイパビリティ』から。かなり気に入ってる会話です。(笑) 
こちらは『History}』から。イメージソースのジョナサン・アリスさんの、以前こちらに和訳を載せた思い出話にヒントを得た台詞です。 

自分はふだんツイッターを使いこなせてなくて、いわゆる「拡散力」みたいなものもまったくないんですけど、今回は毎回ツイートするたびに、数冊ずつ地味にDL数が増えてくれたので、(まあ自己満足かもしれませんが)少しは見かけた方がご興味を持ってくださったのかな、と思いました。ごく少数ですが、ふぁぼ(あ、「いいね」になったんでした!)を付けていただけたのも嬉しかったです。

全部で140字に収めなくてはならず、タイトルが長いのではしょりましたが、リンクを含めるとかなりの字数になり、そのあまりに入れられて、そこそこオチがついて、かつネタバレにはならない文章を切り出す…という作業はけっこう面白かったです。宣伝コピー書くのが苦手な自分には、じかに中身のきれっぱしを見ていただくほうが合ってるかな、とも思いました。

(それと、自分の個人アカはSHERLOCKのファンとしてつながってくださった方が多いので、kindle本の宣伝はお門違いという方もおられるんですよね。なので、書影とリンクをいれた「お願いします!」の連呼を何度も目にするより、短いシーンをいろいろ流したほうが、多少は面白く眺めていただけるかなー…なんてことも考えました。似たもの同士で腐女子さんベースなのでそこはいいとして、まああとはご趣味に合うかどうかと、自分の精進次第なんですけど…がんばります!(^^;))

期間中に、プライムのレンタルでも元の分冊ではないほうをチラホラとお読み頂き始めたので、これも嬉しかったです。ありがとうございます。分冊もそれぞれに楽しんでいただけるところを入れる分け方をしていますが、話が収束したり大きく展開したりするのはやはり後半なので、全体を通して読んでいただけると嬉しいです。(それでなくとも「後半じわじわ」型だと以前評していただきましたので、イマドキとしては不利かもですが…精進精進(^^;))上巻で気に入っていただけたら、中・下巻もぜひ読んでいただけたらと思います。そしてもし上巻だけでも、ご感想・レビューをいただけたら幸いです。短くてかまいませんので、どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

最後に、amazonの著者ページに分冊版も加えていただいたのでリンクを貼ります。それと、最近モバイルサイトとPCサイトの違いを意識するようになったので(遅)、モバイルサイトの検索へのリンクも貼ってみます。自分はPCオンリーなので表示状態の確認ができず、もしかして蛇足の可能性もありますが、ご覧になっている環境によって違うと思うので、もし不具合などございましたらご一報いただけたら幸いです。(なぜか今『ネガティヴ…』の分冊版下巻のみ検索されないので、Amazonに問い合わせてみます!(^^;))

Amazon 牛乃あゆみ著者ページ

【モバイルサイト】SUSSANRAPの本

【PCサイト】SUSSANRAPの本

2015/11/20

お試し短編と分冊上巻、無料配信中です。

さて、昨夜お知らせした理屈屋イアンのマイルドBL二点、無料配信が始まりました。(分冊版表紙も無事に反映されました!)二点で無料期間が違いますのでご注意くださいませ。同キャラクターのシリーズで短編のほうが時系列はあとですが、どの順番でお読みいただいても大丈夫です。

こちらは二回目。24時間無料になります。

こちらは新リリースした分冊版の上巻です。

  

ずっとここをお読みいただいてる方には繰り返しになりますが(^^;)、いちおう手短にご紹介を。『History』は元彼とのハロウィーンの夜の物語、『ネガティヴ…』は天然系「自称遺跡ガイド」君との愉快でちょっとせつない触れ合い、癒しと「少し不思議」な旅です。レーティングは追憶ホームズと同程度で、またR15程度です。(やることやってるけど詳しい描写はなし)「マイルドな」BLです。短編はちょっと大人(?)、長編はふんわりとしたところがあります。

雰囲気や世界観がお気に召していただけたら、続きもぜひ読んでやってくださいませ。(プライムの無料レンタルからお読みいただく場合は、一冊になっているバージョンでどうぞ)

中巻と下巻、背景が黄緑のものが統合版です。
    

最初は「上・中・下」を入れただけで全部同じ表紙だったんですが、パッと見で区別しにくいので分冊版の背景の色を変えてみました。(元の一冊にまとめたものの配色がかなり悩んだ末に決めたものなので、あまり変えたくなったんですけど(^^;))意識してなかったですが、並べると信号機カラーですね。(笑)

(毎度ですが、kindleをお持ちでなくとも無料アプリでお読みいただけます。ぜひお試しください)
kindle無料アプリ

2015/11/19

分冊版と明日からの無料配信のお知らせ+電撃小説大賞の講評

分冊版と明日からの無料配信のお知らせ

明日夕方から、マイルドBLシリーズ(?)スピンオフ短編『History...』の二回目の無料配信を決行予定です。同シリーズ既刊『ネガテイヴ・ケイパビリティ』分冊版も作ったので、そちらの上巻も無料配信させていただきます。合わせてお楽しみいただけたら嬉しいです。

分冊版はぎりぎりまで迷っていた表紙を今朝差し替えたりしたんですが、システム上は変更終わってるのになぜか商品ページの表紙が元のままで、今問い合わせております。詳細については明日きちんとまたお知らせしますね。

なにかあって明日書けないといけないので、念のためリンクしておきます。よかったらぜひ。

History: 低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン [イアン・ワージングシリーズ]
こちらは24時間:11/20-21(午後5時頃開始・終了)

【分冊版・上巻】ネガティヴ・ケイパビリティ: 絶食系男子イアン・ワージングのレイライン紀行 [イアン・ワージングシリーズ]
こちらは72時間:11/20-23(午後5時頃開始・終了)

期間が違って紛らわしいですが、よろしくお願いします。システムの具合で開始・終了時間が多少前後することがありますので、価格欄を確認して落としてくださいませ。

電撃小説大賞の講評

いろいろあって遅くなってしまったのですが、春頃に投稿していた電撃小説大賞さんの講評が少し前に届きました。一次通過作品にはすべて講評がつきます、と書かれていた記憶があって、たしか10月決定なのになにもこないので梨のつぶてだったかなー…と思っていたところでした。同人誌発表の長編もOK、で見つけた唯一のところだったので、多少無理は意識しておりましたが送らせていただきました。すみません。m(_ _)m kindleにする前に参考にしたかったので、講評を頂けて嬉しかったです。…というか、正直作品の傾向自体がこちらの賞の主旨に合わない自覚はあったので(かすかに、広い意味のJUNE要素があります。自分には必須なので(笑))、最後まで読んでいただけないかもと覚悟していました。なので、内容に具体的に触れていただいてる評を読んで、「本当に最後まで読んでくださったんだ」と妙なところで感動しました。丁寧な講評を頂けて感謝感激です。とても参考になりました。

作品は10年くらい前に同人誌用に書いたものを改稿したもので、オリジナルですが脇キャラでドイルせんせやホームズさん(他にもいろいろ)が出ます。同人誌でお読みいただいた方はあれだな、とお分かり頂けると思います。アレを送りました。無茶ですねえ(^^;)。でもパスティーシュではなく主役もストーリーもオリジナルなので、一度外の方に読んでいただいて、ご感想なりを伺ってみたかったのです。

お恥ずかしいですが、システム自体が参考になる方もおられるかもしれないので実物を載せます。こんな感じでお二人分の講評がいただけます。あとで手直ししてkindle版にするつもりなので、タイトル(変えるかもです)やネタバレになる部分はボカシを入れています。(べつにやらしい単語ではないです(笑))


全体はこんな感じ

評部分の拡大



比較的ご評価いただいたのは技術点(?)的な部分のようで、これは普段意識しないことなので想定外でした。一方欠点はお二人とも揃って「題材がこれでは読者が限定される」とご指摘いただいています。予想はしていましたが、自分としては元ネタがわかる方向けのパロディではなく、元ネタなど知っている必要はない物語として書いたつもりでした。ホームズは「架空の人物」、ドイルは「有名人」という点が物語の要素で、別のキャラクターでも替えられます。「ホームズネタ」もたしかにありますが、自分の意識ではそれはオマケで、ストーリーが立脚する要素にはなっていません。でもそこがなかなか通用しなかったようです。(個人的には、元ネタのあるものをその元ネタをよく知らずに平気で楽しんでたりするので、そういうのが自分には理想です。逆に、これはアレからもってきた、という答え合わせしか売りがないものは読者・観客として興味がなくて、あまりやりたいとも思わないんです。はっきりとパロディにするときは別なんですけどね。(^^;))

一方の方は元ネタ合わせでなく楽しめる部分を認めてくださっていますが、たしかに同人誌でも悩んだのはプレゼンテーションで、そこをご指摘いただいてるので自分の感じ方にも確信が持てました。同人では逆に「元ネタの認知度」のつながりで手に取っていただくしかなく、しかし手に取っていただくために入れたネタではなく、書きたかったのはパロディではない…という、まあいつものニッチなアプローチなので、できるだけ多数向けを狙うところで欠点になるのは至極当然です。

(だからこそやりたいというのがあるので難儀です。メジャー作品で面白いと思うものが少ないほうなので。(^^;)供給がないから自分で書く、というのはやはり同人誌のあり方ですね。いい悪いでなく。あえてそれを選ぶ以上は、読者が少なくなるというのは覚悟しなきゃいけない。そしてそれを商業の場に持っていけるのはすでにネームバリューのある場合だけだと思います。商業的に仕事をするというのは、関わる人たちの経済的な面に責任を持ち合うということですから、無謀な賭けはできないケースが多いのですよね。でもそれで成功するとは限らないのが難しいところ。そうでなければ、つぶれる商業出版社はないはずです。…いちおう出版社の端っこに勤めていた人間として書きます(^^;))

ともあれ、同人誌で発表済みの作品を受け付けていただける場は他にないので、書き直して送る場もなし。(イマドキ同人誌発表がいけないなんて、ちょっと首を傾げますね。切磋琢磨する場なのに)kindle版にするときには、ホームズが出てくるあたりは前面に出したほうがいいかな…?とも思いましたが、有名なものの名前が出てると、知らない場合に「知らないとだめなわけ?」という疎外感みたいなものが生まれやすいというのはあると思うんです。そこをうまくクリアできるような流れにできれば理想ですが…。純然たるパスティーシュではまったくないので、そこを期待されると肩透かしになってしまうし、やはりPR方法が難しいです。

(芯の部分でイメージソースと言えるものは、じつは同人誌のあとがきにはすべて書きました。ホームズではなく、あまり知られていない映画と古典作品です。これは読む方の予備知識に頼るという意味でなく、パクリでもなく、影響を受けて自分の中で発酵したらこうなった、という感じです)

…一番参考になったのは、読んだ方によって目をつける場所が違う、という、当たり前のことかもしれません。頭ではわかっていても、たまたま聞いたひとつの意見に流されたりすることがあります。たぶんそれを諌める(あるいは勇気づける)ために、二人分の評をつけるシステムにしてくださってるんじゃないかと思いました。(都合のいい解釈です(笑))
技術点(?)についてはあまり気にしたことがなかったので、少しだけ自信にもなりました。ある程度楽しめる、としてくださった部分をもっと広げつつ、かつ味を薄めることにならないよう工夫して(口で言うのは簡単(笑))仕上げていこうと思います。他の制作にもこれらのご指摘生かしたいです。

2015/11/13

拾い物お宝ビデオメモ Russell Elliot "Around"

先日ツイッターで拾ったんですが、すごく素敵なPVだったので。自分の覚書を兼ねて記事リンク等貼らせていただきますー♪テーマが「ストレートに恋したゲイ」と、「惹かれつつも逃げ腰な彼」。葛藤が表現された美しいビデオです。(えげつないところはまったく無いのでご安心を(^^))ダンス部分の振り付けがとにかく見事です。なんか何度も見てしまいます。

読んだ記事でわかる限りでは、このアーティストRussell ElliotはゲイのR&Bシンガー/ソングライターで、以前はRussell Wagonerという名前で活動していて改名したらしいです。曲はご自身の体験に即したものらしく、大学時代にストレートの男性に恋をして、相手も自分に惹かれていたものの、ノーマルなヘテロでいたいという気持ち(インタビューでは「特権」という表現もしている)のほうが強かった、ということのよう。インタビューによると"Frankly, it's the "go fuck yourself" I never gave him in person"(正直に言えば、これは彼に直接言えなかった「くたばっちまえ」だ)とのこと。

Attitude Magazine

ARTIST SPOTLIGHT, PREMIERES

HUFFPOST GAY VOICES




それにしても振り付けが力強くてかつ繊細で素敵。振付けたのはThe Kuperman Brothersという、ブロードウェイやインディーズフィルムで賞を獲っている方たちだそうです。公式サイトはこちら。



*     *     *

【2024/7/13 追記】
歌の意味を解説している記事をたまたま見つけたので、リンクを追記します。なんと今年7/4の記事。つい一週間ほど前です。元のブログを書いてからずいぶん時間が経ちますが、今でも訴えるものがある歌だということですね…。

2015/11/12

『歴史とは何か』と"Here Dead We Lie"+歴史家とイヤミとセレンディピティ


『歴史とは何か』と"Here Dead We Lie"

ずっと書きあぐねていたE. H. カーの『歴史とは何か』のご紹介、なんですが、改めて書こうとするとすごく難しいことがわかりました。要約できないんです。Amazonの同著者の本のレビューにもそうあったので、自分の怠慢ではないと思います。(^^;)

「(歴史とは)現在と過去との間で交わされる、果てしない会話(対話)である」

ほんとに、エピグラフにお借りしたこれに尽きるんですが、これだけ取り出すとわかったようでいてイメージがあいまいで。具体的に説明するとなるともう、この本読んでくださいとしか言えないんです。(笑)

…なんですが、それを体感できる例がたまたま出ました。さっきツイッターのマーク・ゲイティス兄のページを覗いたら、第一次世界大戦の戦争詩をつぶやいていらしたんです。今日(追記・書いてるうちに日付が変わったので「昨日」)が一次大戦が終わった日、ということでつぶやかれたようです。1918/11/11に終わっています。我田引水ですがそれを貼らせて頂いて、それに絡めて「こんな感じ」な部分を書き留めてみたいと思います。

(あとに拙訳を添えます。たしか以前もつぶやいておられて、それで知った詩でした。第一次世界大戦で戦死した若者の気持ちで詠われたもので、作者はアルフレッド・エドワード・ハウスマンです)



僕らは死んでここに眠る
生まれた国の名を汚し
生きることは
選ばなかった

たしかに人の命など
大して惜しいものじゃない
だが若者には惜しいのだ
そして僕らは若かった

参照:THE WAR POETRY WEBSITE  -  HERE DEAD WE LIE  - The poem by A E Housman

"life"は「人生」とか「命」とか「世界」とか、いろんな意味を持っているので訳すのが難しい言葉ですね。もっと生きて人生も世界も経験したかった、という気持ちがどっと溢れてくるように感じます。茨木のり子さんの『私が一番きれいだったとき』も思い出しますね。そちらは二次大戦時を詠った詩ですが、いずれも若い命を、あるいは時代を、戦争で失った人々の気持ちを詠った詩です。

で、これをどうして「今」ツイッターでつぶやくのかということ、これを読んだ私たちが「今」どう感じるのかということ…そこが大事で、それが歴史なんですね。うまく言えないですが、たしかに「今」これを読まされることに(記念日だということは別にして)「意味」を感じるし、そこには私自身が感じる不安も投影されています。今ここでこの詩をお読みになった方々が感じられるものも、少しずつ違うビジョンや感情を伴っていて、かつ共通の部分もあると思います。

現在の目を通して過去をどう見るか、そしてどういう未来を脳裏に描くか、と、過去―現在―未来と一本につながった感覚を持つのが、歴史感覚というものなんですね。『歴史とは何か』の主張によればそうで、歴史家の仕事は決して過去の事実を編纂することではないそうです。(それは「材料にすぎない」とか)乱暴な言い方をすれば、歴史家とクイズ王の違いはそこなんだろうな、と思いました。、(もちろん歴史感覚を培ったクイズ王さんはいるとは思いますけれど)

歴史家とイヤミとセレンディピティ

自分は歴史家でもクイズ王でもないですけど、前にこの詩を読んだタイミングが昨年の一次大戦100周年のときで、ちょうど興味が出ていろいろ読みかじっていた時期でした。それがイアンさんの一冊目につながりました。創作をするときは、こういうセレンデイピティみたいなものの力が大きいといつも感じます。じつはこれが、『歴史とは何か』のなかでカーが歴史家さんの仕事の仕方を「普通はこう考えるようだけど…」と否定しながら紹介してるのと一緒なんです。皮肉にも小説なんかを書くならまだしも、みたいなイヤミを言われてるんですが(笑)、私はまさにカーがやってるのと同じことをしています。もしかしたらカーの言うとおりで、フィクションの作り方としては異端なのかもしれませんが、「自分は普通と違う」と思うのは逆に言うと自惚れだ、と感じるほうなので、まあ普通にけっこうあることではないか、と思っておきます。ちょっと長いですが引用します。どう思われますか?

…すなわち、先ず、歴史家は資料を読み、ノートブック一杯に事実を書きとめるのに長い準備期間を費やし、次に、これが済みましたら、資料を傍へ押しやり、ノートブックを取り上げて、自分の著書を一気に書き上げるというのです。しかし、こういう光景は私には納得が行きませんし、ありそうもないことのように思われます。私自身について申しますと、自分が主要資料と考えるものを少し読み始めた途端、猛烈に腕がムズムズして来て、自分で書き始めてしまうのです。これは書き始めには限りません。どこかでそうなるのです。いや、どこでもそうなってしまうのです。それからは、読むことと書くことが同時に進みます。読み進むにしたがって、書き加えたり、削ったり、書き改めたり、除いたりというわけです。また、読むことは、書くことによって導かれ、方向を与えられ、豊かになります。書けば書くほど、私は自分が求めるものを一層よく知るようになり、自分が見いだしたものの意味や重要性を一層よく理解するようになります。恐らく、歴史家の中には、ペンや紙やタイプライターを使わずに、こういう下書きはすべて頭の中ですませてしまう人がいるでしょうが、これは、(.中略..)

しかし、私が確信するところですが、歴史家という名に値いする歴史家にとっては、経済学者が「インプット」および「アウトプット」と呼ぶような二つの過程が同時進行するもので、これらは実際は一つの過程の二つの部分だと思うのです。みなさんが両者を切り離そうとし、一方を他方の上に置こうとなさったら、みなさんは二つの異端説のいずれかに陥ることになりましょう。意味も重要性もない糊と鋏の歴史をお書きになるか、それとも、宣伝小説や歴史小説をお書きになって、歴史とは縁もゆかりもないある種の文書を飾るためにただ過去の事実を利用なさるか、二つのうちの一つであります。 (『歴史とは何か』p.37-38)

…なんかすごいイヤミですよね。(笑)面白いことに、先日新聞では過去―現在―未来とつながったビジョンを描かず過去だけを見ることを「歴史家ならそれでいいでしょうが」と一刀両断して、ご自分の領域では違う、と書いてた方がおられました。なんか、引き合いに出すってそういうことになりがちなんでしょうかね。(笑)

それはともかく、コナン・ドイルせんせなんかもたしかに、事前にいっぱいノートを取ってから書いてると自伝に書いてました。(特に本来やりたかったという歴史ものの話でそんなことを書いておられました)それがやはり正攻法なのかな…とは思いますが…いや、事前にももちろん調べるんですけど、書き出してからあとの自分のフィードバックや「偶然の出会い」のほうが、影響の度合いが大きく感じるんですね…多少の下調べあればこそ、といえばそれまでですが(^^;)。まあ過程は自分が経験するだけであって、大切なのは出来上がるものの質ですし、いくら「何年も準備しました」と言っても言い訳にはならないですし、同時進行でやるのはかえって時間がかかることもあるので、それでどうこう、ということもないかもしれません。ただ、ちょっと気に入った本の著者にこんなイヤミを言われているのが気に障ったのでした。(笑)

カーはこの本の中で、歴史の本を読む前に、それが書かれた年代、そして歴史家自身についても知るべきだと書いています。歴史家は時代に属するもので、歴史の一部だからと。そういうわけで、今はカー自身の伝記(評伝?)が読みたくなっています。自伝は書いていないようです。(←追記・その後『危機の二十年』新訳版をゲットしたら解説で自伝に言及していたので、書いていたようです!著書の検索で見あたらなかったのでてっきりないのかと…改めてUKアマゾンでも検索しましたが見つけられなかったので、絶版で古書も流通していない???読めないとなるとすごく読みたいです…!!(^^;))伝記はカーの教えを受けたことがある方が書いたそうで、タイトルが『誠実という悪徳』。原書名が"The Vices of Integrity"なので直訳です。うわーなんかすごくそそる!❤

というわけで、いつも通りまとまりませんがこのへんで。

Amazon Kindle 著者ページ

Amazon Kindle 著者ページ
『追憶のシャーロック・ホームズ』紙版もマーケットプレイスに出品しています。

BOOTH SUSSANRAPストア (International shipping available)

BOOTH SUSSANRAPストア (International shipping available)
紙の本、レアな(?)ホームズグッズなどもございます。(^^)